エピソード 35
「君たちが本当に仲良しだということがよくわかったよ」
その言葉を口にした直後、ミカエルが三発のパンチをお見舞いされたのはいうまでもないことであるのだが、提案項目が同じである以上、やはり先手必勝、最初に提案したものが有利となる。
もちろん順番が遅い方が先手の案を参考にできるという利点があるのだが、やはりインパクトという点では先に提案した方が圧倒的に有利となる。
しかも、これを決める薫子のだらしない性格を考えれば、ほぼ同じ内容を聞くことになるため、三人目の話を聞いているかもわからない。
ということで、狙いはやはり一番クジ。
ガブリエルは腕力で順番を決めようと提案するが、当然却下。
ウリエルは何か自分に有利になるものはないかと考え込むところで、ルシファーが提案したのはシンプルにクジ。
具体的には「あみだくじ」となる。
まあ、これであれば三人ともイーブンとなるので問題ないと思われるのだが、ここであらたな問題が起きる。
それぞれが線を書き加えていくわけなのだが、止まらないのである。
そう。
さすが天使と悪魔と言うべきか、一瞬で当たりの場所へのルートを見つけ出すと強引に自らへ誘引するため線を加えたのである。
「あなたたちに任せていたら日が暮れる。線は私が加えます」
それが薫子の最終判断となる。
そして……。