エピソード 33
そして、そこから露骨、いや、卑屈なまでに媚びを売る、天使と悪魔。
だが、食事に関してはミカエルより上にいく自信がない。
むろんそのままではミカエルの得点になってしまうため、ひたすらこき下ろす。
あることないこと、いや、ここまでくると、ないことないこと、とにかくひたすら言葉を並べる。
そして、肝心の自身の得点であるが、食事以外の家事ということになる。
だが……。
「薫子。風呂の掃除が終わった。完璧だ」
「何を言っているかな。ガブリエル。そこは君がおこなう前に僕がきれいにしたのだよ」
「それを言うなら、おまえもそうだ。ウリエル」
「そうなのかい?それは初耳だ。クソ悪魔」
「私の仕事に散々ケチをつけていた奴の言葉とは思えないな」
「うるさい。貴様たちがいなくなればすべて私の功績だ。死ね」
とても天使とは思えぬセリフを口にした瞬間、ガブリエルの頭には再びお仕置きのピンクのスリッパが炸裂するわけなのだが、とにかく、すべてがこのとおり。
ちっともはかどらない。
今晩の地獄を回避するためにはもう少し目に見える功績を挙げねばならない。
そこで目をつけたのは……。
買い物だった。