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エピソード 2

筆頭悪魔ルシファー。

少年のように見えるが、これでも生きたマンモスを見ているくらいの年月は過ごしている。

当然、そうなればルシファーよりも五歳ほどは年長に見えるミカエルはそれ相応の年齢ということになる。

まあ、天使と悪魔だから当然ではあるのだが。


「前回はおまえの得意分野である料理がお題であったから不覚を取ったが、今回も同じだと思うなよ。軽薄天使」

「それは言いがかりというものだよ。堅物悪魔。それに狡賢い弟君と違い、君みたいな硬直した思考の持ち主が相手ならどんなお題であっても負ける気はしないよ」

「言っていろ。汚名返上、名誉挽回。それを実証してやる」

「汚名挽回の間違いだろう」

「では、おまえは名誉を返上しろ」


軽薄天使。

堅物悪魔。


天使と悪魔の頂点に立つ者に付けられるものとは思えぬものだが、これがふたりの肩書代わりの呼び名であり、その実態を表しているものというのが多くの者の感想でもある。


「とにかく引っ越しの準備はしておけ。汚天使ミカエル」

「いやいや、今回も僕らの勝利だからそれは不要だよ。地獄に根を下ろした堕天使ルシファー君」


そう。

このふたり、仲が悪そうで実はそれほどもない。

もちろん本人たちは絶対に認めないが、下界には連れ立って出かけていることは多くの者が知る事実である。


「さて、そろそろ部屋に入ろうか」

「ああ。あまり待たせるとアリシア様が不機嫌になるからな」

「これは驚き。悪魔でもお仕置きが怖いのか」

「当然だろう。不始末をしでかしてお仕置きされている貴様たちの泣き顔を何千、何万と見せられているのだぞ。私は」


そう言ったところで、表情を変えた天使と悪魔。

彼らが下界と呼ぶ世界に住む者が見たら卒倒しそうな光景であるが、天使と悪魔が並び立ち、その扉を開けた。


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