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エピソード 16

むろん脳筋天使にそのような小難しい話がわかるはずはなく、必然的に視線はもうひとりに集まるわけなのだが、そちらだってこのような話を理論的に解説するようなことが得意ではないのですぐに白旗。

お開きとなる。

その後、三人は二回の食事の間に少女の命じられるままある場所の片づけをさせられる。

押し入れ。

それがその場所となる。

まあ、片付けと言っても、古いアパートの定番となる上下二段に分かれる押し入れのうち、下段部分に押し込められていたものを上段に押し込め直す、いわゆる垂直移動をおこなったのだが。


「一応終わったよ。薫子」

「よろしい」

「それでここを開けたということは何か入るのだろう。まさか、入れるものなどないにもかかわらず我々をこき使ったわけではないだろうな」

「それはない。私はそんな暇人ではないから」

「……暇人だろうが。いや。ニートか」

「ウリエル。ここに来なさい」


誰にも聞こえないように言ったはずのひとりごとを言った直後、ウリエルは薫子の指名を受ける。


「な、なにかな」

「当然お仕置きです」


直後、スリッパがウリエルの頬を直撃する。


「今はこう言うのを家庭内暴力というのだろう」

「これは家庭内暴力ではなく、単なるお仕置きです」

「同じだろう」

「違います」


その言葉とともにもう一撃。

涙目でウリエルはふたりの同僚のもとに逃げ帰る。


「とにかく、その押し入れはちゃんと理由があってきれいにしたのです」

「それで、何を入れるんだい?薫子」

「それは後のお楽しみ」


「まずは食事にしましょう」


さも自分がつくったかのようにオーバーアクションで三人を招く暴力少女であった。


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