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眼の前に倒れた子供が黒死病でした

遅くなってすみません。

今日一話目です

朝食会場はそれからが大変だった。


「殿下、どういう事なんですか? あなたは、こんないたいけな子を抱かれたのですか?」

「いや、誤解だ。辺境伯夫人、アオイが抱いたというのは、震える、アオイを慰める意味で」

「それで、このいたいけな少女を自分の物にして、自分が目に隈を作るほど盛ったと」

「お前、盛ると言うのはさすがにいかがなものかと」

「あなたはだまらっしゃい!」

一括して夫を黙らせると、夫人はクリフに更に迫って言った。


「殿下、こんないたいけな子を抱くなどどういう事です」

「すみません。私が抱いてくれと言ったんです」

「アオイ、頼むから黙っていてくれ」

クリフが、私に頼んできたんだけど……でも、クリフが、目に隈作ったのは絶対に、私の寝相が悪かったからなのに! 黙っていてくれって言うから、仕方なしに黙っていたんだけど。


結局、それから30分くらいかかって、皆はやっと納得したみたいだけど、何を争っていたのか、私には良く判らなかった。私は病院育ちの純粋培養品で男女の間の事なんて良く判っていなかったのだ。


それから、辺境伯夫人は私にとても親切になって、きれいな衣装とかも譲ってくれたりしたのだ。

「もし行くところがなかったら、我がミルコーブ家を頼りなさいね」とまで言ってくれたのだ。


辺境伯の騎士達は怖かったけれど、一応私に謝ってくれた。

何故か、頬に手形が付いていたけれど……



それから私達は帝都へ向かった。クリフの愛馬に乗ってクリフと私だけだったら2日で行けるそうだけど、今回はクリフの近衛も3人が一緒に来るとのことで3日かけることにしたのだ。

それだけクリフの愛馬のホワイトは素晴らしい馬なんだそうだ。


「凄いわね。ホワイト」

それを聞いて私がホワイトに語りかけると

「ヒヒーーーン」

とホワイトは自慢げに鳴いてくれた。


まあ、騎士たちの馬も優秀な馬だそうで、通常の馬車の旅なら5日はかかるそうだ。


クリフの愛馬のホワイトに乗せてもらって今日も私はご機嫌だった。


何故かクリフが前までは密着して乗っていたのに、今は出来るだけ離れようとしているんだけど、とても重心の取り方が難しくて安定しない。


「クリフ、もう少し前に来てよ、支えてくれないと少し怖い」

私が後ろを振り返って言うと


「いや、アオイ、一人で乗れるように練習するためにも少し距離を置いた方が良いから」

もっともらしい事を言ってくれるが、何故かクリフの顔が赤いんだけど。


「どうしたの? クリフ、顔が赤いけれど」

そう言って手をクリフの額に伸ばそうとして私は重心を崩した。


「危ない」

慌てて、クリフが後ろから抱きとめてくれた。


「アオイ、ちゃんと、前見て乗っていないと」

クリフが注意してくれるんだけど、


「だって、クリフがちゃんと抱いてくれないから」

「抱く?」

後ろをちらりと見たら何故かクリフが真っ赤になって固まっているんだけど、熱でもあるんだろうか?


「大丈夫、クリフ?」

私が下から見上げると、

「ちょ、ちょっと、アオイ、前を見て」

クリフがとても動揺するんだけど、何でだろう?


良く判らないけれど、思いっきり後ろのクリフにくっ付いてみた……




「はい」

私は疲れ切っているクリフに井戸から水を汲んできて飲ませた。

クリフが疲れているようなので早めに休みを取ったのだ。私達は通りかかった村の外れにある川の横の広場で休憩していた。


「クリフ、大丈夫?」

私はクリフの横に座って聞くが、クリフが少し距離を取ってくれるんだけど、なんか避けられているようで嫌だ。平民女だから避けるのか? 今までそんな事はなかったのに!

私は少しむっとした。


「クリフ様、大丈夫ですか? なんでしたら俺がアオイ様を乗せましょうか」

ケンがクリフに聞いて来た。


ケンの馬もホワイトよりは小さいが結構大きな馬だ。

まあ、クリフと離れるのは悲しいけれど、気分が悪いのならば仕方がない。それに他の馬に乗せてもらうのも、どんな感じか興味はあった。


「いや、いい。アオイは俺が乗せる」

急にシャキッとしてクリフが言ってくれるんだけど。


「でも、大丈夫なの? 無理なら、ケンさんの馬に乗せてもらうけれど」

私が心配して聞くと

「大丈夫だ。お前がくっつきすぎなければ」

「えっ、今までそんなこと言わなかったくせに。くっ付いていた方が安定感があって乗りやすいのに」

私が口をとがらせて文句を言う。


「何かクリフ様って女には純情だったんですね」

呆れてジムが言っているけれど、私にはよく意味が判らなかった。



そこにフラフラと男の子が歩いてきたのだ。


私の前でバタリと倒れたのだ。


「大丈夫?」

私は慌てて駆け寄ろうとしてクリフに抱き止められた。


「なにするのよ、クリフ」

私がきっとして振り向いて言うと


「近寄るな。この子は黒死病だ」

そう言うクリフの顔は恐怖に歪んでいたのだ。



ここまで読んでいただいてありがとうございます。

黒死病とはなんぞや?

続きは今夜更新予定です。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。
この話の

次の作品はこちら


『天使な息子にこの命捧げます』

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その

連載版はこちら


『連載版・天使な息子にこの命捧げます』

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公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

この話の

フランの小さい頃の話はこちら


『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』王子様に執着された無敵少女、魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
上記のフランの子供の頃の物語です。

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