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アリストン軍はあっさりと降伏しました

クリフと私は二回の逃避行、一度目はアリストンの王宮から追い出されたのでクリフ故郷の帝国に行くために、二回目は拐われたアリストンの王宮から逃げ出すためにこの道を逃げてきたのだ。

一度目はクリフと二人で、二回目はゴードン先生と三人で、走ってきた。


それが今度は大軍に守られて、逆にアリストンの王宮に向かっているのだ。


アリストン軍はたまに遭遇するが、彼らは我々を見ると一目散に逃げ出して行った。


我々はその逃げ出した敵を追いかけて王都に急行したのだ。


私はヴァーノン族が連れてきてくれた白馬のホワイトにクリフと一緒に乗っていた。

ヴァーノン族もバレー族も騎馬民族なだけあって馬はとても優秀だった。


次々にアリストン軍を蹴散らして、王都の城門をアリストンが閉める前に王都に突入したのだ。


「者ども、行くぞ!」

カルヴィンさん等を先頭に私達は突入した。


「「「キャーーーー」」」

「助けて!」

なだれ込んできた帝国軍に王都の住民は恐慌をきたして蜘蛛の巣が散ったように逃げ出した。


帝国軍は抵抗にあうこともなく、あっという間に王宮の前まで来たのだ。


王宮は固く閉じられていた。


兵士達が慌てて城壁の上からなにか叫んでいる。


カルヴィンさんとデリックさんの指示によってあっという間に王宮は帝国の大軍に包囲されてしまった。


「アリストン王国の偽聖女に継ぐ。直ちに聖女アオイ様の前に降伏せよ」

取り囲んだ我軍の前に騎乗のまま進んでカルヴインさんが大声で降伏勧告してくれた。


城壁にキンロスの王子等を引き連れた凛が出てきた。


「ふん、何を言う。帝国の皇子は何をトチ狂ったのだ。ここにおわすお方こそ、聖女リン様だ。そちらにいるアオイと名乗るものこそ偽聖女だろうが」

キンロスの王子が言い返してきた。


「笑止千万。そちらにいる偽聖女はヒールも使えないそうではないか! 片やこちらの聖女アオイ様は20年も前の私の足の怪我を治して頂けたのだ。どちらが聖女様に相応しいか言うまでもなかろう」

カルヴインさんが言ってくれたが、なんか自分のことを言われてとても面映ゆかった。

それに対して言い返せず思わず王子が詰まる。


「ちょっとアラム!」

凛が注意するがアラムはすぐに対応できなかった。


「ふん、そのようなヤラセなど、いくら聞いた所で茶番に過ぎませんわ」

凛が慌てて叫んできたが、


「ふん、茶番も出来ぬ聖女が何を言うやら。癒やし魔術を使えない聖女などおらんわ」

「な、なんですって」

凛が歯ぎしりして悔しがるが、実際そうなんだから何も言えないはずだ。


「偽聖女凛とやら、貴様がいくらほざいた所で、偽は偽だ。聖女アオイ様が聖女様だということをここに証明しよう」

クリフが前に進み出て言い放ったのだ。


「何をするつもりよ。まあ、どのみち何をやっても茶番だけど」

リンは笑ってこちらを向いた。


「ふん、茶番かどうか、ようく見るが良い。さあ、アオイ様」


私はクリフに促された。私は事前にクリフに言われていたことを実行したのだ。


「聖女アオイが命じます。城門開門。降伏の鐘よ鳴れ!」

私が声を上げると


ギーーーーーと言う大きな音ともに、アリストンの城門が大きく開いたのだ。



「えっ、ちょっと何しているのよ」

リンが慌てて叫んだが、

「いえ、こちらは何もしておりません」

兵士達が大慌てで叫ぶさまが映った。


カラン、コロン、カラン、コロン


一斉に降伏の合図の鐘が鳴り出したのだ。


「嘘だ!」

「そんな、馬鹿な」

リンたちが慌てふためいて叫ぶ。



「よし、突入しろ」

「「「ウォーーーー」」」

王子と凛が唖然としている間に、クリフの合図で帝国の兵が中に突入したのだ。


アリストン軍は抵抗する間ももなくあっさり全軍降伏したのだった。


次回完結です。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。
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「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

この話の

フランの小さい頃の話はこちら


『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』王子様に執着された無敵少女、魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
上記のフランの子供の頃の物語です。

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