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1話/こっちの世界には剣も技も魔法もあるのか!最高やんけ!俺はいったいどんだけ強くなれるのか楽しみで仕方がないわ!

作者は深夜テンションで書いております。

作者は物語の行く末を全く考えていません。

作者は小説を書いたことがありません。

作者は優しい人が大好きです。

 俺、柳哲也は不満を抱えていた。何に対してか。この世界にだ!


 力が好きだ。自分の工夫と努力で得られる力が。


 そしてその力によって得られる優越感も大好きだ。


 しかし、この世界のルールではそれを満足に得られない。


 俺は剣道を15年やっている。


 先日の全国大会個人戦で優勝し、満たされるかと思ったが、虚無感しかなかった。


 剣道で優勝したから何なんだ。


 金が貰えるのか、賞賛されるのか、自分の命を守れるのか。

 

 絶望した。戦国時代にでも生きていれば、剣の才能に酔いしれた毎日を送ることができただろうに。


「死にたくて草」


 その願いを叶えるかのように天から鉄骨が落ちていた。


「ほらな、剣道なんかやっていてもその恩恵を実感することなく死ぬんだ」


 激痛と悲鳴の中、柳哲也の意識は失っていった。




 んっ…ここはどこだ?ああ天国か。


 見渡す限り雲、雲、雲。


 青の映えた空の中に俺は浮かんでいた。


「綺麗だなー」


 太陽が近い。

 その太陽に手をかざすように腕を伸ばした時、違和感を感じた。


「なんだ?この手。赤ちゃんみてぇに小せえぞ。シワシワだし。」


 まさかと思って自分の体を見る。


 赤ちゃんの体をしていた。


「どういうこと?」


 浮かんでいた体がゆっくりと降下し始める。


 雲の中に突入し、しばらく視界が真っ白に染まった後、真下に世界が広かった。


「おおお!すげぇ!どういうこと!?」


 徐々に降下していき、大きな壁に囲まれた街が見えた。街の外は平原が続き、その先に森や海、山がある。


 そして俺はその街に吸い込まれるかのようにふわふわと落ちていく。


 その途中で1人の人間を見つけた。その人間を注視する。


「なんだ?あいつ。中世ヨーロッパ人みたいな格好しやがっ…」


 驚愕した。なぜならその人間は火を吹いたのだ。


 街に近づき、街の様子がよく見えるようになる。


 水を生み出し、弧を描く道化師。二足歩行の大きい恐竜に乗る剣を背負った青年。小さくガタイのいい鍛治師。知ってるぞ、ドワーフってやつだ。あ、エルフもいる。街並みも中世ヨーロッパの建物ばかり。


「ファンタジーの世界じゃ〜」


 俺は歓喜した。


 ファンタジーの世界ってことは力が全てだ。力が自分の命を守り、金を生み出し、名声や優越感も生み出す。


 しかも力には剣や格闘技だけじゃなく魔法というものもある。


「体が赤ちゃんってことは転生したってことだろ?あ、あの家に転生するのか」


 少し周りと比べて大きい屋敷のような家に近づいていく。


「貴族の家か?最高だぜ!力を得るのに不自由のない環境ってことじゃないか!」


 体が家の壁を通り抜き、1人の女性の膨らんだお腹の中に吸い寄せられる。


「どんな力を得ようか。剣を極めるのもいいがせっかくファンタジーの世界に来たんだし魔法も極めたいなぁ。魔法剣士とかもあるのかな?フヘ!フヘヘへへ!」


 女性のお腹の中に入ったのか、視界が真っ暗になり、すぐに光が差し込んだ。


「フヘヘへへへへへへ!!」


 後から父に聞いた話だが、産声が笑い声の奴は初めて見たと出産に立ち会った人達から言われたそうだ。

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