表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/312

64日目(異世界)


暗闇の中、【土魔法】で穴を彫り続ける。


「ノーツさん……」

「どうした?」


「この先に空洞がありそうです。

どうしましょう」

「大きさはわかるか?」


「いえ、空洞があることしかわかりません。

大きさは不明です」

「……そうか」


「可能性としては、奴らの巣穴ってのが一番高いだろうな。

何しろあれだけの数がいたんだ。

あの大きさの巣穴が1つだけってのはおかしいだろう」

「……まずいですね。

巣穴から離れるつもりで、他の巣穴にぶつかってしまうとは」


「そうだな、穴は空けないほうがいいだろう。

ただ……」

「?」


「いや、カーシーやラウール、オルランドがいるかもしれん……」


そうだ。

他のみんなが逃げ切れているとは限らない。

同じように四肢を折られ、他の巣穴に運ばれた可能性もある。


「しかし、穴を開けての救出はリスクが高すぎる。

俺たちだけでも脱出できればそのあと救出に来ることだってできる……

できるが……」

「時間ですね?」


「そうだ。

俺たちが仮に脱出できて、救出に向かってこれたとして最低でも4日間くらいはかかるだろう。

その間食われないとは限らない。

むしろ4日間食わないって可能性のほうが低いな……」


「行きましょう。

仮にカーシーさんたちが逃げ切っていたとしても、他の生存者がいるかもしれません」

「……そうだな。

こんなときに命を張るのが冒険者ってもんだ」


僕は息をのんで、穴をあける。


「こっちだ。

洞窟の入り口はおそらく奴らの見張りがいるだろう。

生存者がいるなら洞窟の奥だ」


僕は【炎魔法】を使いノーツさんについていく。

随分と広い巣穴だ。

僕たちがいた巣穴よりも横幅が広く天井も高い。


奥へ行くとさらに通路がひらける。


!!


ひどい……


いくつもの死体が転がっている。


……強い臭気が立ち込める。


「何体かいるな……

狭間君、【炎魔法】で照らしてくれ。

ダブルだったら即撤退だ」

「はい……」


僕は息を呑む。

大きな賭けだ。


【炎魔法】を発動すると、1匹のシングルヘッドがいた。

奴が明かりに気づくと同時にノーツさんが突進して吹き飛ばす。


「フンッ!」

「はっ!」


僕も続けて【エアブレード】を打ち込む。

さらに近づいて【ガウジダガー】だ。


前衛の戦闘にほんの少しだが慣れてきた。

隙きがあれば連続で【エアブレード】を打ち込んでいく。







1匹だけだったので、それほど時間をかけずに討伐できた。


ノーツさんは冷静に生存者を確認する。

カーシーさんやラウールさん、オルランドさんは見当たらない。


「狭間君、こっちだ。

生存者がいるぞ」

「はい」


僕は【ヒール】を使って横たわっている生存者を回復していく。

生きているのは彼だけだろうか。


「おい、しっかりしろ」

ノーツさんが声をかける。


「俺は……?

死んでないのか?」

「あぁ、ここはダブルヘッドの巣穴だろう?」


「!

そうだ!

お前ら逃げろ!」

男はガタガタと震えだした。


「トリプルだ。

トリプルヘッドがいたんだ……」

「なっ!

馬鹿な!」


トリプルヘッドというのはダブルヘッドのさらに上位の魔物なんだろうか。


「まずい……

街が壊滅するぞ……」

「!

そんなに強力な魔物なんですか?」


「あぁ、仮にダブルヘッド討伐のメンバー全員で行ったとしても全滅だろう。

1000人くらいの規模、もしくは英雄クラスの人間がいないと太刀打ちできない」


「おい、歩けるか。

すぐに出るぞ。

狭間君、さっきの横穴に戻ろう」


メキッ!

振り返ろうとした瞬間、足に鈍い痛みが走る。


「っ!!」

足の骨が折られた。


ダブルヘッドだ。

ダブルヘッドがすぐ後ろまで迫っていた。


「おい!

大丈夫か!」


ドガッ!

ノーツさんもふっ飛ばされたのだろうか。


ダブルヘッドはのそのそとこっちに近づいてくる。

最悪の状況だ。


僕は自分の足に【ヒール】を使い続ける。


「ガァッ!」

ゴギィッ!


「うあぁぁぁ!!」

もう片方の足も折られる。


クソ!

回復が追いつかない。


メキメキッ!

「がああぁぁ!」


今度は両肩を押し潰される。


やつは僕の四肢を全て折ると、生存者とノーツさんの方へ向かう。


「うぉぉ!!」

ノーツさんが立ち向かうが、まるで相手にならない。

ドガッ!


盾ごとふっ飛ばされ、僕と同じように四肢を折られる。


「ヒィィ!」

次はさっきの生存者だ。

彼の方にゆっくりとのそのそ近づいていく。


ダメだ……

意識が……

回復しなければ……


狭間圏はざまけん

【聖職者:Lv18】

HP:42/174(↑+2)

MP:144/442【聖職者:+48】

SP:54/54

力:21

耐久:40

俊敏:37【聖職者:−2】

器用:14

魔力:29【聖職者:+38】

神聖:66(↑+1)【聖職者:+48】

【回復魔法:Lv28 ヒール:Lv27(↑+1)オートヒール:Lv0(New)】

【土魔法:Lv24(↑+3)】

【痛覚耐性:Lv1(↑+1)】

【etc.(24)】


現在のキャラの大まかな強さです。

上から弱い順です。

カルディさんはどこに入るか謎です。



子供

狭間(転移直後)

一般人

駆け出し冒険者

初心者冒険者

ミューロ

魔法使い(クレスパーティ)

クレス

シングルヘッド

狭間(前衛として)

中堅冒険者

オルランド

カーシー

ノーツ

ラウール

教会職員(新入り)

狭間(後衛として)

ベテラン冒険者

教会職員ベテラン

上級冒険者

ダブルヘッド

ドグバ(ギルド受付)

副団長

(月一)武闘大会優勝者

騎士団長

ショーン

トリプルヘッド


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 物凄い絶望的な状況で盛り上がるな! ここから生存て、 誰かめっちゃ強い奴が助けに来るか、 少年漫画でありがちな覚醒でも起こらないと無理だろ でも今までの作風からいって、 この状況を覆せる程…
[良い点] 大まかな強さランキングありがとです。 [一言] これだけスキルを色々ともっていてもベテランにはかなわないのかぁ。 特に気になったのは「教会職員(ベテラン)」なんだけど 神聖が68+48で1…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ