61日目(異世界)
今日も清々しい朝だ。
なんだろう、僕は野営が好きかもしれない。
病室で【水魔法】を鍛えていることもあり、生活用の水に困らない。
夜も水魔法で身体を拭くことができる。
「おはよう、狭間君、今日も早いな」
「ノーツさん、おはようございます!」
「今日は出発だ。
準備ができたら、騎士団の方に軽く挨拶をして帰ろう。
帰りは来たルートと同じく南ルートだな」
「はい、わかりました」
僕たちは出発の準備をして、騎士団のほうに挨拶へ行く。
報酬は帰ったあとにギルドでもらえるらしい。
「来年も頼むぞ」
「そうですね、時期が来たらやりましょう」
ノーツさんが騎士団長に挨拶をする。
やっぱりカンダさんに似てるよなぁ……
……ぇ?
騎士団長の首に3つ並んだホクロがある。
カンダさんと同じ位置だ。
どういうこと?
偶然……だよな?
年齢も多分違うだろうし……
「どうした?
ぼーっとして」
「いえ、なんでもありません……」
カーシーさんに言われる。
「帰りも一応魔物がいるんだから注意しろよ」
「はい」
へんな偶然だな……
◇
帰りは騎士団と別ルートだ。
僕たち冒険者達は南ルートから帰る。
ショーン達と同じルートなので、帰りもみっちり修行してもらおう。
ノーツさんが言っていた通り、帰りはシングルヘッドもまばらだった。
「おい、シングルヘッドがまだ少しいるな」
「今年はダブルヘッドが二体だったからな。
多少残ってるんだろ」
まぁ数はほとんどいないな。
ショーンもいるし、来たときよりすんなり進む。
なにより荷物が少ないしな。
酒を消費した分、ドロップアイテムがあるが、シングルヘッドとダブルヘッドの素材はみんな騎士団行きだ。
僕個人で言うと、毒の実が大量にあるが。
そして、帰り道でさらに毒の実が増える。
【アンチポイズン】をして少し食べて減らそう。
サクサクと進むので、夕方には初日の合流地点まで着いてしまった。
一応ノーツさんに聞いたが、帰りのジョブは何にしていても良いらしい。
【見習い魔法士】のジョブレベルが3しかなかったので上げておいた。
シングルヘッドがあまり出ないとはいえ、ジョブレベルは11になった。
今日はここで野営のようだ。
各自野営の準備をする。
「しかし、今回は5万くらいいくんじゃないか?」
「かもな、去年は3万だったろ。
今年はダブルが2体だったからな」
「報酬ですか?」
「そうだ。
今年はダブルヘッドが2体だったし、シングルヘッドの素材も多い。
5万セパタくらいは報酬が支払われるだろう」
「おぉ、5万は大きいですね」
「それにお前【エリアヒール】が評価されてれば、少しプラスされるかもよ」
「ぇ!
マジですか!
全員同じ報酬じゃないんですか?」
「そりゃそうさ。
あの槍使いは最低でも20万くらいもらえるだろ。
4人分どころの働きじゃねぇからな」
「確かに……」
そうか。
全員同じ報酬にしたら、強い人はこういうのに参加しにくくなるもんな。
しかし、5万は大きい。
一通り野営の準備が終わったので、ショーンのところへ行く。
「今日もよろしく!」
「毎日元気だな、お前。
まぁ今日がラストだ。
思いっきり来いよ!」
◇
思いっきりいって、ボコボコにされた。
「おぅ、落ち着いたら帝都にいかねぇか?
ちょっと遠いけどポータル使えばいいし」
ポータルというのは転移魔法陣だ。
僕はまだ使ったことはないけど、お金を払って他の都市へ移動できるらしい。
「おぉ!
そしたらまた修行してくれるの?」
「あぁいいぜ。
あとは帝都でなんかクエストしてぇな」
「だったらもっともっと強くならないとな。
それじゃ、もう少し頼むよ」
「おぅ!」
僕はさらにボコボコにされた。
◇
残ったMPは毒の実に使っておく。
カチャリ
あれ?
ジョブ?
確認すると【薬師】が出ていた。
あれ?
これって【土魔法】の【創造】を使ってると出てくるって前にカルディさんが言ってたけど。
毒の実から毒を抜きまくっていたら出てきた。
習得条件は何通りもあるし、人によって違うからな。
僕の場合はこれが習得条件だったのかもしれない。
【薬師】のジョブを上げておくと、【錬金術師】も出てくるらしい。
明日のジョブは【薬師】にしておくのもありかもしれない。
狭間圏
【斥候:Lv17】
HP:81/164(↑+7)
MP:26/434
SP:2/45(↑+6)【斥候:+54】
力:21
耐久:37(↑+3)
俊敏:37(↑+1)【斥候:+32】
器用:14【斥候:+32】
魔力:28
神聖:63(↑+2)【斥候:−7】
【回復魔法:Lv26(↑+1) ヒール:Lv25(↑+1) アンチポイズン:Lv9(↑+2)】
【盾:Lv11(↑+1) ガード:Lv7(↑+1)】
【毒耐性:Lv16(↑+1)】
【ストレージ:Lv8(↑+1)】
【etc.(16)】




