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56日目(異世界)


「よぉ毒喰らい」

ラウールさんがからかうように言う。


「おはようございます」


僕は昨日の夜毒の実を食べているところを見られ、毒喰らいと呼ばれるようになってしまった。


「僕もう完全に毒喰らいなんですかね?」

「はは、まぁそう嫌そうに言うなよ。

この狩りが終わってからでも、毒のアイテムが余ったらくれてやるよ」


「えぇ!

それはありがたいです!」

「……やっぱお前、完全に毒喰らいだわ」


今日も他のパーティの荷物も含めて僕が限界まで持つ。


「なんかすげぇことになってんな、お前」

「ぁ、ショーンさん。

おはようございます。

今日もよろしくお願いします」


「まぁ程々にな。

カルディさんが特殊なヤツだって言ってた意味が今ならわかるぜ」

「特殊でしょうか?」


「お前、自分のことをよく考えてみろよ。

すげぇでかい荷物持って、毒喰って、盾と短剣持った回復職なんているか?」

「どうなんでしょう?

いないんですか?」


「いねぇよ」


ん〜……

単純に効率を求めた結果なんだけど。


「まぁ今日もガンガン狩るから頑張ってついてこいよ!」

「はい、頑張ります!」





◇




今日も冒険者パーティはすごい勢いで狩りを続ける。

ただ、さすがに昨日よりはペースが落ちている。

というのは、魔物の割合だ。

昨日までは数匹しか出てこなかったシングルヘッドの数が増えてきた。


「おい、だいぶ増えてきたな。

去年より多いんじゃないか?」

カーシーさんがノーツさんに言う。


「あぁ、これは合流地点の割と近くにダブルヘッドがいるかもしれないな」

「おいおい、大丈夫かよ。

合流前にいたらヤバくないか?」


どうやら去年よりもシングルヘッドの割合が高いらしい。

強力な魔物の割合が増えてきたこともあり、ジョブレベルの上がりが凄い。


「いや、あのショーンとかいう槍使い見てみろ。

あいつがいれば大丈夫だな」

「まぁ確かに」


ショーンさんはシングルヘッドを見つけると真っ先に殲滅に向かう。

初撃の突進で大ダメージを与えている。

槍の特性を活かした戦い方だ。


しかも間合いが狭くなると、蹴りも使っている。

その蹴りの威力も尋常ではない。

ビッグアントの頭なら一撃で吹き飛ぶ。


囲まれれば槍を振り回し、一対一で距離があれば突き、距離が無くなれば蹴りだ。

死角がないな。


そして、【剣士】のラウールさんや、他の冒険者達も蹴りを上手く使っている人が多い。

なるほど、蹴り技か。

僕もそのうち習得したいな。




◇




野営の準備が始まる。

今日で3回めの野営だ。


疲れてくるかと思ったが、そうでもない。

耐久が影響しているのだろうか。


ということで、早速ショーンさんのところへ行く。


「今日もお願いします!」

「だよな、やっぱり来るよなお前」


「今日は盾に攻撃してやるから、吹っ飛ばされないようにしてみろよ」

「はい、やってみます」


僕は盾を前面に構える。


「いくぞ!」


ドガッ!


踏ん張りが効かずにふっ飛ばされる。


ズザァー!


相変わらずすごい威力だ。

完全に盾の上からなのに、ダメージが入る。


僕はすぐに起き上がり、再び盾を構える。

さっきのではダメだ。

腰を落として、どっしりと構えよう。


「ハッ!」


ショーンさんの突きがくる!


ドガッ!


のけぞってバランスが崩れる。


「おぉ、吹っ飛びはしなかったな」

「はい、でも一撃防いだあとは隙だらけですね」


「まぁな、連撃なら即死だろう」

「今度は【ガード】してみます」


「おぉ、いいぜ。

どんどんやれ」


「いくぞ!

ハッ!」


【ガード】


ガギンッ!


ズッ!

吹っ飛ばずに、のけぞりもせず、少し後ろへずれただけだ。


「ぉ、いけたんじゃないか?」

「ゲホッ!」


僕は咳き込んでしまう。


「はぁ……はぁ……」


やばいやばい、【ヒール】だ。


「いや、ダメです。

吹っ飛びもせず、のけぞりもしなかった分、威力がどこにも受け流せず身体にきました」

「そうか、まぁ俺も意識して後ろに飛ぶことはあるからな」


「それでも、【ガード】は使ったほうが多少ダメージは少なくなりますね」

「だろうな」


しかし、とんでもない威力だ。

ただの突きでクレスの【連撃】よりもずっと強力だ。


それに【ガード】だって攻撃を見てから使っているわけではない。

ショーンさんの合図で使っているだけだ。

結局未だに攻撃は見えないわけだし。


「んで、どうすんの?

まだやるわけ?」

「はい!

是非お願いします!」





◇




それからできるだけ【ガード】を使ってショーンさんの突きを受け続けた。

「すみません、SPが切れました」

「了解、お前SPは少ないのな」


「そうなんですよ。

SPは全然ないです」

「どうせステータスもいびつなんだろ?」


確かに、これは否定できない。


「ぁー……

そうかもしれませんね。

MPだけは多少あります」

「まぁ回復職なんだからそれでいいんだよ」


「明日も早いから今日はここまでな。

飯だ飯!」

「ぁー……はい、わかりました」


正直もっと続けてほしかったが、明日の狩りもあるし残りのMPは自分で消費しておこう。


そして、荷物から食料をだし、干し肉などを食べながらステータスを確認した。


ぁ。

【ストレージ】出た。


狭間圏(はざまけん)

【斥候:Lv17(↑+17)】

HP:115/148(↑+6)

MP:45/415(↑+1)

SP:1/22(↑+4)【斥候:+54】

力:21

耐久:32(↑+2)

俊敏:35(↑+2)【斥候:+32】

器用:14【斥候:32】

魔力:25

神聖:52(↑+1)【斥候:−7】

【ストレージ:Lv0(New)】

【回復魔法:Lv22 ヒール:Lv22(↑+1) エリアヒール:Lv0】

【盾:Lv10(↑+2) ガード:Lv7(↑+3)】

【etc.(18)】


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― 新着の感想 ―
[一言] 祝【ストレージ:Lv0(New)】。そのうち文房具の輸送が待ってるからね。
[一言] 念願のストレージを手に入れたぞ。 →殺してでも奪い取る。 毒の実をストレージにストックしておけば、日本で毒が切れても追加できますな。(口に含んで飲みこめるかわかりませんが。) レベルの上…
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