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163日目 異世界 後編

いや、本当に1話だけでも。

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ミドーさんは、僕が急に攻撃を仕掛けてきたことに驚いているようだ。


今の僕のフル補助、【魔影装】でどこまで通用するか試してみたい。

「はっ!!」

僕は地面が窪むほど思い切り踏み込み、蹴りを繰り出す。


バキン!!

大盾によるガード。

ダメージはほとんどないか?


【魔影連撃】!!

ドガガガ!!


大盾の上から、連撃を繰り出す。


「おい……」

「速いぞ……」

「【空間魔法師】って話じゃなかったのか?」

あたりがざわついているようだが、今の僕にはそれを聞き取る余裕はない。


ドガガガ!!

「くっ…………この…………」

ミドーさんは表情を険しくする。


しかし大盾の上からの攻撃は、それほどダメージは無いだろう。

だが同時に反撃する隙も無いはずだ。


ドガガガ!!


ドガガガ!!


「この野郎………」


ドガガガ!!


ドガガガ!!


僕は連撃の手を緩めない。


「何だあの動き」

「ミドーがおされてるぞ……」


ドガガガ!!


ドガガガ!!


「いつまでも調子に乗ってんなよ!!」


バギンッ!!

大盾が一気に前に出てくる。


僕はそれを右にかわし、再び連撃をする。


ドガガガ!!


体勢を立て直すのが速いな。

盾で攻撃した直後を狙ったのに、まるで隙がない。


しかし、ギュエンほどの脅威はない。

盾の攻撃もかわせるし、もし完全にくらったとしても一撃死は絶対にない。


ドガガガ!!

そして、連撃によるダメージも少しずつ蓄積しているはずだ。


「チッ………」

!!

ミードさんの体がかすかに光る。


回復だ。

そうか。

【聖騎士】は【回復魔法】も使うことができる。

こうなれば根比べか?


いや、連撃でちまちま攻撃するよりも一気に大技を決めよう。


【フレア……


「バカが!!」

ミドーさんは、にやりと笑う。


しまった!!

誘われた?

しかし、途中で止めることはできない。


バースト】!!


バゴーン!!


爆風とともに吹っ飛んだのは僕だ。

返ってくるダメージが通常の【フレアバースト】の比ではない。

大きく吹っ飛ばされ、地面を転がる。

さっきのは何だ?


「ガハッ!!」

ビチビチと血を吐く。

急いで回復だ!!


「好き勝手ぶん殴りやがって!!」

ザッ!!

さらに追撃を仕掛けてくるミドーさんの攻撃をギリギリでかわす。


大盾を構えた状態で、片手剣を使って攻撃をしてくる。


ズバッ!!


大丈夫、負傷していてもかわせない攻撃ではない。

僕はミドーさんの片手剣による斬撃を全てかわしつつ完全回復する。


「シトン様、彼はいったい?」

「面白いだろう?(気色悪いだろう?)」


ズバッ!!

ズバッ!!

ズバッ!!


「くそ……」

反撃ができない。

というのも、さっきの攻撃が不気味なのだ。


おそらくカウンターだろう。

カウンター技はショーンが繰り出すのをみたことがある。

不用意に突っ込んでカウンターをされれば、先程のように大ダメージをもらってしまう。


ならば……


ダッ!!


僕は大きく後退し、一旦距離を取る。


「【エアブレード】!!」

離れた場所から魔法で攻撃だ。


「攻撃魔法まで使ったぞ!!」

「【風魔法】だ」


ギィィン!

【風魔法】が大盾に当たった瞬間、甲高い音がする。


【エアブレード】!!

【エアブレード】!!

【エアブレード】!!


ギィィン!

ギィィン!

ギィィン!


【エアブレード】が大盾で散っている。

ダメか。

攻撃魔法対策もされているようだ。

この程度の攻撃魔法じゃダメージを与えられない。

攻撃魔法は明らかに修行不足だ。


近づけばカウンター、離れての攻撃魔法ではダメージが与えられない。


「………………」

「………………」


しかし、それはミドーさんも同じだ。

僕への攻撃はカウンターでしか与えられないだろう。

お互いに相性が良くないな。


それにしても、ミドーさんはなぜ不意打ちなどしてきたのだろうか。

そんなことをしなくても、十分に強いと思うのだが……

油断するなってことか?


不意打ち……

不意打ち!?

そうか!!


「フフフ……」

「シ、シトン様、狭間どのが笑っておりますが……?」

「………………(これだ、この違和感……これが狭間の気色悪さの正体か?)」


「スゥ……」

僕は深く息を吸い込み、腰を落とす。


ドガッ!!

踏み込みと同時に、大きく身体を回転させ回し蹴りを打ち込む。

「チッ……」


ドガガガ!!

ドガガガ!!

ドガガガ!!


そこから再び【魔影連撃】だ。


「これでは、先程と同じ……」

「いや、違うな。(威力、速度ともに上がっている)」


ドガガガ!!

ドガガガ!!

ドガガガ!!


【フレア……


「バカが!! さっき学ばなかったのか!?」

カウンターだ。

思った通り、こちらの最大火力である【フレアバースト】に合わせてカウンターがくる。


今だ!!


【転移】!!


僕はミドーさんの背後に【転移】する。


「なっ!!」

「なんと!!」

「ほぉ(【転移】か?)」


予想通り。

この空間には【結界魔法】が使用されている。

基本的に【転移】の使用はできないが、今の僕のスキルレベルなら短い距離、ミドーさんの背後に回ることが可能だ。


そして、すでに構えができている。


……バースト】!!


メキッ!!

ボゴオォォーーン!!


拳が背中へと直撃する。

さすがのカウンターも後ろからの不意打ちには対応できないはずだ。

拳がめりめり込み、大きく爆発する。


「がはっ!!」

ミドーさんは、血反吐を吐き、吹っ飛び、地面を転がる。

確実な手応えがあった。

【転移】と【フレアバースト】のコンボは相当有用だ。


!!

ミドーさんの身体が光っている。

なんてことだ。

意識があり、【回復魔法】を使っているのだ。


まずい!!

回復される!!


ダッ!!

僕は、ミドーさんが吹っ飛んでいったさっきに移動する。

すぐさま追撃しないと回復されてしまう。


「【魔影脚】!!」

ドガッ!!

ミドーさんが体勢を立て直す前に、胴体に【魔影脚】を打ち込む。

「かはっ!!」


効いてる。

体制が崩れ、大盾を構えていない状態ならば、鎧の上からでも十分にダメージが通る。

【魔影連撃】!!


ドガガガ!!

ドガガガ!!


ガッ!!

連撃する腕が止まる。


「やりすぎだ……(想定よりもマズイ状況だな)」

腕をシトン様に掴まれている。

「かはっ……はぁ……はぁ……」

目の前には、かろうじて意識を保っているミドーさんが横たわっている。


「あ……」

周りの【聖騎士】の方々も引いているようだ。

これは……完全にやってしまったな……

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― 新着の感想 ―
やったこと考えたらまだ足りんくね? 弱いヤツは要らないならお前は聖騎士辞めないとなくらいまでは言わせてもらわないと
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