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157日目 異世界

「【回転ノコギリ】?」

「はい。昨日習得したんですが、タンチさんはご存知ですか?」

異世界では、今日も第六戦線の洞窟で罠を設置しまくっている。

まず【回転ノコギリ】について、タンチさんに意見を聞いてみる。


「いや、知らねぇな。壁か? 床か? それとも天井か?」

タンチさんはどこに設置できるのかを聞いてくる。

「壁と床に設置できそうですね」


「ほぉ……一回発動してみろや」

「はい」

僕は洞窟の地面に【回転ノコギリ】を設置する。

げ……


「うわ、これ結構SP消費しますね。【アイアンアロー】の3倍近く持っていかれます」

「そりゃ期待できるな。発動までの時間は?」


「7時間です。現状【トラバサミ】の倍くらいの時間がかかりますね」

「7か……ギリギリ間に合うか」

【トラバサミ】は習得当初設置から発動まで6時間かかっていたが、今はスキルレベルが上がり3時間程度で発動できる。

【回転ノコギリ】は消費SPも発動までの時間もかなり大きい。


「発動時間と消費SPから考えると、かなり強力な罠だろうな。今日はそいつを使っていけ」

「わかりました」












いや、マジで【ハイリカバリ】の魔石を作りまくっておいて良かった。

【回転ノコギリ】の消費SPが大きいので、あっという間にMPもSPも切れてしまう。


よし自作の魔石を使ってみよう。

僕は【ハイリカバリ】の魔石を握りしめ、発動させる。


うわ……

全然回復しない。

SP回復量としては、直接【ハイリカバリ】を使った場合の4割程度だ。

これは、【魔導命令】のレベルを上げる必要があるな。

まぁ器用のステータスに関しては、このまま罠をしかけまくればどんどん上がっていくだろう。


それから【ストレージ】に入れてある【ハイリカバリ】の魔石を使いまくっていくが、それでも昨日よりも早く罠の設置が終わる。

まぁSP強化の修行として考えれば、効率は良い。

もともと多い僕の全MPと、さらに【ハイリカバリ】の分でSPを消費しまくっている。

強化スピードはかなり早いだろう。










「それじゃ【回転ノコギリ】ってのを見てやろうじゃねぇか」

本日も酒場でレベルアップである。

僕は木製のコップをタンチさんに向け、乾杯する。


「タンチさんの罠は、属性攻撃っぽいですけどどうやって習得したんですか?」

「昔は罠の街中で罠設置の依頼とかもあってよ」


「え? 街中に罠ですか?」

「あぁ、まぁ警備の一種だな。デカイ屋敷の宝物庫や寝室に、安全のために罠を仕掛けてくれってのがあってな」


「なるほど。そういうことですか」

「そんで、罠の中には単体で発動できねぇのがあるんだ」


「他のスキルや魔法と併用ってことですか?」

「いや、魔石だ。【魔石発動】って罠がある。ま、その名の通り、罠として魔石を発動させるってやつだ」


「おぉ、それは便利そうですね」

「そうだな。【魔石発動】の場合、他の罠と違って仕掛けるときに魔石が必要なわけだが、仕掛けた後に、俺たち【罠師】以外の人間も取り外しができる。

 屋敷の主人が罠をコントロールできるってわけだ。

 それで、【炎魔法】や【氷魔法】の入った魔石を罠として設置してたら習得したってわけよ」


「魔石を使った罠か……」

今日本で魔石を大量生産しているからな。

罠として使うのもアリってことか。

「俺の場合、【魔石発動】は【罠職人】てジョブで習得した。お前、当分先だぞ」


「はい! 頑張ります!」

まだ【見習い罠使い】を脱したばかりだからな。

これからだろう。


「おい、そろそろお前の罠のところにくるぞ」

「はい……」

タンチさんの罠を突破した魔物がぞろぞろとやってくる。

相変わらずすごい数だ。


おぉ?

発動するぞ!!


ギュルルルルル!!

ギュィイイイーン!!


地面からチェンソーのように回転するノコギリがせり出す。


ギュルブシュシュッ!!

ギュルッブシャ!!

ブシャッ!!

ギュルルルブッシャー!!


通り抜けようとする魔物を容赦なく切り刻む。

さらに、壁に設置したほうの【回転ノコギリ】が出てくる。


ビュイィィーン!!

ブルシャァッ!!


壁から出てきた方も、容赦なく魔物の身体を切り刻む。


ギュルブシュシュッ!!

ギュルッブシャ!!

ブシャッ!!

ギュルルルブッシャー!!


「お前……これ、えげつねぇな」

「ですね……」


ギュルブシュシュッ!!

ギュルッブシャ!!

ブシャッ!!

ギュルルルブッシャー!!


洞窟内にノコギリの回転音と魔物の断末魔が響き渡る。

血が飛び散り、魔物の臓物が散らばる。

地獄絵図だ。


ギュルブシュシュッ!!

ギュルッブシャ!!

ブシャッ!!

ギュルルルブッシャー!!


「おい、俺この前、罠には敵を弱体化させる側面もあるって話したよな」

「はい」


ギュルブシュシュッ!!

ギュルッブシャ!!

ブシャッ!!

ギュルルルブッシャー!!


「お前のはよ、完全に殺りにいってるよな」

「…………………」


ギュルブシュシュッ!!

ギュルッブシャ!!

ブシャッ!!

ギュルルルブッシャー!!


「お待たせしました。ハーブソーセージです」

タンチさんが注文していた食事が運ばれてくる。


ギュルブシュシュッ!!

ギュルッブシャ!!

ブシャッ!!

ギュルルルブッシャー!!


「おい、それお前にやるよ」

タンチさんはソーセージを指差す。

「ありがとうございます。でも、今はちょっと食べたくないですね」


ギュルブシュシュッ!!

ギュルッブシャ!!

ブシャッ!!

ギュルルルブッシャー!!


「あ! 新スキルを習得しました!!」

「おぅ、なんてやつだ?」


ギュルブシュシュッ!!

ギュルッブシャ!!

ブシャッ!!

ギュルルルブッシャー!!


「【ギロチン】です」

「……………………」


ギュルブシュシュッ!!

ギュルッブシャ!!

ブシャッ!!

ギュルルルブッシャー!!



【ギロチン:Lv0】New

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― 新着の感想 ―
罠というか拷問器具というか処刑道具というか・・・
殺意よ
[一言] 殺意たっっっかwww
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