152日目 異世界 後編
「お茶会ですか?」
「はい。薬学棟の方々からのお誘いです」
今日は【魔導合成】で魔石を合成し続けMPが切れている。
もう魔法は使うことができないし、お茶会に行く時間もあるといえばあるな。
「う〜ん……」
正直迷う。
お茶会に行っても強くなるわけじゃないし……。
「狭間様。お茶会には、積極的に参加したほうが良いでしょう」
僕が迷っていると、ローシュさんが提案してくれる。
「そうなんですか?」
「はい。薬学棟の方々は、常にポーションなどの消耗品を作成しています。お茶会で出される菓子類には、高級な薬草が使われているのです」
なるほど。
良いものを食べているってことだな。
「それら高級品の中には、SPやMPの自然回復力を高めるものもあるようです」
「え!! それって僕が食べても効果があるんですか?」
「はい。誰が食べても効果があります」
「それは是非行きたいです。行きましょう!」
マジかよ。
それってお菓子食べるだけで、使えるSPやMPが増えるってことだよな。
◇
「狭間様とローシュ様ですね」
タキシードを着たイケメンがいる。
執事だろうか。
「はい」
「こちらへどうぞ」
僕とローシュさんは、イケメンの案内に付いていく。
薬学棟の建物を突っ切ると、中庭にでる。
きれいに整えられた芝生や、美しい花々、噴水がある。
それらがよく見えるようにテーブルが配置されており、薬学棟の女性たちが優雅にお茶をしている。
「こちらが狭間様の席でございます。ローシュ様もこちらへどうぞ」
「いえ。私は護衛ですので」
ローシュさんはテーブルの近くでビシッと立っている。
「ローシュさんは食べないんですか?」
「はい。護衛ですので」
「食べながらだと護衛ってしにくいですかね?」
一緒に食事を摂るくらいなら大丈夫じゃないだろうか。
「そうですね。初動は遅れると思います」
マジか。
徹底してるな。
「あらあら、いらしたのね」
薬学棟の女性たちがやってくる。
「ご招待いただきありがとうございます!」
僕は立ち上がり挨拶をする。
「若い子は元気ねぇ」
「私達は毎日ここでお茶会をするの。ケーキも紅茶もとっても美味しいのよ」
「銀仮面様もいかがかしら?」
「いえ。私は護衛ですので」
ローシュさんは護衛に徹している。
ここならあまり危険なこともなさそうだが……
「あなた、魔石の合成をしてるんだって?」
「はい。ここでの仕事は、【転移】の補充と魔石の合成をしています」
「あら、それならSPは消費していませんわね」
「はい。そうなります」
一応無駄のないように【ストレージ】なんかに消費はしている。
使っていればスキルレベルは上がるからな。
「あなた【薬師】や【調合師】のジョブはお持ちかしら?」
「はい。両方あります」
「まぁ、それは素晴らしいですわ」
着飾った女性たちがグイッとよってくる。
「そ、そうなんですか?」
むむぅ……
やっぱりここの女性は距離が近いな。
「えぇ、もちろんよ。お茶が済んだらこちらへいらっしゃい」
「うふふ、待ってるわね」
「は、はい」
わざわざ耳元で言うことだろうか。
◇
美味しい紅茶とケーキをいただいた。
紅茶の良し悪しはそこまでわからないが、とても香りが良い。
それからケーキは一口大の大きさのものを数種類楽しむことができた。
味も非常に美味しいのだが、それよりも気になることがある。
ケーキや紅茶を運んでくるタキシードの男性が全員イケメンなのだ。
ミディアムからロングヘアーの清潔感のあるイケメンしか働いていない。
「ではご案内させていただきます」
イケメンの案内により、薬学棟を移動する。
薬学棟は錬金棟の雑多な感じとはことなり、綺麗に整理されている。
植物などもあり、建物の中に明かりがたくさん入り込んでいる。
「こちらになります」
ガチャ
綺麗に装飾されたドアを開ける。
「あらあら、いらしたのね」
「はい。よろしくお願いします」
「シトン様から話は聞いたわ。狭間ちゃんね」
「はい」
狭間ちゃんか。
そんなふうに呼ばれたことはほとんどないな。
「それで、【薬師】や【調合師】のスキルは何が使えるの?」
僕は【薬師】と【調合師】のスキルを一通り説明する。
「そのなかで需要があるのは【ハイポーション合成】かしらね。あとは状態異常耐性系のものもある程度需要があるのよ」
「そうなんですね。でも僕はそれほどSPがありません。一応【ハイリカバリ】が使えるので、SP回復もできるんですが、今は【魔導合成】の仕事もしていますので」
MPは魔石の合成で使い切ってしまうんだよな。
だから今のところ【ハイリカバリ】で消費するような余裕はない。
そうすると、自然回復分くらいしかこちらの仕事はできないのだ。
「あら、それなら錬金棟の仕事なんて辞めてしまえばいいわ。あんなジジイばかりのところで働いていたら一気に老けるわよ」
「いや……そういうわけには」
「こっちへいらっしゃい!」
僕は強引に手を引っ張られる。
カツカツカツ……
早足で連れて行かれる。
いったいどこへ向かうのだろうか。
ローシュさんは相変わらず無表情で僕についてきてくれている。
ガチャ!
「おぉ……ここは?」
「植物園よ」
確かに、変な植物がたくさんある。
あれ?
これって……薬草?
「気づいたのね。ここは薬草や麻痺草を栽培しているの」
「栽培ってそんなことできるんですか!?」
「もちろんよ。そんなに数は多くないけれどね。さ、狭間ちゃんもどんどん生成して頂戴。耐麻痺薬と耐睡眠薬がいいわね」
「はぁ……」
強引だな。
けれどSPを余らせておいてももったいないしな。
とりあえず【耐麻痺薬生成】と【耐睡眠薬生成】でSPを使い切ってしまおう。
◇
それほど時間がかからずにSPを使い切ってしまう。
「SPが切れました」
「また明日いらっしゃい」
【錬金術師】と【薬師】のスキルどちらを優先して強化すべきだろうか。
明日シトン様にでも聞いてみよう。
狭間圏
【薬師:Lv52】
HP:408/408
MP:11/1216
SP:19/517【薬師】:+154
力:69【薬師】:-15
耐久:132【薬師】:-15
俊敏:72【薬師】:-15
技:65【薬師】:-15
器用:123+2【薬師】:+104
魔力:89
神聖:154
魔力操作:204+1
【空間魔法】Lv101+1
【転移】Lv39+1
【錬金術】Lv24+1
【魔導合成】Lv18+2




