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148日目(日本)

母の実家を拠点にするためには何が必要だろうか?

まずは水。

これは【水魔法】があるから問題ないよな。

それから、昨日異世界で野営装備を2セット分買っておいた。

一つは日本で使うためだ。

正直、日本で寝袋などを買ったほうが快適だろう。

だけど、今日本ではお金がない。

つい最近まで高校生だったのだから。

とりあえず、建物はあったし、あの中で野営装備を使えば寝ることはできるだろう。

ただし、ちょっと怖い……


そして、おばさんは今日から出張だ。

以前から仕事が忙しく、しょっちゅう出張に行っていた。

海外に行くことも多かったので、ヘルパーさんを雇ったのだろう。

ということで、今日は母の実家に宿泊してみようと思う。


行く前に、僕は川沿いの廃工場に寄っていく。

マヤシィナで狩りをしたときに、大量に魔物の素材が手に入った。

それを廃工場の中に保管しておいたのだ。

日本では、MPがいくらでもあるので、容量の限界まで【魔力庫】を使うことができる。

それから【ストレージ】については、SP消費だが、これも【ハイリカバリ】でSPを回復させれば限界まで入れることができる。

それでも、全ての素材を入れることはできないな。

半分くらいだろう。

なにせ、革や角、爪だけではなく骨もあるのだ。

ちなみに血液については、真っ先に魔石生成に使った。

腐敗するからだ。

骨については、魔石の生成以外に使いみちは無いが、もったいないのでとっておいてある。


食料は、異世界で取ったものがあるが、コンビニ弁当もいくつか【ストレージ】に入れておきたい。

異世界の食べ物は美味しいけれど、こっちとは美味しさの種類が違う。

コンビニ弁当やカップラーメンが久しぶりに食べたい。

野営装備と食料があればなんとかなるだろう。











前回同様に、電車を使って駅まで来た後は走る。

今日はもちろんジャージで来ている。

もう場所が分かっているので、時間は以前よりもかからない。

旧道から獣道へは【転移】を使って移動をする。

【転移】先の獣道から整備しよう。

道路と獣道のつながりはあえてなにもせず、見つかりにくい状態を維持する。


【転移】先のほうは、この前来たときに雑草については刈ってある。

だけど、根本が残っているので邪魔だな。

今日は時間があるし、ここから家までの道を整備しながら進もう。

【土魔法】を使って、雑草を根本から取り除く。

取り除いた雑草については、どんどん脇へ投げていく。

自分で掘り起こすわけではなく、【土魔法】を使っての除草は結構効率が良いな。

昨日【エアブレード】を使って進んで行ったときとそれほど変わらない速さだ。











よし、道の整備は終わった。

これで【転移】先からは快適に進んで来られる。

【土魔法】で根を掘り起こしての整備だったので、若干地面が柔らかい。

そのうち【土魔法】を使ってしっかり固めて舗装するのも悪くないな。

ただし、今日はとりあえずの整備でいいや。

まだ手つかずの家屋があるからな。

今日中に宿泊できるようにしなければならない。


僕は玄関へと向かう。

木製の引き戸が入り口だ。

ガラスと木の格子で出来ている。

ガチャガチャ……

鍵がかかっているな。

鍵なんて持ってないぞ……

僕は【金属精錬】で玄関の鍵を取り除く。


一回ぶっ壊すと次の取り付けは業者に頼むしか無いな。

それにしても、こんなところ誰も来ないだろうし、鍵がなくても大丈夫だとは思う。


ガラガラ……


引き戸を開けると、中は薄暗い。

というよりだいぶ暗いな。

僕は【光魔法】の入った魔石を使う。

電気なんて通ってるわけないよな……


玄関は結構広いな。

段差があり、正面がやや広く、右に伸びているのは廊下だろう。

もっと埃っぽいかと思ったけれど、そんなに空気は悪くない。

天井もやや高いぞ。

昔の家は天井が低いと思ってたんだけど、この家が特別なのか?

上を見上げると丸い照明のような物がある。

当時は電気が通っていたのか?

このあたりには電線なんてなかったけど……

あたりを見渡すと、スイッチがある。


パチ……


スイッチを入れるが、当然電気はつかない。

まぁそりゃそうだよな。

この照明の中身を【光魔法】の入った魔石にしてしまえばいいだろう。

僕自身が【光魔法】を使えないので、これは異世界で買うしかない。


一応土足はマズイよな……

僕は【ストレージ】からスリッパを出す。

正面の部屋ではなく、右の廊下にいく。

確か、外から見たときに、木製の雨戸が閉じていた。

いや、暗いな……

一旦外から雨戸を開けよう。


僕は一度外に出て、木製の雨戸をすべて開ける。


おぉ!

中が見えるぞ。

廊下と木製の雨戸の間には、ガラス戸がいくつも並ぶ。

これなら、外からの光が廊下に入るな。


僕は再び中に入り、ガラス戸を開けようとする。


ガシャガシャッ!


げ……

ここも鍵がかかっているな。

だけど、内側から閉めるタイプの鍵だ。

これなら自由に開けられるな。


僕はガラス戸を開け放つ。


おぉ!

素晴らしい開放感だ。

若干薄暗いが、廊下から竹林も見えるし、景色は悪くない。

生えすぎた雑草と、竹林をうまく処理すればもう少し明るくなりそうだ。


雑草でわかりにくかったけれど、大きな木もある。

なかなか趣のある木だ。


僕は玄関に戻り、正面の襖を開ける。


サー……


部屋自体は、きちんと整頓されている。

母さんが生前に整理していたのだろうか。

生活感があまり無いくらいに物が少ないな。


そしてやはり天井が高い。

梁というのだろうか。

大きな柱に対して、いくつもの太い木が左右に伸びている。

それから、部屋の畳はだいぶ古いな。

これは取り替えたい。

ん?

おぉ!

中央にあるのは囲炉裏だ。

ここで【炎魔法】を使えば、いろんなことができそうだ。

木製の戸棚も中には何も入っておらず、そのまま使えそうだ。


とりあえず、襖を開け放つ。

全ての襖を開けると、外からの光が入ってくる。

これは普通に寝られるな。

床や畳を見る限り、雨漏りもしていなさそうだ。


そういえば……

しばらくトイレに行っていない。

大事なことを忘れていた。

食料や水は【水魔法】や【ストレージ】【魔力庫】でなんとかなる。

トイレについて忘れていた。

僕はトイレの場所を確認する。


ここだな……


ギィ……


僕は木製の扉を引く。

中には和式のトイレがある。

おそらく汲取式のトイレだろう。

これってどうすればいいんだ?

用を足してから、業者に来てもらえばいいのか?

現代のトイレはどうなっているんだろう。

調べるにしても、ここは電波が無いんだよな。


ん〜……

しまったな。

こんなことなら、異世界のトイレについて学んでおけばよかった。

教会にある異世界のトイレは洋式で、【水魔法】で水洗トイレのように流すことができる。

あれって流れたあとはどこに行ってるんだろう。

異世界でトイレについて調べる必要があるな。


このあたりで一番近いお店は、ホームセンターだった。

それでも20kmくらいあるけど。

大便のほうはホームセンターまで行ってくるしかない。


次は風呂だ。


ここだな。

ガラガラ……

ガラス戸を引く。

風呂もまぁまぁ広いな。

湯船はそれほど広くないが、深い。

なんというか、タイルが古臭いな。

ちょっと水回りは使う気になれない。

どうにか魔法で改築できないだろうか。


あとはキッチンも見ておきたい。

キッチンは、ちょっとした段差がある。

これは、土だな。

キッチンの地面は土で、裏口がある。

コンロは取り去ったあとかな?

シンクはあるが、コンロは無い。

あれ?

シンクに蛇口がある。


ひねってみるが、やはり水は出ない。

そもそも水道は通っているのか?

まぁ【水魔法】があるから関係ないけど。

自分でなんとかできるけど、この家水と電気はどうしていたんだろう。


僕は【パーセプション】でこの敷地全体を把握する。

今ひねった蛇口がどうなっているのか確認する。

タンクにつながっているのか?

じゃあタンクの水はどうやっていたのだろう?

どこかから持ってきたのかな?


よくわからないな。

とりあえず、水には困っていないので、電気のほうも確認する。

配線は一つにまとまっているようだ。

なんかの機械が置いてあるな。

もしかして発電機ってやつだろうか。


まぁ何にしても使うことはなさそうだ。

とりあえず、部屋をきれいにしよう。

思ったよりも汚れてはいなかったけれど、それでも埃っぽいところはある。

僕は【水魔法】の【ウォッシュ】を使いまくってあたりを掃除していく。

ある程度の魔力操作があるため、僕から離れたところでも掃除できるのがありがたい。

天井の梁も掃除できる。

床も【ウォッシュ】で掃除すれば、黒く光り輝き趣がある。

あとは、畳だな。

畳は張り替える必要がある。

値段がいくらなのかも知らないけれど……











部屋中を掃除したら、少し暗くなってきた。

とりあえず、あたりに【光魔法】の魔石を置き、全て光らせていく。

【光魔法】の魔石が淡い光を放ち、古民家を照らし出す。


う〜ん……


なんとも良い雰囲気だ。

庭の雑草も取って整備すればより心地よいと思う。

僕は、外に面した廊下から足をおろし、ぼんやりと外を眺める。

そして、ぼんやりと外を眺めつつ【エアブレード】で庭の雑草を刈り取っていく。

とりあえず今日はこんなもんにしておくか。


狭間圏はざまけん

【風使い:Lv42】

HP:399/408【風使い】:-9

MP:1268/1206(↑+11)【風使い】:+62

SP:515/515(↑+1)

力:67

耐久:131【風使い】:-6

俊敏:70【風使い】:+18

技:60

器用:109

魔力:89【風使い】:+24

神聖:154

魔力操作:193(↑+1)【風使い】:+57

【水魔法】Lv49+1

【ウォッシュ】Lv10+5

【土魔法】Lv38+1

【風魔法】Lv97+1

【エアブレード】Lv75+1

【空間魔法】Lv96+1

【パーセプション】Lv109+1

【魔力庫】Lv128+1

【転移】Lv34+1

【ストレージ】Lv90+1

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― 新着の感想 ―
何故、襖を開けると光が入ってくるのでしょうか。壁がボロボロで隙間が空いてるから? 雨戸とか窓を指してるのかな
[良い点] コツコツとスキルを上げる系は好きなので楽しめる。 変にチーレム行かないところとかも割と好みでした。 [気になる点] 主人公が全身麻痺から復帰したのに、喜ぶ描写や周囲の様子が無いのがただひた…
[気になる点] 鍵、無制限に転移が使えるんだから雨戸を開けてガラス越しに中へ転移して開けるかと思ったら壊してて驚いた あと、イキナリ道が出来ていたら 不法投棄や違法伐採やらドラッグ栽培とか疑われそう…
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