135日目(異世界)
密林で目覚める。
「ふわぁ〜ぁ……」
僕は大きくあくびをし、背を伸ばす。
大きな木の向こうから、太陽の光が僕を照らし気持ちよく立ち上がる。
魔物だらけの密林とは思えない爽やかさだ。
そんな爽やかさとは裏腹に、残念なことがあった。
日本で【補助魔法】を鍛えまくっているわけだが、とうとう【コントロールエイド】(魔力操作強化)と【マジックアシスト】(魔力強化)のスキルレベルがカンストしてしまった。
スキルレベルがこれ以上あがることは無い。
それ自体は嬉しいことだが、それらの魔法がカンストしたにも関わらず、上位の【補助魔法】が習得できていないのだ。
ほかにも、カンストしているにも関わらず上位のものが習得できていない【補助魔法】が3つもある。
これはおそらくというか、確実にジョブレベル不足だ。
【上級補助魔法士】のレベルは今0だ。
なんなら、レベル0なのに上位の【補助魔法】が使えることのほうが異常なのかもしれない。
今すぐに【上級補助魔法士】のレベルを上げたいところだ。
しかし、このあたりの魔物は強いからな……
ソロで、しかも後衛職である【上級補助魔法士】で倒せるんだろうか。
やってみる価値はあるな。
◇
いた。
昨日に引き続き、エルダーライノだ。
エルダーライノは巨体の魔物で、そこまでの俊敏は無い。
問題は耐久力だな。
【呪術】でエルダーライノのステータスを下げ、ジョブを【魔闘家】にして、フル補助、【魔影装】を発動しながらの【フレアバースト】ならば、一撃で倒すことが可能だ。
「スゥ……」
僕は大きく息を吸い込み、腰を低く構える。
今僕は、フル補助で【魔影装】を発動している。
ただし、ジョブは【上級補助魔法士】だ。
いけるか?
ダッ!
僕は勢いよく飛び出す。
エルダーライノは気づいたようだが、もう遅い。
やっぱりだ。
この状態の俊敏でも戦える。
【フレアバースト】!!
バゴォォォーン!!
僕はエルダーライノの顔面に【フレアバースト】を叩き込む。
ダメだ。
【魔闘家】のときよりも、明らかにインパクトが弱い。
「グオゥッ!」
エルダーライノは苦しそうにしながらも身体を振り回し、反撃を試みる。
ダッ!
僕はバックステップで距離を取る。
このまま連続で【フレアバースト】を叩き込みたいところだが、右手が黒焦げになっている。
僕は左手で【ストレージ】から【グレイトヒール】の魔石を取り出す。
ソロでのMP切れは、命取りになるからできるだけ魔石で回復だ。
「グオォゥ!!」
エルダーライノが怒り狂って突進してくる。
タッタッ!
僕は魔石で回復しながら、木の上に登ってエルダーライノの突進を回避する。
MP を温存するためとはいえ、【クイックヒール】が使えないのは痛い。
いつものなら【マルチタスク】で【グレイトヒール】や【クイックヒール】、【ハイヒール】を同時に発動し、さっさと回復してしまうのだが、魔石だとそうもいかない。
しかも、【グレイトヒール】の魔石は1個だけしか持っていない。
監禁された場所から、いただいたものだ。
この【グレイトヒール】の魔石が切れたら【ハイヒール】で頑張るしか無いな。
ドッスーン!!
エルダーライノの突進は強烈で、マヤシィナの大木が折れていく。
ミシミシッ……
僕は大木が折れる前に、他の大木に飛び移る。
タタッ!
木々を飛び移りながら、魔石で回復を続ける。
よし!
これでもう一発【フレアバースト】が打てる!!
「グオォゥ!!」
ドスドスドス!
げっ!
やばい!!
エルダーライノがもう一匹きてしまった。
さっきからの突進で近くのヤツが気づいて来たんだろう。
クソ!
とりあえずさっきのヤツにトドメを刺すしか無い!!
ダッ!
僕は木の上から飛び降りる。
着地はエルダーライノの顔のすぐ左だ。
ザッ!
着地と同時に受け身を取り、エルダーライノの顎下をぐるりと通り過ぎる。
着地に気を取られたのか、エルダーライノの右側はがら空きだ。
いくぜ!
【フレアバースト】!!!
ドゴオォォーン!!
「グオォォオ!!」
ドスン!!
エルダーライノは豪快に倒れる。
よし!
一匹仕留めた!!
【上級補助魔法士:Lv13(↑+13)】
【ハイパワーストライク】New
【ハイマジックアシスト】New
よしきた!!
上位の【補助魔法】を2つも習得できた。
ドスドスドス!
タッ!
もう一体が近づいてくるので、素早く回避する。
さっきと同じように、木に登って回避しつつ、魔石で回復する。
……これやってると、もう一匹来る可能性あるよな。
僕はジョブを【魔闘家】に切り替え、新しく習得した【ハイパワーエイド】を使用する。
これなら左手一発でいけるか?
ダッ!
僕は木の上から飛び降りつつ左手を引き構える。
【フレアバースト】!!
ボゴォオオオン!!
ドッスン!!
いけた。
【魔闘家】のジョブなら、左手でも一撃で倒せる。
ただ、両手がボロボロだ。
んで、めちゃくちゃ痛い。
これ、急いで回復しないとやばいよな。
もう一体来たら魔石で回復とか悠長なことは言ってられない。
しかし、あえてジョブを後衛職にして戦うのも悪くないな。
なんかすげぇ修行してる感じがする。
僕はその後も【上級補助魔法士】のレベルを上げつつ、密林を進むことができた。
狭間圏
【上級補助魔法士:Lv29(↑+29)】【魔闘家:Lv40(↑+2)】
HP:357/382(↑+2)【上級補助魔法士】:-25
MP:496/1048【上級補助魔法士】:+69
SP:494/496(↑+2)
力:58(↑+2)【上級補助魔法士】:-15
耐久:122(↑+1)【上級補助魔法士】:-15
俊敏:72【上級補助魔法士】:-15
技:50(↑+1)【上級補助魔法士】:-15
器用:103
魔力:87
神聖:150
魔力操作:177【上級補助魔法士】:+49
【魔影装】Lv38+1
【自己強化】Lv21+1
【不屈】Lv17+1
【鉄壁】Lv25+1
【マルチタスク】Lv129+1
【痛覚耐性】Lv10+1
【呪術】Lv28+1
【バイタルブレイク】Lv32+1
【アーマーブレイク】Lv28+1
【スロウ】Lv28+1
【体術】Lv22+2
【フレアバースト】Lv14+1
【ハイヒットストライク】NewLv0
【ハイマジックアシスト】NewLv0
【ハイホーリーエイド】NewLv0
【ハイコントロールエイド】NewLv0




