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130日目(異世界)後編


「それでフヨウ、先程の技【豪炎滅雷剣】が奥義というわけか?」

「いえ、あれは大技ではありますが、奥義ではありません。

つい先日、【雷帝剣】という奥義を習得しました」

タイラ様はやはり僕たちにはあまり関心が無いのか、フヨウの技ばかりを確認している。


「ほほぉ……

ではその奥義、是非この目で見たいな」

「承知しました。

タイラ様、【雷帝剣】は複数の魔物相手に一定時間動きを止めることができます」

「なるほど、ギュエン!」


「はっ!」

「話は聞いていたな?」


「承知しました。

フヨウ様の後に騎士団が突撃しましょう」


なんだか話が進んでいるけど、僕たちもフヨウに続けばいいのかな。












またエルダーライノがいた。

複数ではないため、フヨウの【雷帝剣】を使うことはないか?


「フヨウ様、こいつは我々にお任せください」

ギュエンさんはフヨウにそう言うと、盾を構える。


「続け!」


ガシャ!


ガシャ!


ガシャ!



重厚な金属鎧の動く音が響く。


ギュエンさんは盾を前面に構えたまま突進をする。


ちょっ!

速いぞ!


あんな重そうな全身鎧をまとっているのに……


ドガッ!


しかも、威力も相当あるな。

エルダーライノの巨体がよろめいている。


だけど、エルダーライノも反撃をする。


ドスンッ!


巨体から繰り出される前脚は、建物が動いているかのようだ。


ブワッ!


風圧がここまでくる。


ガギンッ!


しかし、ギュエンさんがなんなく盾で受け止める。

しかも、その間に他の騎士がエルダーライノのまわりを取り囲んでいる。


「ゆくぞ!」


ザシュ!!!!!


ギュエンさんの掛け声で、騎士の方々が全方位から一斉に攻撃をする。

あれはどうやっても防御できない。

完全に巨体が仇となっているな。


そこからは完全に袋叩きだ。


なるほどなぁ……

僕たち少人数ではできない狩りの仕方だ。

それから、冒険者を多く集めたところで、これほど統率された動きはできないだろう。

騎士団ならではの多人数での統率された狩りだ。

恐るべし……









しばらく狩りを続けているので、結構な森の奥まできた。

マヤシィナ付近の魔物はどれもサイズが大きく、一体一体が強い。

熟練された騎士団とフヨウの活躍で難なく進めてはいるが、戦線以外の狩場では出てこないレベルだろう。


そのため、経験値がウマい……

毎回思うのだが、回復役でパーティーに参加すると、寄生している気分になる。

さらに、前衛が強いとやることが無いので、尚更寄生感が出てしまう。


その経験値のおかげで、【錬金術師】のジョブが絶賛上昇中である。

カルディさんが使っていた【魔導合成】と【魔導命令】の魔法を習得することが出来た。

【魔導合成】はMPを消費し、魔石を合成することができる。

この【魔導合成】があるおかげで、初級冒険者が弱い魔物から得られる小さな魔石にも需要があるのだ。


そして【魔導命令】の習得も大きい。

この【魔導命令】があれば、魔石にどんな魔法を入れるかを決定できる。

自分自身が使える魔法なら、【魔導命令】のあとに、魔石にしたい魔法を使えば、その能力を持った魔石を作成できる。

自分が使えない魔法なら、【魔導命令】のあとに使える人間に魔法を撃ってもらえばいい。


今後は、空の魔石を購入し、日本の自室で【魔導命令】と【魔導合成】を繰り返すのもいい。

かなりのお金を稼げるはずだ。

今イヴォンさんから借りている、MPを貯蔵できるブレスレットを購入することもできるだろう。


「フヨウ様……いましたぞ……群れですな」

ギュエンさんが小声でフヨウに言う。

視線の先には、巨体の魔物が何体もいる。


エルダーライノ、ラッドレパード以外にも、六本脚の巨大な魔物がいる。

1、2、3……全部で6体もいるな。

さすがにこれだけの数だと、一体一体を騎士団で囲んで袋叩きなんていう今までの戦法は使えない。


「どうだ、フヨウ?

【雷帝剣】とやらは、6体相手でも通用するのか?」

「はい、おそらく。

私が先陣で【雷帝剣】を叩き込みますので、その後間を開けずに騎士団が総攻撃をしかければ問題ないでしょう」


「大層な自信だな……それは頼もしい。

よし、ではゆけ!」

タイラ様が声をかけると、フヨウが単身で魔物の群れに突っ込む。


ザッ!

ザッ!


フヨウはエルダーライノの巨体を駆け上がっていく。

さらに、群れの中心に飛び上がり、双剣を大きく振り上げる。


バリバリバリバリッ!

双剣が雷を帯びる。


「【雷帝剣】!!」


ズドォーン!!


双剣が地面に突き刺さると、大きな音とともに、蜘蛛の巣のように雷が地面からほとばしる。


「今だ!

つっこめえええぇ〜〜!!」


ドドドドッ!


ギュエンさんを先頭に騎士団が一斉に突っ込む。


「【岩盤斬】!」

「【螺旋突き】!」

「【スマッシュ】!」


魔物は全てビリビリとしびれており、攻撃し放題だ。

騎士団がスキルを連発する。

しかし、無作為に攻撃をしているわけではない。

先程フヨウが倒したラッドレパードのように、動きの速い魔物から殲滅しているのだろう。

ここに来たばかりの僕には分からないが、殲滅する優先順位があるということか。


しかし、容赦ないな。

不意打ちで、動きを止められ、スキルを連発されれば、いかに強力な魔物の群れといえども、ひとたまりもないだろう。













「ハッハッハ!!

素晴らしい!

素晴らしいぞフヨウ!」

「ありがとうございます」

先程のフヨウの【雷帝剣】を見たタイラ様は満足そうに言う。


「【雷帝剣】か。

して、スキルレベルの上昇で上がるのは何だ?」

「はい、範囲、効果時間、そして威力も多少は上がっていると思われます」


「更に強化されるというのか……」

「タイラ様、確認もできましたし、本日はそろそろ終了しましょう」

ギュエンさんがタイラ様に言う。


「そうだな、今日はこのくらいでいいだろう」


マジか。

僕たちの技は確認しなくていいのかな。

まぁクラールに余計なことは言うなって言われてるしな……


しかし、今日の僕はほぼほぼ見学だったな。

まぁ経験値ウマかったからいいんだけど。


狭間圏はざまけん

【錬金術師:Lv28】+28

HP:327/355【錬金術師】:-28

MP:514/940【錬金術師】:+106

SP:231/467【錬金術師】:-28

力:48【錬金術師】:-19

耐久:107【錬金術師】:-19

俊敏:65【錬金術師】:-19

技:40【錬金術師】:-19

器用:100【錬金術師】:+76

魔力:85(↑+2)

神聖:140(↑+2)

魔力操作:152(↑+2)【錬金術師】:+38

【回復魔法】Lv96+1

【ハイヒール】Lv53+1

【エリアヒール】Lv34+1

【グレイトヒール】Lv6+1

【コール】Lv20+3

【魔導合成】Lv0New

【魔導命令】Lv0New

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― 新着の感想 ―
[良い点] 寄生おいしいれす
[良い点] 続きが楽しみ 【魔導命令】と【魔導合成】が出た。これで現実の肉体を修復する目処が立ったな。
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