表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

206/312

126日目(異世界)

「狭間さん、お客様がお見えですよ」

「僕にですか?」


教会のシスターに呼ばれる。

僕にお客さんってすごい珍しいな。

そもそも異世界での知り合いなんてほとんどいないし。


「へい、ケンちゃん」

「アンティさんでしたか」


アンティさんが、片手をひょいと上げ、こちらに向かってくる。


「この前の聖職者を拉致してる集団いたじゃん?」

「はい、何か進展があったんですか?」


「そそ、とりあえず全滅させたわ」

「おぉ……全滅ですか……」


この人、絶対皆殺しにしてるよな。


「そんでさ、街なかは前より多少安全になってるから、一応ケンちゃんにも言っておこうと思ったのよ」

「わざわざありがとうございます」


アンティさんはテキトウなように見えるけど、きっちり報告までしてくれた。

すげぇ人殺してるし、見た目も怖いけど、多分良い人なんだろう。

多分……


「ギルドの人間が絡んでたって話でしたが、結構規模の大きな組織だったんですか?」

「まぁね。

ある程度でかかったし、トップ層はそれなりに強かったわ。

苦戦はしなかったけどな」


「おはよう、ケン。

お客さんかい?」

クラールだ。


「うん、この間話したアンティさんだよ」

「どもども」

アンティさんはクラールに軽く手を上げて挨拶する。


「彼がアンティさんか。

はじめまして、クラールと申します。

よろしくお願いします」

クラールがアンティさんに挨拶をすると、一瞬彼のまわりが輝いたのではないかと錯覚するほどに爽やかだ。


「うぉ、すげぇイケメン……」


「ほぉ……貴殿がアンティ殿か?」

サワナ様だ。

サワナ様も朝食を終えてちょうどやってきたところだ。


「あれ?

サワナ様もアンティさんのことはご存知なんですか?」

「まぁな。

お前にも言ったとおり、私は常に貴重な素材を集めている。

以前ギルドに出しておいた依頼を、アンティ殿がこなしてくれたことがあってな」

なるほど。

不老薬に必要な素材を、アンティさんがギルド経由で納品してくれたってことか。


「まいったなぁ。

俺って有名人じゃね?」

アンティさんは、頭をポリポリとかく。


「しかし、実際に見るのは初めてだ……」

ぁ……

サワナ様の鑑定が発動している。


「おい……」

アンティさんの声のトーンが低い。


!!


一瞬であたりの空気がピリつく。

アンティさんが急に真顔になり、サワナ様を睨みつける。


「あんた、賢者だろ?

勝手に鑑定すんのやめてくんねぇかな……」

「あぁ……不快だったか……」


「やたらと鑑定すんのは、あんまり褒められたもんじゃねぇな……

あんたが賢者じゃなかったら、即ぶっ殺してるところだ」

「そうか……それは失礼した」


うぉ……

あのサワナ様が引いた……

アンティさんってやっぱりヤバい人だよな……


「やべぇ、朝からちょっと食いすぎたな。

フヨウの半分くらいは食ったんじゃねぇか?」

「いちいち私と比べるのはやめてくれ」

ショーンとフヨウも朝食を終えてやってくる。


「あれ?

なんかタイミング悪かった?」

ショーンが言う。


「いや、ちょうどみんな揃ったし、狩りに行こう」

クラールが何事も無かったように言う。


「そんじゃ、俺は行くわ。

ケンちゃん、またな」

アンティさんは、またすぐに軽い感じになり、後ろ向きに手を振って帰っていく。


「誰だあいつ?」

ショーンが眉間にシワを寄せて言う。











「それでサワナ様、どうだったんです?」

クラールがサワナ様に聞く。


「なんだ?」

「賊殺しのアンティですよ」


「あぁ、まぁ悪くはない。

だが、私の好みではないな。

あいつは調教したところで、私に従順にはならんだろう……

いたぶったところで、狂犬のように噛み付いてくるな。

私はもっと、子犬のように媚びてくる目が好みなのだよ」

サワナ様が何か言ってる。

「あの……鑑定結果について聞きたいのですが」

ですよね……


「ん?

なんだつまらんヤツだな。

ま、今後ヤツには関わらんことだな。

特に狭間、お前ヤツに気に入られているようだったが?」

「まぁ一度助けてもらってますけど……

何かマズイんですか?」


「……あんなどす黒い魂は初めて見た。

尋常ではない数の人間を殺しているぞ。

いや、それだけではないな……」

サワナ様は顎に手を当て考えている。


「人の理から離れているように見えたな……

強さも異常だ。

お前らが束になってかかっても、数分と持たんぞ」

「は? マジかよ」

ショーンは納得いかないようだ。


「恐らく何か、特殊な方法で強さを得たんだろう」

「特殊な方法ってなんだよ?」

ショーンがサワナ様に問う。


「さぁな……

まぁまっとうに狩りをするだけが強くなる方法ではない。

雑魚でも魔道具と装備である程度は強くなれるからな」

「アンティさんが、道具や装備に頼っているようには見えませんでしたが……」

アンティさんが賊を討伐したときの動きを思い出す。

素の状態でめちゃめちゃ強いように見えたけど。


「だから、よくわからんのだよ。

一つ言えるのは、お前らはヤツを参考にしないほうが良い

いいな?」

「はい……」











「おい、フヨウ。

今日はお前の装備を用意してやったぞ」

「む?」

サワナ様がフヨウに言う。

フヨウはあからさまに警戒している。

変な装備なんじゃないだろうか……


ドサッ!


「これだ。

あとは、これで髪をまとめておけ」

ぉ?

意外と普通の装備に見えるぞ

「承知した……」










今日はフヨウの動きがいい。

あの装備の影響だろう。

黒のジャケットに黒のパンツ、それから、銀色の髪留めで髪を短くまとめている。

端的に言うと、男前だ。

ちょっと学ランに近いような格好だな。


「ほほぉ……

悪くない、悪くないぞ……」

サワナ様もご満悦の様子で、フヨウを見ている。

この人は、男装した女子も好みなのだろうか……


狭間圏はざまけん

【調合師:Lv31(↑+20)】【司祭:Lv33(↑+12)】【魔闘家:Lv31(↑+11)】

HP:352/352

MP:4/904

SP:2/444(↑+4)【調合師】:+112

力:46(↑+1)【調合師】:-10

耐久:106【調合師】:-10

俊敏:63(↑+1)【調合師】:-10

技:38(↑+1)【調合師】:-10

器用:94(↑+2)【調合師】:+81

魔力:81(↑+1)

神聖:136(↑+1)

魔力操作:141(↑+1)

【回復魔法】Lv92+1

【ハイヒール】Lv50+1

【リヒール】Lv57+1

【ハイリカバリ】Lv59+1

【グレイトヒール】Lv3+1

【補助魔法】計+8

【体術】Lv13+1

【魔影装】Lv30+1

【魔影脚】Lv6+1

【魔影連脚】Lv6+1

【降下耐性】計+10

【調合】Lv14+2

【ポーション合成】Lv24+4

【ハイポーション合成】Lv18+4

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] フヨウと同一人物らしきカミキさんがなぜ死んだのかがマジで気になる。だってあの死に方なんか不自然でしょ…そろそろなんか動きが欲しい。
[気になる点] サワナ様は転生者じゃないよね?ほんと闇がお深い
[良い点] 面白すぎて一気読み 追いついちゃった [気になる点] カラスもなるべく助けてあげてほし(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) [一言] みんな好きっす
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ