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126日目(日本)

今日も生産系スキルの訓練と同時に、カラスの死骸を中心に【遠方認知】で周囲を確認していく。


昨日と同様に、【薬草生成】【ポーション生成】【ポーション合成】さらに【ハイポーション合成】をしている。

昨日異世界で【ハイポーション合成】を何度もやったが、結局成功したのは一回だけだ。

【ハイポーション合成】は成功率がかなり低いが、その分成功したときにテンションが上がる。

なんというか、ガチャで当たりが出た感覚に近い。


ぉ!

作業を続けていると、新しいスキルを習得した。


【転移Lv0(New)】


キタァ!!

【転移】は超有用スキルだ!

これを習得できたのは大きい。


今のジョブは【調合師】ではなく【空間魔術師】だ。

やはりスキル習得は、ジョブに影響されているな。


このまま【遠方認知】を使っていこう。








あれは……

中学生か?

河川敷に中学生が数人集まっている。

今は学校の時間だが、サボっているのだろうか。


何かばらまいている……

エサか?

カラスが数羽あつまって、エサを食べているように見える。

本当に普通のエサだろうか?


なんだか様子がおかしいように見える。


昨日老人が鳥にエサをあげていたような、穏やかな状況にはとても見えない。

ケラケラと笑っている。


あの箱がエサだろうか。

よくわからないな……

僕は今【遠方認知】を最大限広げて使っている。

スキルレベルが上がったこともあり、今は6畳〜8畳くらいの空間を俯瞰してみることができる。

その場合、小さなものはよくわからない。

一度【遠方認知】を使うと、効果が切れるまで場所、距離、範囲が固定される。


だから例えば、一人の人物について調査したい場合、その人物の移動に合わせて【遠方認知】を使い続けなければならない。

自分の意思で自由に範囲を変更できる【パーセプション】とは使い勝手が異なる。


ということで、今使用している【遠方認知】の効果が切れるまで待つ。

それから、置いてある箱に近い場所に【遠方認知】を発動させる。


エサと思われる袋を見てみる。

よくわからないな。

とりあえず、エサっぽくはない。


こんなときは、検索にかぎる。

僕は【風魔法】でパソコンを起動させ、パッケージに書いてある名前を検索する。


……エサではないな。

有機リン系農薬というものらしい。

害獣駆除に使うものだ。


害獣か……

確かにカラスはゴミを漁ったりしているよな。

ケラケラ笑いながら、餌をまく中学生は見ていて気分が良いものではない。

しかし、かといってカラスを害獣としてみなすなら、安易にカラスを回復はできない……


しかし、その周りを【遠方認知】で確認し、僕の考えは変わった。

先程は確認できなかった大きな橋の下だ。

橋の下に、大きめのフェンスがある。

そのなかに猫がいて、それに向かって交代で石を投げているのだ。


柵は猫が石をかわせるように、あえて大きめのものを使っているようだ。

交代しているうちに、一人の投げた石が猫に当たる。


当てた中学生は、ガッツポーズをし、他の中学生が財布からお金を出して、石を当てた中学生に渡す。

そういうゲームをしているのだろう。


猫は苦しそうにしている……

僕は回復をしてあげたいが、かなりの距離だ。

【回復魔法】は届かない……


!!


そうだ!


空き部屋だ。

【遠方認知】をしていると、アパートやマンションの空き部屋を見つけることができる。

確か、一番近いアパートの空き部屋はこのあたりだったよな……


僕は【遠方認知】で一番近くにあった空き部屋のあたりを確認する。

ここだ。

一旦ここに【転移】をしよう。


空き部屋に誰もいないことを確認する。

カーテンは付いていないが、シャッターが閉まっているので、僕が【転移】しても外から見つかることはない。


【転移】!


……………………


無事に転移できた。

シャッターが閉まっているため、昼間なのに結構暗い。


そして、さらにここから【遠方認知】で空き部屋を確認していく。

これを繰り返せば、さっき中学生たちが遊んでいた場所に近づける。


よし、また空き部屋を発見した。


【転移】!


……あれ?

【転移】できない。


げ……

しまった……


おそらくだが、【転移】も奥義に近いものがあるのだろう。

連続で発動することができない。


これ、かなりまずいな……

誰もいない空き部屋に、動けないままって……

夕方には家にヘルパーさんがやってくる。

それまでには家に戻らなければならない。


【転移】が使えないなら、とにかく【遠方認知】で待つしかない。

多分だけど、【転移】が再び使えるまでのクールタイムはそれほど長くない。

なぜなら、サワナ様は、僕たちを魔物の中心に送った後、1時間程度で再び【転移】で僕たちを転送していた。

サワナ様の魔力が高く、【転移】のスキルレベルが高いにしても、僕が丸一日【転移】を使えないってことはないよな……


多分……

多分大丈夫……


やばい……

すごい不安になる……








どれくらい時間が経ったのだろうか。

なにもない空き部屋だと、時間の感覚がわからなくなる。


何度も【転移】を試しているが、今のところは発動できない。


……あれ?

いけるな、多分。


なんだか発動できそうな感覚になる。

クールタイムが終わったら、感覚的に分かるのだろうか。


【転移】!


!!


戻れた……


ふぅ……

あぶねぇあぶねぇ……


あのままだったら大変なことになってたな。


僕は時間を確認する。

2時間くらいか。

体感だともっと長く感じたけど、一回2時間だと、あの中学生たちまでのところまでは届かないな……


だけど、2回使っただけでスキルレベルが上がっている。

発動時間に制限があるスキルはスキルレベルが上がりやすいのだろうか。

そりゃ、【エアブレード】みたいに連発できる魔法より上がりやすくないと困るし。


ぁ……

あとは今の僕の位置がよろしくない。

かけてあった布団の上にいるのだ。








あれから【転移】を使い、ベッドの真横に移動した。

そして、これからもう一度ベッドの上に移動する。


その前に【風魔法】で布団をずらしておく。

布団をベッドからずらすと、僕はベッドの上に【転移】する。


それから、もう一度【風魔法】をつかって、自分に布団をかけていく。


次回からは、布団を【風魔法】でどかしたあとに、【転移】で移動だな。

それから戻ってきて、【風魔法】で再び布団をかければいい。

【転移】のレベルが上がれば、中学生たちにやられた猫の回復もできるし、高校の近くまでいけるようになるかもしれない。

発動まで時間がかかるから、レベルを上げておく必要があるな。


狭間圏はざまけん

【空間魔術師:Lv21】

HP:312/352【空間魔術師】:-40

MP:985/904(↑+6)【空間魔術師】:+81

SP:414/440(↑+12)【空間魔術師】:-26

力:45【空間魔術師】:-26

耐久:106【空間魔術師】:-26

俊敏:62【空間魔術師】:-26

技:37【空間魔術師】:-26

器用:92(↑+3)

魔力:80【空間魔術師】:+30

神聖:135

魔力操作:140(↑+2)【空間魔術師】:+81

【ハイリカバリ】Lv58+3

【空間魔法】Lv69+1

【遠方認知】Lv20+4

【魔力庫】Lv86+3

【転移】Lv2+2 New

【ポーション生成】Lv31+5

【薬草生成】Lv47+3

【調合】Lv12+4

【ポーション合成】Lv23+9

【ハイポーション合成】Lv14+10

【マルチタスク】Lv102+2

【ストレージ】Lv65+1

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― 新着の感想 ―
[一言] 布団でバレるとか以前に点滴は? 日本の話がとても全身不随の人間の生活とは思えないほどマジで陳腐で現実味無さすぎてただのスキル育成の場としか思えない だから正直日本じゃなくてもなんでもいいレ…
[気になる点] 主人公の日本での食事の描写が無い、点滴は退院時に外しているだろうし、どうなっているのだろうか? 流動食?胃瘻? 排泄はおむつだと思うが。
[良い点] 努力家な主人公の地道(?)なレべリングがまるで、RPGゲームをプレイしている感覚で楽しめる。 [一言] 待望の更新に感謝です!
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