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202/312

124日目(異世界)後編

第五戦線、昨日よりもやや進んだ狩場に来た。


「……………………」

ショーンはげんなりとした表情で、先程の半裸の装備をしている。

フヨウは目のやり場に困っており、ショーンのほうを一切見ていない。

対して、サワナ様は装備(主にブーメランパンツ)を凝視している。


サワナ様は昨日と同じ様に、テーブルに椅子、ティーセットを用意する。

「今日も【転移】でしょうか?」

クラールが質問をする。


「そうだ。

また魔物のど真ん中に送ってやろう。

できるだけ魔物を集めておけ。

私がまとめて殲滅してやろう」


僕はみんなに【補助魔法】をかけていく。

ちなみにジョブは【司祭】だ。









「うぉぉ!!」

ザシュザシュッ!


「はあぁぁ!!」

ドゴォォオン!


ショーン、フヨウが昨日と同様に殲滅をする。

サワナ様が言った通り、昨日よりも数が多い。

なんとか持ちこたえているのは、昨日大量の経験値を得て、みんなジョブレベルが上っているからだろう。

さらに、僕たち全員が少しずつステータス降下について耐性が上がっている。

あとは、あのショーンのふざけた装備……

あれのおかげで、ショーンの俊敏と耐久が上がっている。

あなどれないな……


序盤はある程度優位に狩りを進めることができたが、それでも敵の湧きが半端ではない。


「クソッ!

どうにか殲滅力を上げないと、デバフのデススコーピオンまでたどり着けねぇ!」

ショーンの言うとおりだ。

このままでは、ジリ貧だ。


「おいケン!

デバフの位置を教えてくれ!」

フヨウが叫ぶ。

「あっちとあっちに一匹ずつだ!」

僕はフヨウに指で示す。


「行くぞ!」

「なっ!」

「どうした!?」


フヨウは僕の指差した方向に一人で突っ込む。

「うおぉぉぉ!!」

大きく飛び上がり、双剣を持った両腕を高く上げる。


バリバリバリッ!

フヨウの双剣に雷がバリバリと集まる。


「【雷帝剣】!」


フヨウは双剣を地面めがけて投げつける。


バゴォーン!


フヨウの投げつけた双剣を中心に、電撃が走る。

バリバリバリ!

敵の動きが止まっている?


「今だ! デバフのデススコーピオンを倒すぞ!」

フヨウ、ショーンの動きに合わせて、僕とクラールが動き出す。

ビリビリとしびれている敵を薙ぎ払い、サイズの小さなデススコーピオンを仕留める。


「【魔影連脚】!」

僕は回復の必要がなくなるので、【魔闘家】にジョブを変更し、攻撃に参加する。


少し時間が経つと、デススコーピオンたちが動き出す。

だが、動きが鈍い。


「すげぇ技だな、フヨウ! 敵がただの的だぜ!」


ボコボコ……

地面からデススコーピオンが出てくる。

新しく湧いた敵には、フヨウの【雷帝剣】がきいていない。


「おい、また敵が湧いたぞ!」

「また回復に切り替えるよ!」













「はぁ……はぁ……」


頑張ってはいるが、昨日と同様に殲滅よりも敵の湧きが多い。

クラールの【天使の咆哮】も使ってしまったため、今日はもう奥義が使えない。


バギッ!

「クソ……」

ショーンが徐々に防御中心になっていく。


ガツッ!

「はぁはぁ……」


フヨウも同じ様に、双剣でガードをする。


サワナ様の【転移】はまだだろうか。

そろそろ限界に近い……


と思った瞬間、僕たちの周りが光りだす。

【転移】だ。












目の前には昨日と同じように、優雅に紅茶を飲むサワナ様がいる。

「今回もなかなかに集まったな。

狭間、ジョブを【薬師】にしておけ。

ではいくぞ……」


サワナ様は大きな杖を掲げる。


キュイーン……


また杖の先に光が集る。

昨日見たが、やはり凄まじい魔力だ。

わかってはいるが、全身に鳥肌が立つ。


「【絶対氷雪】」


昨日と同様に、僕たちがさっきまで戦っていた場所にサワナ様が奥義を発動させる。

大量のデススコーピオンがいた場所が、みるみるうちに白銀に輝く。


静かな魔法だ……

魔物が次々に氷結していき、音のない世界になる。


カチャリ……

おぉ!

昨日に引き続き、新しいジョブの習得だ。

経験値の量が半端ではない。


「【集魔石】」

ザアァァー!

魔石がサワナ様の杖に集まりだす。


「では、帰るとしよう」












僕は狩りのあと、教会の一室に来ている。

サワナ様が宿泊されている部屋だ。


サワナ様の思惑通り、僕は【調合師】という新しいジョブを手に入れた。


「そのうち習得するとは思っていたが、まさか一日で【調合師】を習得するとはな」

「ありがとうございます……」


「では、【薬師】と【調合師】のジョブでこれから【エクスポーション】をつくってもらおう」

「あの……この装備でなければいけないんでしょうか……」


僕は今、さっきのショーンと同じ黒と紫の謎の装備をしている。

しかしサワナ様はこの装備をいくつ持っているのだろうか……


「ダメだ。

ステータス補正があるからな」

「はぁ……」

しかしこの格好で【ポーション】を生成するとか、変態にしか見えないだろう。


「まずは、合成だな。

お前、何か合成系か調合系のスキルは習得していないか?」

「はい、【ポーション合成】を習得しています」


「まぁ習得すれば、感覚的に理解できていると思うが、それはその名の通り複数のポーションを合成し、ハイポーションを作るものだな。

まずはやってみろ」

「はい……」

僕は手持ちのポーションを2つ並べて、【ポーション合成】を発動させる。

2つのポーションは淡い光を放つ。


ポス……


あれ?

何の変化も無い。


「失敗だな。

成功率は、器用のステータスとスキルレベルに依存するぞ。

失敗したところで、合成前の材料が無くなるわけではないが、SPは消費される。

お前、【ハイリカバリ】が使えるんだろう?」

「はい、使えます」


「だったら今日は、ひたすら【ポーション合成】をやっておけ」

「わかりました」


しかし、下半身がスースーして落ち着かない……

さらに後ろからのサワナ様の視線もある。

たしかにすごい装備ではあるが、できるだけ装備したくないな……


僕は装備ステータスを確認する。

【堕天使の戯れ:HP+20:耐久+10:俊敏+10】


……あれ?


これ器用は上がってなくね?


狭間圏はざまけん

【調合師:Lv11(New ↑+11)】

HP:352/352(↑+2)

MP:4/893

SP:2/407(↑+4)【調合師】:+72

力:44(↑+1)【調合師】:-15

耐久:106(↑+1)【調合師】:-15

俊敏:61(↑+1)【調合師】:-15

技:36(↑+1)【調合師】:-15

器用:82(↑+2)【調合師】:+61

魔力:80(↑+1)

神聖:134(↑+2)

魔力操作:136(↑+1)

【回復魔法(計+6)】

【補助魔法(計+6)】

【魔影装】Lv28(↑+1)

【魔影脚】Lv4(↑+1)

【魔影連脚】Lv2(↑+1)

【魔影連撃】Lv3(↑+1)

【マルチタスク】Lv98(↑+1)

【ポーション生成】Lv21(↑+1)

【薬草生成】Lv41(↑+1)

【ポーション合成】(New)Lv4(↑+4)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 早くフヨウにも着せるのだ
[良い点] 設定が面白い。 ありふれた魔王討伐!!みたいなのじゃなくて 自分を治すために強くなるのがいい。 [気になる点] マルチタスクが100になった時に化ける気がする。
[一言] 信じて賢者の元に送り出したメンバーがヘンタイにされていた
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