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123日目(異世界)中編

修行は本日午後からだそうだ。

というのも、午前中サワナ様は教会で仕事をするらしい。

午後には、戦線に向かうらしいのだが、僕は希望して午前中サワナ様の仕事の様子を見学させてもらう。

サワナ様、イヴォンさん、僕で教会内をまわっていく。


「ふむ、たいして劣化はしていないな。

ただし、この3年で私の能力自体が上がっている。

今なら3年前より良い結界ができるだろう」

教会にはフリーの職員や、貴族が安全に働けるために結界が張ってある。

教会で働き始めた頃に一度聞いたことがあったな。

サワナ様が、定期的に結界を更新してくれているのか。


「狭間さん、この結界は高いんですよ……

しかし、この結界の中にいれば、MPが0でも安心して生活ができます。

くれぐれもMP切れの状態でウロウロしないでください」

「はい……その節は申し訳ございませんでした……」

イヴォンさんの言いたいことは分かる。

せっかくお金をかけて安全を担保しているのに、僕は無駄にしてしまったわけだ……


「おいイヴォン、結界を過信するなよ。

結界を張ることができるということは、当然結界を破る魔法もあるわけだ」

「はい、承知しています」

そうなのか……

まだまだ僕の知らない魔法がありそうだ。


「結界魔法に特化したジョブもあるんでしょうか?」

「あるぞ。

【結界師】【結界魔法師】【結界魔術師】【結界魔道士】。

まぁ似たようなもんだな」

なるほど、そのジョブを習得できれば、結界系の魔法が習得できるわけか。


「狭間は【空間魔術師】も【空間魔道士】も持っていないようだな」

サワナ様はまた僕の目を凝視する。


「はい、 ただ【空間魔法】自体はいくつか習得しています」

「なんだコイツは……

【空間魔術師】のジョブが無いのに【空間魔法】が使えるのか?

そうか……

【魔法士】のジョブが低すぎるんだな」

サワナ様すげぇな……

ちょっと見ただけなのに、情報量が多い。


「後は【空間魔法】と【結界魔法】の魔石でいいか?」

「そうですね。

よろしくお願いします」


その後サワナ様によって、【空間魔法】と【結界魔法】の生成がおこなわれた。

さらにサワナ様は【錬金術師】のジョブもあるらしい。


ちなみに、サワナ様に魔石を生成してもらうと、めちゃめちゃ高いらしい。









午後には第五戦線にやってきた。


第五戦線は荒野で、第三戦線ほどではないが、埃っぽい。

乾燥しているが、暑さはそこまで感じないな。

第三戦線よりは、人間が生活しやすいんじゃないだろうか。

行ったことはないが、中東ってこんな感じじゃないかと思う。


第五戦線のポータルから、少し歩いて移動をする。

「おい、私は極力無駄なMPは使いたくない。

まずは、お前らが最低限使えるかどうかを見てやろう。

道中の魔物は、お前らが倒せよ」

「あの、僕は前衛と後衛、どちらをすればいいですか?」


「好きにしろ」

「わかりました!」

よし、じゃあこれを機に【魔闘家】のジョブを上げてしまおう。


「おい、いたぞ」

ショーンが魔物に気づく。

デカイな。

2mくらいあるだろうか。

サソリのような魔物だ。


「デススコーピオンか。

確か、群れで……」

「おい黙れ」

クラールが魔物の情報を教えてくれようとするが、サワナ様がそれを止める。


「何も情報が無いまま戦ってみろ。

常に情報があるとは限らんぞ?」

「……わかりました」

クラールが言う。


「一通りの【補助魔法】をかけるよ」

僕は、ショーン、クラール、フヨウに【補助魔法】をかけていく。

さらに自分には【自己強化】も使っていく。


バッ!


クラール以外の全員が同時に飛び出す。

デススコーピオンが気づくが、遅い。


ザスッ!

ドドッ!

ショーンの槍が突き刺さると同時に、クラールの矢が2本続けて突き刺さる。


【魔影脚】!

僕も少し遅れて、胴体に【魔影脚】をぶちかます。

ガギッ!

硬いな。


最後にフヨウがデススコーピオンの正面に来る。

バリバリッ!

ゴォォォッ!

両手の双剣には既に雷と炎の属性がついている。


バキバキッ!

デススコーピオンの外殻が割れる。


「よし!畳み掛けるぜ!」

バキッ!

ドドドッ!

ドガッ!


フヨウが正面、僕とショーンが側面、クラールが遠方から攻撃を続ける。


「ギュエェェ!」

ドサッ!


デススコーピオンの動きが止まる。

フヨウの攻撃力が半端ではない。

昇仙山では、俊敏が劣っていたフヨウだが、対モンスターでは絶大な破壊力を持つ。

魔物の殲滅力で言えば、この中で一番高いだろう。


「おい、油断するなよ」

ボコボコ……

サワナ様がそう言うと、地面からデススコーピオンが這い上がってくる。


げっ!

しかも3体だ!


反射的に、僕、フヨウ、ショーンは一体ずつ対応する。

背後を取られないためだ。


先程は、不意打ちな上に、4対1で戦ったため、攻撃をする隙を与えなかった。

しかし、1対1ではそうもいかない。

大きく鋭いハサミが迫る。


僕は【魔影装】を使っているので、問題なくかわす。

リーチはあるが、スピードはそこまでではない。


ブンッ!


デススコーピオンの尻尾がこちらに向かってくる。

これもそこまでの速度ではない。


僕は尻尾の攻撃をかわしたあとに、【魔影連撃】を撃ち込む。

ドガガガッ!


硬いな。

だけど、ダメージが通らないわけではない。


ドスドスッ!

クラールの矢が刺さる。

どうやらクラールは僕の援護をしてくれているようだ。


「ギュエェェ!」

ドサッ!

ほどなくして、全て倒し終わる。


「ま、悪くはないな」

サワナ様は僕たちの戦いを見て、不敵に笑う。


「このまましばらくは進むぞ。

お前らだけで戦え」

「「はい」」

「おぅよ」

「了解した」









ひたすらデススコーピオンを倒しながら進んできた。

一度の戦闘で3〜5体を相手にしている。


1体ごとの耐久力が高いため、殲滅にはやや時間がかかる。


「よし、この辺りがいいな」

サワナ様はそう言うと、テーブルと椅子を一つずつ空間から取り出す。

それからティーセットを取り出す。


「休憩ですか?」

クラールが聞くと、サワナ様はニヤリと笑う。

サワナ様は椅子に座ると、ゆっくりとお茶を注ぐ。


「いや、本番はここからだ。

まぁ死ぬことはないだろう。

おい狭間、【補助魔法】を全員にかけ直しておけ」

「はい」

僕はサワナ様の言うとおりに、【補助魔法】を全員にかけ直す。


サワナ様は優雅にお茶の香りを楽しみ、一口飲む。

「おい、私からの指示は一つだけだ。

死なないように頑張れ」

「ぇ?」

「は?」

「はい?」

「む?」


僕たち四人のまわりが光りだす。

これって、ポータルを使ったときと同じ?


「【転移】だ! 飛ばされるぞ!」

クラールが叫ぶと同時に視界が変わる。

ペットボトルは洗ってラベル剥がしてからじゃないと捨てられないのは、どうやらうちの地域だけのようです。

普通に捨てられているペットボトルには【ウォッシュ】が必要ですね……

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― 新着の感想 ―
[一言] 後書き >ペットボトルは洗ってラベル剥がしてからじゃないと捨てられないのは、どうやらうちの地域だけのようです。 >普通に捨てられているペットボトルには【ウォッシュ】が必要ですね…… うちの…
[一言] 身体が治ったら受験をどうするのか、今から楽しみです。 今は近くにいる強者に目移りしつつ、自分を鍛えるのが楽しいようですが、日本の模試で志望校(学部)の結果次第で、狩りや魔石チャージそっちのけ…
[一言] ペットボトルはそのまま燃えるゴミとして燃やした方が環境にもエネルギー的にも地球にやさしいのに、リサイクルした方がイメージ的に環境に良さそう、という理由だけで無駄な事をさせられてるのは大変遺憾…
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