表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

179/312

116日目(異世界)

「おぉ……素晴らしいですね」

僕は今日も騎士の訓練所で、【オートヒール】の魔石生成をしている。

【錬金術師】のジョブを持つカルディさんと一緒だ。

今日、日本の自室で【睡眠薬生成】を使いまくった。

そしてつくった睡眠薬の買取をしてもらおうと、【ストレージ】と【魔力庫】から取り出した。


「【睡眠薬生成】のスキルを習得しまして、できるだけ作成しました。

睡眠薬の需要はどうですか?」

「えぇ、需要はあります。

矢に塗って魔物を攻撃するなどに使えますからね。

あとは、人間に悪用する場合もあるでしょう。

お店から買う場合は許可がいるんですよ」


なるほど。

日本の薬局でも、処方箋とかあるしな。

そういうことだろう。


「しかし、結構な量ですね。

【睡眠薬生成】は一回あたりのSP消費が結構高いはずです。

やはり、MP制限なしでの【リカバリ】は強力なものですね」

「はい、おかげでSPも成長できそうです」


「ただ、仮にこの量がしばらく続くとすると、うちの道具屋だけでは捌ききれない可能性がありますね。

領都や王都に売りに行くことも考えたほうが良いかもしれません。

あるいは、ギルドに納品することもできますね」

「そうなんですか……」


カルディさんに買取をしてもらう以外に、領都や王都に売りに行く、それからギルドに納品する、という選択肢があるらしい。

違いがわからないな……


カルディさんが察したのか、説明をしてくれる。


「まずはギルドに、自分が【薬師】のスキルを持っており、何が生成できるのかを予め知らせておく必要があります。

睡眠薬や麻痺薬は危険ですからね。

ギルドとしても、ある程度は把握したいのでしょう。

そうすると、ギルドカードが更新できますので、個人で睡眠薬などの薬を売ることができるようになります。

お店に売る場合と、ギルドに納品する違いですが、買取金額が全然違います。

領都や王都のお店で売れば、ある程度の金銭を得ることができるでしょう。

ギルドへ納品する場合は、お金も少しだけもらえますが、ギルド貢献度が上がります」


今僕はお金には困っていない。

こうしてイヴォンさんに言われた仕事をしていれば、金銭的にはかなり余裕がある。

そして、僕のギルド貢献度は5だ。

第三戦線での狩りや、武闘大会での回復でここまで上がっている。


「なるほど、よくわかりました」

そうすると、どうしたもんかな。

ギルド貢献度って、上げていいことあるのだろうか。









「そりゃギルド納品だな」

その後ショーンとノゥヴ湿地へ来ている。


「そうなの?

まぁ今お金に困ってるわけじゃないけど」

「俺たちはこれから第5戦線に行く予定だろ?

ある程度ギルド貢献度が高くないと、許可が下りにくかったり、パーティを組んでもらえなかったりするぞ」


そうか。

ギルド貢献度ってそのへんの指標になるもんな。


「ちなみにショーンは今いくつなの?」

「46だ」


「げっ!

すげぇ高いじゃんか……」

「そうでもねぇよ。

適当に狩りをしてたら上がったって感じだ。

まぁケンは後衛職もできるし、俺より上げるの簡単だと思うぞ。

回復職は基本貢献度上げやすいからな。

生産系スキルあれば、ひたすらギルドに納品するだけで上がってくし」


「魔石の生成や補充でも上がるの?」

「ぁ〜……上がるけど、ケンがギルドに納品するとしたら、イヴォンさんがすげぇ嫌がるだろうな」


確かに……

イヴォンさんの利益が減ってしまうからな。


だったら、【薬師】のスキルで生成したものに関しては、ある程度カルディさんに買い取ってもらったら、ギルドへ納品しよう。


「んで……

今日もアレをやる気か?」

ショーンはかなり嫌そうにこちらを見てくる。

アレというのはゲロ風呂だ。

「もちろんその予定だよ」


さっきからリバースフロッグの嘔吐物を【ストレージ】と【魔力庫】に収納している。

それから、生産スキルの強化に使えるので、毒の花、麻痺の花、睡眠の花をかたっぱしから収集している。


「お前がアレに入ってる間、何してればいいんだよ……」

ショーンはげんなりしながら言う。


確かにその通りだ。

完全にお守りというか、やることがない上に気持ち悪いんだろう。


「ぁ、そうだ。これ見える?」

僕は【空間魔法】の【文書】を発動させ、ショーンにのみ見えるようにする。


「おぉ! なんだコレ?」

「【空間魔法】の一つなんだけど、【文書】っていって、対象にこっそりメッセージを送ることができるんだよ」


「へぇ〜……便利なもんだな。

しかし聞いたことねぇスキルだぞ。

クラールなら知ってんのかな……」

「今日は麻痺メインで耐性を付けていこうと思うから、基本麻痺ってるけど、困ったら【文書】で呼ぶよ。

できればそんなに離れないでほしいけど」


【文書】の効果範囲は【パーセプション】とほぼ同じだ。

あまり離れられると、使うことができない。


「おぉ!

そりゃ助かる。

どれくらい離れられるんだ?」

「まぁゲロが見えなくなるところまでは大丈夫だよ」


「ッシャァ!」

ガッツポーズまですることだろうか……









本日の嘔吐物は、赤色のリバースフロッグのものだ。

昨日と同様に、地中に【土魔法】の【創造】で浴槽をつくっていく。

ショーンは少し離れた場所で待機しており、クラールが来ることはない。


ドシャァッ!


服を脱ぎ、身体ごと入ることで、耐性が大幅に強化できる。

赤は、力、技、魔力を下げてくるようだ。

さらに麻痺があるため、意識はあるが動けなくなる。

困ったら【文書】を使いショーンを呼ぶ予定だ。


早速入ってみる。


うげぇ……

ビリビリくるねコレは。


あっという間に身体が動かなくなる。

一応【麻痺耐性】は習得したが、まだレベルは0だ。

直で身体に触れているため、【麻痺耐性】では全く対抗できていないようだ。









おぉ!

キタキタ!

長時間浸かっていたことで【力降下耐性】【技降下耐性】【魔力降下耐性】のすべてを習得することができた。

このまま浸かっていれば、レベルもどんどん上がるだろう。


カチャリ


ぁ!

ジョブだ!

ジョブも習得できたぞ!


【呪術師:Lv0(New)】

イヴォンさんが言っていた【呪術師】だ。

【呪術師】のジョブレベルを上げれば、デバフの魔法スキルを習得できるはずだ。


僕はショーンに【文書】で連絡をする。

『各種耐性が揃って【呪術師】のジョブも習得できたよ』


ん?

あれ?


さらに【水魔法】に【ウォッシュ:Lv0(New)】と出ている。

新しい【水魔法】まで習得することができた。


これって……

汚いから洗えってことだよな……


狭間圏はざまけん

【呪術師:Lv0(New)】

HP:315/345【呪術師】:-30

MP:4/810【呪術師】:+20

SP:2/349(↑+1)

力:38【呪術師】:-20

耐久:102【呪術師】:-20

俊敏:57【呪術師】:-20

技:29【呪術師】:-20

器用:57

魔力:74

神聖:128

魔力操作:123【呪術師】:+10

【水魔法:Lv45 ウォッシュ:Lv0(New)】

【土魔法:Lv34(↑+1) 創造:Lv26(↑+1)】

【空間魔法:Lv59 文書:Lv41 魔力庫:Lv65(↑+1)】

【マルチタスク:Lv89(↑+1)】

【力降下耐性:Lv5(New ↑+5)技降下耐性:Lv5(New ↑+5) 魔力降下耐性:Lv5(New ↑+5)】

【麻痺耐性:Lv6(↑+5)】

【etc.(73)】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ゲロ風呂=『呪いの沼』→呪術師のジョブゲット♪ って、嫌すぎるわっ! ショーンとクラールからの「ウキウキしながら耐性の話する前に早く洗い落とせよ!」という、無言の懇願から《ウォッシュ》が生えたんじゃ…
[良い点] 『アレというのはゲロ風呂だ』 これが本当の下呂温泉ってね! なんてことを考えてしまいました……
[良い点] 汚いから洗えるスキル取得って、ほんと便利な世界だな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ