115日目(異世界)
「今日はどんどん進んでほしい」
「ん?
あぁ、別に構わないぜ」
今日もショーンと二人でノゥヴ湿地へ来ている。
僕はある考えがあって、昨日よりも奥へ進みたい。
昨日は、僕がゲロをかぶった状態を保っていたため、狩場をそれほど進んでいない。
狩場の浅いところでは、リバースフロッグの黄色しか出てこない。
少し奥へ行くと、赤が出てきて、さらに奥で緑が出るらしい。
最奥で、ボスと全種類のリバースフロッグが出るらしいので、今日は緑のところまでは行きたい。
最初に黄色のリバースフロッグの出現エリアまで来る。
「じゃ、倒しちまっていいのか?」
「うん、いいよ」
今日に関しては、奴らの嘔吐物をかぶらずに進む。
MPをある程度温存したいので、僕は見てるだけだ。
そんな感じでサクサクと進んでいく。
◇
「おい、緑がいたぞ。
どうすんだ?」
「ぁ、じゃぁ2、3匹残して、やっつけちゃって」
「了解」
ショーンは颯爽と駆けていき、近くの数匹を残して殲滅していく。
残ったうち一匹がこちらを見ている。
ターゲットは僕になったようだ。
リバースフロッグの腹が膨れ上がり、膨らみがどんどん上へあがっていく。
くるぞ……
「ゲボォッ!」
「それ!」
僕はタイミングを見計らって、【魔力庫】を発動させる。
「よし!」
うまくいった。
ヤツのゲロを【魔力庫】に入れることができた。
僕は残った数匹のリバースフロッグと距離を保ちつつ、ヤツのゲロをひたすら【魔力庫】に入れていく。
「これくらいでいいかな」
「……なぁ、それ、どうする気だ?」
ショーンがどんよりした表情でこちらを見る。
「もちろん、耐性強化に使うんだよ」
「…………(嫌な予感しかしねぇな)」
◇
帰りも赤と黄色のリバースフロッグのゲロを、大量に【ストレージ】と【魔力庫】に収納していく。
昨日よりも大量のリバースフロッグを倒したわけだが、僕がゲロをかぶっていないため時間帯は早い。
それからノゥヴ湿地の奥には、状態異常を引き起こす植物があった。
黄色、赤、緑の花が沼地にあり、それらが状態異常を引き起こすらしい。
どうやらカエルの色と対応しているようだ。
それらの植物があれば、耐性を強化できる。
また、道具屋でも需要があるので、回収していく。
その後ポータルを使って、街へと帰る。
「んで、それどうすんだよ……」
「この辺りで、ひとけのないところってある?」
「そんなのいくらでもあるだろ。
何をすんのかわかんねぇけど、一応クラールに聞いてみるか」
「そうだね」
◇
「ひとけのない場所?」
「そうだね、できれば魔物は出ないほうがいい」
「…………(やっぱり嫌な予感しかしねぇな)」
「だったら、東の森がいいかもね。
わりと近いし、魔物も出ないよ」
「じゃあ行ってみよう」
◇
少し歩いて森に来る。
ここは特に魔物も出ないし、かといって有用な植物や食料も無い。
安全なので、そのうち人が住み始めるかもしれないが、今はまだ未開拓の地だそうだ。
「じゃ、この辺りでいいかな」
僕は土魔法で地面に穴を掘る。
大体人一人くらいが入れる大きさで、腰掛けられるように、段差を作る。
「………………」
ショーンがジトッとした目で見てくるが、気にせず作業を進める。
一度穴に入って、腰掛けてみる。
ちょうど首から上が地面から出る。
完璧だ。
さらに土魔法を使い、穴の表面を陶器のような素材に変化させていく。
おぉ、【土魔法】のスキルが上がっているため、なかなかに自分の思い通りに形状をつくることができている。
さながら地中の浴槽だ。
「なぁ……まさかと思うけど、それにアレを入れて入る気か?」
ショーンは顔をひきつらせて、僕に聞いてくる。
「そうだね」
「?」
クラールは昼間僕が魔力庫にリバースフロッグの嘔吐物を入れたことを知らないので、なんだかわからない様子だ。
「おい、クラール……
ケンが始める前に離れたほうがいいぞ……
アレにゲロを入れるらし……」
ザッ!
ショーンが話し終えるか終えないかくらいのタイミングで、クラールが消える。
は、速い!
ウーリュウくらい速かった気がする……
「それじゃ、緑のリバースフロッグからいってみよう!」
「えっと……俺も帰っていいか?」
「ぁ〜……もし動けなくなったら頼むよ」
「ぉ、おぅ……(クソ……完全に逃げ遅れたな)」
ドシャァッ!
僕は地中の浴槽にリバースフロッグの嘔吐物を入れていく。
浴槽は小さくつくっているので、あっという間に一杯になる。
「おぞましい……絵だぜ……うぷっ……」
ショーンが顔をそむける。
僕は服を脱いでパンツ一枚になる。
「おい……なんで脱ぐんだ?」
「多分、直に浴びたほうが身体に負荷がかかるよね」
「正気かよ……」
「もちろん正気だよ。
僕だってできればこんなことはしたくない。
だけど強くなれるなら……」
「だったら、その表情なんなんだよ……
うぷっ……
いいや、なんでもいいから早く始めてくれ……」
ん?
表情についてはよくわからないが……
とりあえず入ってみるぜ!
◇
「おいケン!
もういいだろ!
そろそろ起きろ!」
……ん?
頬が痛い。
棒状のもので突かれているようだ。
「ん?」
ダメだ……
意識がもうろうとする。
「おい!
緑のリバースフロッグの状態異常は睡眠だ!」
「うん……おやすみ……」
僕は浴槽で爆睡したのだった……
狭間圏
【補助魔法士:Lv20(↑+8)】
HP:319/345【補助魔法士】:-26
MP:3/807【補助魔法士】:+40
SP:6/327
力:38【補助魔法士】:-16
耐久:102(↑+1)【補助魔法士】:-16
俊敏:57【補助魔法士】:-16
技:29【補助魔法士】:-16
器用:51
魔力:74
神聖:127
魔力操作:123【補助魔法士】:+20
【土魔法:Lv33(↑+1) 創造:Lv25(↑+1)】
【回復魔法:Lv83(↑+1) オートヒール:Lv40】
【ストレージ:Lv54(↑+1)】
【HP降下耐性:Lv9(New ↑+9) MP降下耐性:(New ↑+9) SP降下耐性:(New ↑+9)】
【睡眠耐性:Lv9(New ↑+9)】
【etc.(69)】
誤字報告ありがとうございます。
汚い話で申し訳ございません。
汚いので、一部カットしようか悩みましたがそのまま投稿しました。