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110日目(異世界)

ポコッ!


本日もノーダメージの攻撃をアーマータイガーに繰り出していく。


「おいケン、そろそろ5分だぞ」

「くっ!」


昨日までと同じように5分間だけ、アーマータイガーと戦う。

相変わらずの硬さで、僕の通常攻撃では全くダメージが通らない。

そして、今日もなんの手応えも無い。

昨日【リカバリ】を習得してしまったし、こんなことで本当に【昇仙拳】を習得できるんだろうか。


まぁアーマータイガー自体なかなかに強いので、こうして攻撃を繰り出すだけでも、力と俊敏、技のステータスは上がっていく。

そのあたりのステータスは軒並み低いので、ここで上げておかないとな。


それに対し、ショーン、クラール、フヨウはどんどん【昇仙拳】をマスターしていく。

昨日習得したばかりのフヨウも、既に使いこなしつつある。

彼らはあっというまにアーマータイガーを倒してしまう。


「ケン、5分いいぞ」

「よし!」


僕はまたノーダメージの拳を出していく。


ポコッ!







「おい、そろそろ5分だぞ」

「ちょっと!

ちょっと待った!」


拳に違和感がある。

これか!?


「?」

「なんだか違和感が出てきたんだ!

もう少し頼むよ!」


ショーン、クラールは顔を見合わせる。

「いいぞ、頑張れよ」


なんだ?

この違和感は……


ポコッ!


ダメージは通っているか?


「グルルルルル……」


アーマータイガーはやや苦しそうか?


とにかく攻撃を続けよう。










「グルァアァァッ!」


ドサッ!


「はぁ……はぁ……」


倒した!

倒したぞ!


「はぁ……はぁ……

やった!

やったぞ!」

「「「……………………」」」


あれ?

ショーン、クラール、フヨウともに微妙なリアクションだ。


「見てた?

これって【昇仙拳】習得?」

「……ではないな」

フヨウがこたえる。


「この前、どっかで同じようなことがあったよな……」

「ケン、倒したアーマータイガーを見てごらん」


僕はアーマータイガーを確認する。

なんだか様子がおかしい。

所々紫色に変色しており、顔に至っては真っ青で口から泡を吹いている。

これって……毒?


僕は習得したスキルを確認する。



【毒手:Lv0(New)】



クソが!









道場へ帰ると何やら様子がおかしい。

ウーリュウが戦っている。


対戦相手は誰だ?

道場の人間ではないな……


速い……

【体術】特化の人間はみんな俊敏が高いのだろう。

なんとか目視できるくらいの速さだ。


ウーリュウは腕を組み、蹴りのみで戦っている。

完全になめているようだ。


ドッ!

ガッ!

バゴーンッ!


蹴りによる連撃。

なんとかギリギリ、防御できているが、ウーリュウは防御された蹴りを起点に逆回転で蹴りをくりだす。

空中を旋回したままで、高速に蹴りを繰り返している。


なんてヤツだ……

対戦相手は防戦一方だが、よく耐えているように見える。


「そらそら、スピードを上げるぞ!」

さらに高速回転を繰り返す。

相手は亀のように防御するしかない。


ドガガガガガッ!

バゴォーンッ!


「がはっ!」

場外までふっ飛ばされる。


「フンッ!

耐久力だけはマシだったな」


おいおい、あれ大丈夫か?

生きてるよな……


「狭間さん、良いところに来ましたね。

みなさんの回復をお願いします」

「はい!」


僕はウーリュウの対戦相手に駆け寄り、【ハイヒール】をする。


…………………………


ちょっと待った。

この人相当HPあるぞ。

まだ回復が終わらない。


そして道場の人間ではないよな。

あたりを見ると、この人と同じ赤い道着を着た怪我人がいる。

彼らは誰だ?

みんなボコボコにされたようで、回復に結構な時間がかかる。


「……………………」

彼らは無言でくやしそうだ。


「リャンリュウさん……?」

僕は一通りの回復が終わると、リャンリュウさんに事情を聞く。


「道場破りですね。

たまにこの道場にも来るんです。

私と、代表の4人で返り討ちにしました」

すごいな……

回復をしてわかったが、彼らもかなりの手練だろう。

HPはかなりある部類だ。

それなのに、こちら側に怪我人はいない。


「師匠、では明日代表戦ですね?」

「通常通りですと、そうなりますね」

ウーリュウが話に入ってくる。

代表戦?


「ハハハッ!

やっとだ。

おい、そこのツンツン頭!」

「ん? なんだよ……」

ウーリュウにショーンが不機嫌そうに答える。


「明日の代表戦、逃げるなよ……」

「は? なんだそりゃ……」

どういうことだろう。


「私が説明しましょう」

リャンリュウさんだ。


「この道場では道場破りが来たとき、戦う人間が決まっています。

私の他に代表4人です。

一度道場破りがあると、その代表4人を決めるための入れ替え戦があります。

現在の代表4人に、他の門下生が挑戦することができるんです」

なぬっ!

ということは、僕もウーリュウに挑むことができるってことか。

まるで勝ち目はないが、是非とも戦ってみたい。


「ただし、一人の代表に挑戦できるのは一名だけです。

門下生みんなが怪我人になっては困りますからね」

「そうだ、俺の相手はお前がしろ」

ウーリュウはショーンを挑発している。


「いいぜ、望むところだ」

しかし困ったな。

一人の代表と戦えるのは一人か。

他の門下生も代表戦に出るだろうし、ウーリュウはショーンをご指名か。


「誰でも挑戦できるんですか?」

「えぇ、対戦相手はくじで決めるので、ウーリュウとショーンくんが戦えるとは限りませんよ。

それから【昇仙拳】が使えないと、くじが引けません」


ぇ……

それ僕無理じゃね?


狭間圏はざまけん

【修道士:Lv60 (↑+4)】

HP:360/325【修道士】:+35

MP:4/741【修道士】:+35

SP:0/263(↑+5)【修道士】:-24

力:32(↑+1)【修道士】:+35

耐久:87(↑+1)【修道士】:+35

俊敏:49(↑+1)【修道士】:+35

技:23(↑+1)【修道士】:+35

器用:41【修道士】:-24

魔力:73

神聖:126(↑+1)【修道士】:+35

魔力操作:110

【回復魔法:Lv77 ハイヒール:Lv41(↑+1)】

【体術:Lv6(↑+1)毒手:Lv0(New)】

【etc.(56)】

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― 新着の感想 ―
ポコッ! 擬音がかわええwww いかにも弱そな、和む音〜w
[一言] > 【毒手:Lv0(New)】 >クソが! 私も読みながら、クソがって声上げてしまった(笑 この展開は面白かったです。
[良い点] 毒手! いいですね! 大好きです! ぜひガンガン毒手を極めて欲しいです! [一言] いつの間にやら超人気作になってますね! すごいです! おめでとうございます! このままガンガン突っ走って…
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