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104日目(異世界)

「はぁ……はぁ……」

今日もひたすら走り山頂を目指す。

昨日よりも早くはなったが、この時間だと昼前に戻るのは無理だな。

そして、ショーン、クラール、フヨウは早くも他の門下生と同じペースで走っている。


仕方ないな。

僕は僕のペースで全力で頑張ろう。











「はぁ……はぁ……」

なんとか昨日より良いペースで走りきったぞ。


「はぁ……はぁ……」


僕は呼吸を整えながら、中へ入る。


入り口には昨日と同じようにショーン、クラール、フヨウが正拳突きをしている。


「おぅ、今日はさらに早くなったな」

「いや、皆に比べたら全然だよ……

今日も昼は過ぎちゃったな」


「おや狭間さん、今日はさらに早くなりましたね。

このペースでしたら、もうすぐ型の修行に入れますよ」

リャンリュウさんが、僕が帰ったことに気がつき、声をかけてくれる。


「ありがとうございます!」


「あの、1つよろしいでしょうか?」

「なんです?」


リャンリュウさんはニコニコとしながら聞いてくる。


「もうすぐと言わずに、今から型の修行に入ることはできますか?」

「ほぉ……それは素晴らしい。

通常は走り込みに慣れるまで、身動きがとれないほどに疲労するんですが。

良いでしょう、では皆さんの横に並んでください」


よしきた!

確かに疲労はあるが、初日ほどではない。

なんとかなるだろう。


「ありがとうございます!

お願いします!」


「では、腰を落とし両腕を引いてください。

このように……」

リャンリュウさんが構えを見せてくれる。


「わかりました!」

「もう少し腰を落としましょう」


「はい!」


……ちょっときつい。

普段ならなんてことはないだろうが、走り込みのあとで脚にきている。

この状態で腰を落とすと脚がプルプルと小刻みに震える。


「一度深呼吸をしてください」

「スー……ハー……」


「ではまずは右手を前に出し、突きをします」

ブワッ!

凄いな……

リャンリュウさんが突きをすると、風圧がくる。


「このとき必ず息を吐いてください。

この昇仙山では呼吸が大切です」

「わかりました!」


シャッ!

僕も同様に突きを放つ。


「そのまま左手で突きをします。

左右両方で突きが終わったら、体勢を維持したまま深く深呼吸をしてください。

あとはそれを繰り返すんです」

「はい!

頑張ります!」











バタッ!

足腰に力が入らず倒れてしまう。


やばい……

限界か?


もともと脚にきていたが、今度は腕も上がらなくなってきた。

「はぁ……はぁ……」


「さすがのケンも限界か?」

「僕も限界に近いよ……」


クラールも限界に近いようだ。

だけどまるでそうは見えない。

爽やかの極みだ。


「……………………」

フヨウは相変わらずだな。

もくもくと修行を続けている。


「ぉ!?」


ショーンが驚いたように自分の拳を見る。


「こうか?」


すると、ショーンの拳が淡い光を放つ。

ロウリュウが大会で見せた、拳の光を弱くしたようなものだ。


バシュッ!


そのまま光る拳で正拳突きを放つ。


「わりぃな、先にいくぜ。

【昇仙拳】習得だ」


マジかよ……


「なっ!」

僕もクラールも驚いているが、フヨウが一番驚いているようだ。


パチパチパチパチ!

リャンリュウさんが拍手をしながら近づいてくる。


「素晴らしいですね……

まさか3日で【昇仙拳】を習得してしまうとは……」

「ありがとう、リャンリュウさん。

だけどまだ違和感があるな。

扱いに慣れてないっつーか……」


「十分ですよ。

【昇仙拳】の習得に1年くらい時間がかかるんです。

今までの最速記録がウーリュウの1週間でしたからね。

3日は驚くべき成長と言えるでしょう」


「……………………」

フヨウの表情が悔しそうだ。

自分が先に【昇仙拳】を習得するつもりだったのだろう。


「おいマジかよ」

「この前きた入門者だろ?」


ぞろぞろと他の門下生たちが集まってくる。


バコォーン!!


門下生たちの間から、ロウリュウが吹っ飛んでくる。

またか?


「がはっ!」


今日も傷だらけだな。

ウーリュウにやられたのだろうか。


「師匠、こんな雑魚との手合わせはもう飽きました。

そこのそいつ、面白そうじゃないですか……」

「ぁ?」


ウーリュウはショーンを指差し挑発する。


「ダメですよ、ウーリュウ。

彼は今【昇仙拳】を習得したばかりです。

【昇仙拳】の扱いに慣れるまで、手合わせはさせません。

ましてやウーリュウとの手合わせは当分先ですね」

「俺はいつでもいいぜ?」


ショーンはショーンで挑発を返す。


「ダメです。

勝手に手合わせしたら、もう【昇仙拳】は教えません」

「……………………」


リャンリュウさんはニコニコとしながら、ものすごいオーラを発する。

誰も何も言えない状態だ。


「では狭間さん、そろそろ皆の治療を開始してください」

「はい!わかりました!」


狭間圏はざまけん

【上級聖職者:Lv38】

HP:317/317

MP:4/697【上級聖職者】:+126

SP:0/223(↑+10)

力:28

耐久:85

俊敏:46

技:20

器用:35

魔力:72(↑+1)【上級聖職者】:+68

神聖:121(↑+1)【上級聖職者】:+126

魔力操作:103

【回復魔法:Lv70(↑+1) ハイヒール:Lv35(↑+2)】

【etc.(54)】

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