36日目(異世界)
本日2回目の投稿です。
1話目まだの方はそちらからどうぞ。
朝恒例のステータス確認をする。
狭間圏
【ーーーーー】
HP:27/27
MP:180/180(↑+22)
SP:2/2
力:8
耐久:5
俊敏:9
器用:6
魔力:9
神聖:3
【魔力操作:Lv6(↑+2)】【炎魔法:Lv1】【風魔法:Lv17(↑+2) エアカッター:Lv4】
よし、MPがこの世界の一般市民に近づいてきた。
ただ、成長が鈍化しているな。
やっぱり最大MPに対して、消費MPの割合が減ってきているからだろう。
でかい魔法を撃ちまくれば、もっと上がりそうだが、病室でそんなことはできない。
そして、今日も朝からギルドへ向かう。
昨日と一緒で、捕獲されたホーンラビットと、既に討伐されている素材用のホーンラビットだ。
朝のギルドは結構混み合っている。
冒険者たちは、朝良い依頼がないか確認するためだ。
そして、ホーンラビットを引き取りに来る僕は、やや目立つ。
というのも、この都市で捕獲されたホーンラビットを引き取りに来るヤツはみんな子供だから。
単純に肉の加工と販売を目的としていれば、捕獲ではなく素材の方で依頼を出す。
そして、捕獲で依頼を出す場合は大抵ステータス強化のため。
ホーンラビットをステータス強化として使うのは、おおよそ10歳くらいの子供だから18歳の僕は珍しいのだろう。
冒険者、特に13〜15歳くらいの自分より年下の冒険者はクスクスとこちらを見て笑っている。
まぁ弱いから仕方ないよなぁ。
陰口だけで、変に絡んでこないからまだいいのか。
それに、ギルドのおじさんも、ホーンラビットの依頼は初心者用にありがたいって言ってたし。
そして、もう少し赤字を減らしたいところだ。
例えば、捕獲一匹で、解体加工が二匹とか。
力がもう少し上がればできそうな気がする。
「ということで、MP消費の前に、力を少し上げたいのですが……」
僕はカルディさんに相談する。
「なるほど、昨日は倒す時間自体はそれほどかかりませんでしたからね。
確かに力を上げれば、解体加工の数は増やせるでしょう。
簡単です。
【エアカッター】を撃つかわりに、同じタイミングで殴ればいいんです」
「そんなことでいいんですか?」
「はい、一応拳を痛めないように、革製の手甲を付けてください。
倉庫にあると思うんで、貸しますよ」
「ありがとうございます!」
カルディさんには頼りっぱなしだ。
カルディさんがいなかったらマジで詰んでいたと思う。
手甲を装備して、ホーンラビットと対峙する。
昨日と違って、足かせが一つだ。
どんなもんだろう?
「シギャァッ!!」
いつも思うんだが、魔物の闘争心はすごいな。
基本逃げないし、人間がそんなに憎いのだろうか。
一直線に僕に向かって突進してくる。
速い!!
昨日よりも、タイミングを早く避ける。
いや、これいけるな。
確かに速いけど、動き自体は変わらないんだ。
何回か避けてタイミングを見極めれば、多分行けるぞ!
「シギャァッ!!」
よし、思った通りだ。
突進の仕方は変わらない。
この訓練はステータス以外にも得るものがある。
効率がかなりいい。
僕はタイミングを合わせてパンチを撃つ。
ポスッ!
うぅ……
しょぼい……
これはノーダメージなのでは?
しばらく時間が経つと、避けるのは相当慣れた。
明日には足かせ無しでいける気がする。
ただし……
ポスッ!
パンチが弱すぎる。
ずっとノーダメージな気がする。
「そろそろ休憩にしませんか?」
カルディさんが様子を見に来てくれた。
「はい、そうします」
僕がそう言うと、カルディさんがホーンラビットを再び縛り付ける。
「……ふぅ」
僕は呼吸を整えながら、カルディさんに質問する。
「なんだか、ダメージが通っている気がしないんですよね」
「あぁ、そうかもしれませんねぇ。
メイスなどで叩けば、ダメージが入って、恐らくもっと簡単に力が上がると思いますが……」
「それだと、魔力を鍛える前に倒してしまいます?」
「そうなんですよ。
【回復魔法】を覚えるまでは、魔力重視のほうが良いと思います」
「僕もそう思います」
う〜ん……
大量に買ってくれば、両方上げられるけど、それだとお金がなぁ。
でも、お金を稼ぐのにもう少し力が欲しいし……
「私は【体術】はあまり詳しくないのですが、闘拳は回転が重要だと聞いたことがあります」
「回転、ですか……」
「魔物に対して、正面ではなく、横向きになり、回転を付けてパンチを撃つ、ということです。
こんな感じですかね?」
そういうとカルディさんは、右半身を前に出し、ぐるりと肩を回転させながら、ボクサーのストレートのようなパンチを撃つ。
ブワッ!
風圧が巻き起こる。
あまり詳しくないと前置きが有ったのに、すげぇ強そうだ。
あれをくらったらヤバいだろう。
……あれ?
カルディさん道具屋だよね?
「おぉ!!
ありがとうございます。
やってみます!」
「今日はとりあえず、【エアカッター】で倒してしまって、少し素振りの練習をしたほうが良いかもしれませんねぇ」
そして、残りの時間で【エアカッター】を撃ち、解体作業をした。
今日は仕留めるのに【エアカッター】が40発程度で済んだ。
威力も少しずつ上っているようだ。
残りMPを消費して、また【魔力操作】をしながら寝よう。
僕は残りMPを確認するためにステータスをみる。
狭間圏
【ーーーーー】
HP:24/27
MP:88/180
SP:2/2
力:8
耐久:5
俊敏:10(↑+1)
器用:6
魔力:11(↑+2)
神聖:3
【魔力操作:Lv6】【炎魔法:Lv1】【風魔法:Lv17 エアカッター:Lv5(↑+1)】【水魔法:Lv0(New)】
よしきた!!
【水魔法】習得だ!
【回復魔法】では無かったが、僕にとっては大きな収穫だ。
僕は、残りMPで早速【水魔法】を使ってみる。
こうかな?
右手をかざす。
右手のひらからポタポタと水が出る……
以上だ……
ん〜……
攻撃としてはもちろん使えないが、病室でも使うのも無理かなぁ。
それから僕は、MPを【水魔法】で消費して、パンチの素振り、【魔力操作】の訓練をして就寝した。
ちなみに【水魔法】のレベルは0のままだった。