36日目(日本)
目が覚めると、病室の天井。
頭はボーッとするが、やや慣れてきた気がする。
それとも、こっちの身体が回復しているのだろうか。
今日も日課である【風魔法】の訓練だ。
昨日の続き、身体の右手以外の場所から【風魔法】を出していく。
左手から出してみる。
出せてるのか?
……うん、多分出せてる。
なんというか、利き手じゃないほうで文字を書いているようだ。
違和感が凄いな。
足はどうだ?
これ、足から出てるんだろうか?
足元の布団がやや動く。
出てるねこれ。
例えば、【風魔法】を足から思いっきり撃ったら空を飛べるんだろうか?
いや、なんか厳しいなこれ。
多分無理だろう。
できたとしても、吹っ飛んで大怪我しそうだ。
よし、次は頭だ。
額から【風魔法】を撃ってみる。
前髪が微かに動く。
よしよし!
できている。
ただ、威力が弱い。
右手から出ているのが、扇風機の中位だとしたら、額から出ているのは、吐息くらいだ。
これはもしかして……
今度は額から【炎魔法】を出してみる。
額から出せば、布団が燃えることはない。
そうなれば、【炎魔法】のレベルも上げられるはずだ。
そう思って、自分の目の前に【炎魔法】を出してみる。
小さな小さな炎が目の前に現れる。
熱っ!!
ダメだ、近すぎる。
もう少し【魔力操作】のレベルを上げれば、離れた位置に出せそうだ。
そうすれば、【炎魔法】のレベルも上げることができるな。
それから今日は一日中、額からひたすら風を出した。
日本での話は短いので本日もう一話投稿予定です。
よろしくお願いします。