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136/312

96日目(異世界)


今日は予選の四回戦から七回戦まである。

昨日は人数が多かったため、3試合だけだった。

今日は昨日から大幅に人数が減ったため、4回も試合を行う予定だ。

そして、今日4回とも勝ち上がれば本戦にあがることができる。


本戦に上がれるのは8人のみで、そこで3回勝てば優勝のようだ。

全部で10回ほど試合をするってことは、約1000人くらい参加するってことだろう。


今日の僕の最初の相手は、やや短めの片手剣を装備している。

やばいなぁ。

あの装備ってことは、俊敏が高そうだ。


「はじめ!」

審判の合図と同時に【プロテクト】【バイタルエイド】をかけようとする。

が……


ガギンッ!


速い!


すぐに盾で受け止める。


駄目だ、【補助魔法】を使っている時間が無い。


【風刃】!

とほぼ同時に【フレアバースト】!


僕は【風刃】を自分の左右に発動させ、すぐさま正面の対戦相手に【フレアバースト】を使う!


「なっ!」


ブシュッ!


対戦相手は慌てて横に飛び退き、【風刃】をまともにくらい、一旦引いて距離を取る。


やっぱりだ。

【フレアバースト】ならよっぽどの相手ではない限り、一撃で仕留められる。

だが、【風刃】はそこまでの威力は無い。


僕はすぐさま【クイックヒール】をする。

相手は様子を窺っているな。

いきなり大技が来たから、様子を見ているんだろう。


正直助かる。

あのまま連撃されると、こっちがもたない。

【風刃】をくらったのは向こうだが、こっちは【フレアバースト】のダメージがある。

回復をしないと、こっちのほうがダメージが大きい。


ジリジリと距離を詰めようとしているので、今のうちに【バイタルエイド】と【プロテクト】をかけておく。


よしよし、こないならこっちから行くぞ!


「【エアブレード】!

【風刃】!

【エアブレード】!

【辻風】!

【エアブレード】!」


広範囲の【風魔法】で逃げ道を塞ぎつつ、【エアブレード】を当てていく。

闘技場という限られたスペースでは、かなり有効な攻撃だ。

大きな平野とかだったら、絶対僕のほうが不利だ。


「まいった……」

「勝者254番!」


やっぱり【フレアバースト】が当てられないと厳しい戦いになりそうだ。

さっきの試合は完全にルールに助けられたな。


僕は治療室に戻り、自分の治療と負傷者の治療をする。

昨日よりも大幅に人数が減っているので、今日一日MPはなんとかなりそうだ。











その後2回の試合に勝つことができた。

いずれも【フレアバースト】を直撃させることができたからだ。


そして、この試合に勝てば予選突破ということになる。

相手は大剣を持った戦士だ。

身体も武器もデカイな。


「はじめ!」


「ふん!」

相手は大剣を構え、突進してくる。


意外と速い!

【プロテクト】!


なんとか【プロテクト】だけは間に合った。


【風刃】!


キタ!

真正面から打ち合う気だ!


【フレアバースト】!


バゴォォォォオオオオン!


僕の拳と、大剣がぶつかり合う。

相手は大きくのけぞっている。


もう一発!

僕は左手に持った盾を捨てる。


今度は左手で!

【フレアバースト】!

バゴォォォォオオオオン!


僕は大きくのけぞった相手の腹に【フレアバースト】を撃ち込んだ。


「がはっ!」


場外まで吹っ飛ぶ。


「勝者254番!」


なんとか勝った。

今までの相手だと、一発で決まっていたんだがさすがに強くなってきたな。

予選突破だ。


けど、両腕が負傷している。

特に、大剣と打ち合った右手はおかしな方向に向いている。

これ治るよな……











治療が終わると闘技場へ来るように呼ばれる。

会場はものすごい熱気だ。


あれ?

今日の試合はもう終わりだよな。

明日から本戦じゃないのか?


ステージには、予選を勝ち抜いた人が並ぶ。


「これより、本選出場者の紹介をします」


スタイルの良い女性がキレイな声で話し出す。

マイクを使っているな。

中には魔石が入っているんだろうか。


「明日の朝にはオッズが出ますので、ご確認ください」


オッズ?

あれか。

本戦は賭けられるってことか。

それで、予選を勝ち抜いた人の紹介をするのね。


「では、254番、狭間圏(はざまけん)選手!

【風魔法】で相手を撹乱し、近づけば爆発する拳での攻撃!

盾と拳、魔法という異色の組み合わせ!

近距離、遠距離どちらもこなせるファイターだ!

なんと【回復魔法】まで使えるらしいぞ!」

「オォオオオオ!」


うわ……

すごい熱気だな。

とりあえず軽くお辞儀をしておく。


「対するは、あの【昇仙拳(しょうせんけん)】の使い手!

ロウリュウ選手!

凄まじいスピードで美しい連撃を繰り出しています!

ここまでなんと無傷だ!

だれも彼に攻撃を当てることができていない!」


うそだろ……

スピード重視とか一番苦手な相手だ。

そして【昇仙拳】ってなんだろう。



紹介されたロウリュウという人物は、まだ若い。

僕と同じくらいだろうか。

坊主頭に、濃い顔立ちでキリッとしている。

イケメンの部類に入るだろう。

だけど、坊主イケメンなので男からも悪い印象にならなそうだ。

クラールとは対照的だな。

中華っぽい黄色い道着を着ている。


「ウスッ!」


ビシッっとお辞儀をする。

なんか様になってるな。





!!!!!





ぇ?






僕は8人の中に知った顔があることに気がついた。






あれは……





カミキさん?





……似ているだけか?





だめだ、司会の人が他の選手の解説をしているが全く頭に入ってこない。


「最後に、フヨウ選手!

2属性の双剣使い!

【炎属性】とレア属性の【雷属性】の使い手だ!

今大会一の圧倒的火力で対戦相手を沈めている!

なんと!

彼女も無傷で本戦出場だ!」


そうか!

彼女も僕と同じく、転移してきたんだ!











紹介が終わると、僕たちは解放された。

僕は急いでカミキさんに近づく。


「カミキさん!

無事だったんだね!」

「……ん?」


「僕だよ!

同じ学校の狭間だよ!」

「学校?

すまない、人違いではないのか?

私はフヨウ。

カミキなどという名前ではない」


「ぇ?」


そう言うと、彼女は颯爽と去ってしまった。


狭間圏はざまけん

【斥候:Lv48】

HP:302/302(↑+4)

MP:7/642

SP:5/157(↑+2)【斥候】:+116

力:27(↑+1)

耐久:80(↑+2)

俊敏:43(↑+1)【斥候】:+50

技:19(↑+1)【斥候】:+50

器用:24

魔力:69(↑+1)

神聖:114【斥候】:-1

魔力操作:86

【風魔法:Lv75(↑+1) エアブレード:Lv58(↑+1) 辻風:Lv5(↑+1) 風刃:Lv26(↑+1)】

【回復魔法:Lv63(↑+1) エリアヒール:Lv14(↑+1) オートヒール:Lv33(↑+1) クイックヒール:Lv9(↑+2)】

【体術:Lv3(↑+1) 閃光突き:Lv0(New)】

【盾:Lv21(↑+1)】

【炎耐性:Lv32(↑+1)】

【フレアバースト:Lv9(↑+1)】

【etc.(40)】

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 確かフレアバースト一発でオートヒールが発動するんじゃなかったっけ? オートヒールがHP1/3以下で発動、半分まで回復したら止まるって話しだったから回復しないまま二連打したら即死では?
[一言] 同位体ってやつかな。平行世界を扱う作品でたまに出てくる 主人公も異世界を行き来しているというより同位体と同期してしまったというのが正しいのかも
[良い点] 似ているだけで別人か 騎士団長と同じパターンかな しかし初めてメイン候補の少女キャラ出てきたな
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