92日目(異世界)後編
クラールの【アイスレイン】によって炎狐が全て殲滅される。
凄まじい技だ。
「【ハイヒール】!【ハイヒール】!【ハイヒール】!」
僕はすかさず回復をする。
雑魚がいなくなったことで、一気に回復が進む。
「っしゃ!
一気にいくぜ!」
雑魚がいなくなり、ショーンが水属性の槍技を連続で繰り出す。
「【流突き】【濁流槍】!」
三尾の動きは速い。
【清流槍】のような大技はおそらく当たらないんだろう。
しかし、【流突き】のような単発や、【濁流槍】のような連撃は確実に三尾の体力を削っていく。
ダッ!
三尾が再び距離を取る。
「コォォォオオオン!」
三尾の周りにまた8つほど炎の塊が渦をまく。
炎狐が再び8匹表れる。
「無駄だよ。
【アイスレイン】!」
ヒューン!
タタタタッ!
ピキピキッ!
すぐに全ての炎狐が殲滅される。
すげぇ!
もはや炎狐は敵ではない。
「おらおらおらぁ!」
ショーンの連撃が炸裂する。
三尾はショーンの攻撃を避けながら、爪で攻撃を繰り出す。
一対一の戦いはほぼ互角だが、こちらはひたすら回復ができる。
さらに、クラールが【アイスアロー】を後方から放つ。
それでも僕が一瞬でも気を抜けば、回復速度が遅れて危険な状態になる。
先程よりはマシだが、緊迫した時間が流れ続ける。
「コォォォオオオン!」
またか!!
クラールのSPは大丈夫か!?
三尾の周りに再び炎の渦が発生する。
!?
「おい!
さっきと様子が違うぞ!
気をつけろ!」
発生した炎の渦は、全て三尾に集まりだす。
「なんだ!?」
炎は三尾に吸収され、三尾は一回り大きく、真っ赤に染まる。
ザッ!
!?
動きがさっきよりも速い!
「なっ!」
ドガッ!
ショーンが吹っ飛び、受け身をとる。
まずいな。
とにかく回復だ。
【ハイヒール】!
僕は【ハイヒール】を連発する。
どうやら三尾は先程よりスピードも攻撃力も上がっているようだ。
僕の回復速度よりも、ショーンのダメージのほうが大きい。
クラールが【転移】の魔石を握りしめる。
「待てクラール!
俺もなんか掴めそうだ!」
ショーンが叫ぶ。
ズシャッ!
ショーンは三尾の連撃に対して、なんとか槍で凌いでいる。
かなり厳しい状況だ。
「【ハイヒール】!【ハイヒール】!【ハイヒール】!」
再び僕を頭痛が襲う。
クソッ!
またキャパオーバーだ。
ダッ!
三尾が後退し、再び距離を取る。
マジかよ!
まだ何かやるのか!?
「コォォォオオオン!」
炎の渦がいくつも発生し、三尾に集まる。
「勘弁してくれ!
回復が追いつかない!」
「ショーン!
まだか!?」
「クソッ!
もう少し耐えてくれ!」
「【ハイヒール】!【ハイヒール】!【ハイヒール】!」
ダメだ!
回復が間に合わない。
もっと!
もっと早く!
頭が割れるように痛い。
クソッ!
ボタボタと鼻血が落ちる。
シュッー!
全ての炎が三尾に集まる。
…………………………
一瞬、無音になる。
バゴォォォォオオオオオン!
三尾を中心に炎が広がる。
爆風とともに全身が焼かれる。
「ぐあぁぁぁ!」
やばい!
死ぬ!
僕は自分に【ハイヒール】を連発する。
すでに【オートヒール】の魔石は空だが、僕自身の【オートヒール】が発動している。
「おいケン!
生きてるか!?」
槍を構えたショーンが叫ぶ。
全身血だらけだ。
「使うよ!」
クラールも全身に傷を負っている。
もう限界だと判断したんだろう。
手には【転移】の魔石を握りしめている。
「待って!
いける!」
そう叫んだのは僕だ。
さっきまでの頭痛がウソみたいに無い。
「【クイックヒール】!」
僕はそう叫ぶと、自分に【クイックヒール】を連発する。
一回叫ぶ間に【クイックヒール】は5、6回発動しただろうか。
僕の身体が高速で発光し、あっという間に傷が治る。
新スキルの習得だ。
クラール、ショーンにも【クイックヒール】を使い、傷を治していく。
「ケン!
でかした!」
クラールは魔石の使用をキャンセルし、再び攻撃態勢をとる。
ダッ!
同時に三尾も再び距離を取る。
「また来るぞ!」
「ケン!
クラール!
俺の後ろへ来い!」
バッ!
僕はショーンの元へ走る。
「お前らだけが成長すると思うなよ!」
ショーンは自信に満ちた表情をする。
「コォォォオオオン!」
再びいくつもの炎の渦が三尾へ集まる。
「爆発が来るぞ!」
「いや、こねぇよ!」
ショーンがそう言うと、槍を突き立てて両手を添える。
バゴォォォォオオオオオン!
バシャーッ!
爆発の炎が迫る瞬間に、水が地面から吹き上がる。
!?
痛くない!?
なんてこった。
あの爆発を防いだのか?
「【流槍・守備の型】!
ハッ!
今ので勝ち確定だ!
いくぜ!」
ショーンはそう言うと、猛烈な勢いで三尾に突進していく。
三尾の全ての斬撃に対して、水属性のカウンターが入る。
さっきまでの苦戦がウソのようだ。
「そこだ!
【清流槍】!」
ブシャッ!
「コォォォオオオン!」
ドサッ!
三尾が倒れ込む。
倒した……のか?
僕はヨロヨロになりながらもショーンに近づく。
「待って!
【解体】!」
クラールが三尾に【解体】を使うと、三尾が肉と毛皮になる。
勝った……
勝ったんだ……
「……よし、完全に仕留めたみたいだね」
「ふぅー……死ぬかと思ったよ」
「あぁ、何回か死にかけたな」
僕たちは全員その場にへたりこんだ。
狭間圏
【上級聖職者:Lv38】(↑+6)
HP:240/282(↑+3)
MP:58/607【上級聖職者】:+126
SP:102/136(↑+1)
力:25
耐久:73(↑+3)
俊敏:37
技:16
器用:21
魔力:64(↑+6)【上級聖職者】:+68
神聖:109(↑+5)【上級聖職者】:+126
魔力操作:77
【回復魔法:Lv59(↑+2) ハイヒール:Lv25(↑+3) オートヒール:Lv27(↑+2) クイックヒール:Lv4(↑+4 New) リヒール:Lv0(New)】
【補助魔法:Lv52(↑+1)】
【マルチタスク:Lv49(↑+2)】
【炎耐性:Lv30(↑+4)】
【痛覚耐性:Lv4(↑+1)】
【ポーション生成:Lv14(↑+1)】
【etc.(40)】
3章終わりです。
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