84日目(異世界)
今日も朝から魔石の生成をし、カルディさんにポーション、毒薬、毒無しの毒の実を渡す。
これで1万セペタ稼げてしまうわけだから、やろうと思えばニートができる。
僕はステータスを上げたいので、そんなことはしないが。
そして、午前中はショーン、クラールと第三戦線に行きジョブレベルを上げる。
今は【盾戦士】が29だ。
昨日0から29まで一気に上がった。
今日は自分自身の【盾戦士】もそうだが、クラールの【盾戦士】を上げていく。
全員のジョブが【盾戦士】だ。
「今日の予定は午前中は狩り、午後は【炎耐性】上げだ。
全員【盾戦士】でジョブの補正が少ないけど、僕が弓を使うからなんとかなると思う。
とりあえず様子見で、浅いところから狩りをしていこう」
「オーケー」
「了解」
僕は2人に【プロテクト】と【バイタルエイド】をかけておく。
「じゃ、いくよ。
ショーン、頼んだ」
「おぅ!」
ショーンが踏み込み、レッドクロコダイルに突きを放つ。
そしてクラールは淡く光る矢を放つ。
特殊な矢かな?
「ギュエェェッ!」
レッドクロコダイルに刺さった矢は消滅し、そのまわりが凍っていく。
「おぉ、あれが氷属性の矢?」
「まぁね、僕の本来のジョブは【魔弓士】。
遠距離から高威力の属性矢を使うことができる。
矢を使わないから、補給の必要が無いんだ。
ただ、MPやSPをかなり消費するけどね。
正直燃費は良くない」
「てか、凄い威力だけど今【盾戦士】なんだよね?」
「そうだよ。
【魔弓士】にすれば、もっと威力が上がるしMPもSPも上がるからたくさん撃てるんだ」
すげぇな。
これより威力が上がるわけか。
動きの鈍ったレッドクロコダイルをショーンが仕留めていく。
「二段突き!」
「よし、【解体】。
一通り片付けたね。
これならもっと奥に行けそうだ。
炎狐が出る直前まで進もう」
「だな」
「了解」
◇
時刻はお昼ちょっと前だ。
最初にクラールのSPが切れ、そこからショーンがSP消費の高い技に切り替える。
すると、まだお昼前だが二人ともSPが切れたようだ。
「ちょっと早いけど切り上げよう。
今日は狩りがメインじゃないからね」
ちなみに僕のMPはまだまだある。
◇
教会の中庭に来ている。
「おい、さっさと始めようぜ」
「そうだね、僕も早く【炎耐性】を上げたいよ」
「あぁ、ちょっと待って……
ごめんね、僕は訓練をしなくちゃいけなんだ」
クラールがシスターたちに囲まれている。
彼が教会にいると、すぐに女性たちが集まってくる。
軽く昼食を食べていたのがよくなかったのかもしれない。
「おいケン、先にやっちまおう。
昨日のやつをくれ」
そう言うと、ショーンが盾を構える。
「じゃ、いくよ!
【フレアバースト】!」
バゴォォォォン!
ショーンが盾ごと燃え上がり、2メートル位吹っ飛ぶ。
「「きゃぁ!」」
シスターたちが悲鳴を上げる。
……やりづらいな。
そして昨日と同じようにショーンよりも僕のほうが重症だった。
「……………………」
シスターたちがこちらを見て引いている。
うん、場所を変えたい。
「じゃぁ僕も行ってくるよ」
クラールが苦笑いをしながらこちらへ向かってくる。
「なんか、すげぇ引いてるね」
「あはは、まぁそうなるよね。
教会なんて重傷者がたくさんくるところなのにね」
「ったくやりづらくてしょうがねぇよ」
「どこか他にいい場所無い?」
「まぁ街の外までいけばいいんじゃねぇか?」
「ちょっと時間はロスするよね。
往復で1時間ちょっとかかるし。
騎士団のほうの訓練所でも借りる?」
「そんなことできるの?」
「まぁね、有料だけど」
「てか、お前腕痛くねぇの?」
「あぁ、痛いよ。
でも【オートヒール】だけで頑張るよ」
「そのまましゃべってるからアイツらが引いてるんだろ……」
「あはは……」
◇
街の騎士訓練所に来た。
といっても、領都の騎士訓練所に比べて小さい。
騎士の宿舎も兼ねており、治安維持の施設だ。
警察署のようなものだろう。
「すみません、訓練所お借りします」
「おぉ、クラールくんか。
久しぶりだな。
いいぞ使ってくれ」
クラールは騎士の人と知り合いのようだった。
「僕は小さい頃こっちでも訓練したんだ。
ほら、弓の訓練所もあるんだ。
弓矢も借りられるよ」
「おぉ、凄いな」
なるほど、狩りに出られるようになるまでここで鍛えるわけだな。
弓道場みたいな場所もあり、的が用意されている。
ギルドに依頼して魔物を捕まえてもらえば、ここで弓を使い、技のステータスを上げることができるらしい。
「じゃあ今日は僕に【ファイアボール】を頼むよ」
「了解」
僕は【ファイアボール】をクラールに撃ち込む。
クラールの場合、後衛だしさすがに【フレアバースト】は危ない。
それに僕のSPが少ないので、数発しか使うことができない。
その数発は全てショーンに使うわけだ。
「っ!」
クラールは盾を構え、【ファイアボール】を受け続ける。
ある程度HPが減ってきたら、【エリアヒール】で三人まとめて回復をする。
それから昨日と同じように僕のMPが尽きるまで修行を続ける。
◇
回復と攻撃魔法をひっきりなしに続けるため、さすがに夕方にはMPが切れる。
「MPが切れたよ」
「今日は日が暮れる前に終わったね。
ちょっと睡眠不足だから丁度いいかも」
「あぁ確かに眠い……」
そういえば、毎日のようにMPが切れるまで狩りや修行をし、やや睡眠不足だ。
今日は晩御飯を食べて寝たほうがいいかもしれない。
「教会でご飯を食べて明日また訓練をしよう」
「しかし、教会に行くと、お前とまともに話できねぇよな」
「確かに、いつもシスター達に囲まれてるもんね」
「よくそんなに話が続くよな」
「そうだね、女性の話は特に勉強になるよ」
「ぇ? そうなの?」
「そうそう、特に美容に関してはどの女性もかなり知識を持っている。
それなりにお金があるシスターなら尚更だ」
「なんだそりゃ……
どうでもいい知識だな」
「いつも美容とかの話をしてるんだ」
「ぁ、そうそう。
二人とも結構人気みたいだよ?」
「は?」
「ショーンはクールで素敵だって何人か話してたよ。
だけどちょっと声はかけづらいってさ。
今度声をかけてあげなよ」
「嫌だよ面倒くせぇ」
まぁやっぱショーンも人気なんだろうな。
「それからケンもミステリアスで素敵だってさ。
可愛いのにどこか影があるって」
「ぇ、可愛い?
……よくわからないな。
僕もあんまり女の人得意じゃないし」
「やめとけやめとけ、買い物に何時間もかける生き物なんざケンとはわかり合えねぇよ」
確かに……
「そうだね、【フレアバースト】でかなり引いてたからね」
「あはは……」
クラールは苦笑いだ。
女性の冒険者なら少しはわかり合えるだろうか……
狭間圏
【盾戦士:Lv41(↑+12)】
HP:366/254(↑+3)【盾戦士:+112】
MP:11/555【盾戦士:−10】
SP:2/109(↑+2)
力:23(↑+1)
耐久:61(↑+1)【盾戦士:+56】
俊敏:37【盾戦士:−15】
技:15(↑+1)
器用:11(↑+1)【盾戦士:−20】
魔力:49(↑+1)【盾戦士:−5】
神聖:92(↑+1)【盾戦士:−5】
魔力操作:58【盾戦士:−15】
【炎魔法:Lv36(↑+1) ファイアボール:Lv7(↑+3)】
【回復魔法:Lv50 アンチポイズン:Lv15(↑+1) エリアヒール:Lv8(↑+1)オートヒール:Lv16(↑+1)】
【補助魔法:Lv44(↑+1) プロテクト:Lv63 バイタルエイド:Lv63】
【盾:Lv14(↑+1) ガード:Lv10(↑+1)】
【ストレージ:Lv24(↑+1)】
【フレアバースト:Lv3(↑+1)】
【炎耐性:Lv17(↑+4)】
【毒薬生成:Lv8(↑+1) ポーション生成:Lv7(↑+1)】
【etc.(24)】
 




