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83日目(異世界)


久しぶりに教会で朝食をとる。

相変わらず美味い。

スープの中には肉がゴロゴロと入っている。

レッドクロコダイルの肉だろうか。

あっさりと上品な脂の肉だからか、朝からどんどん食べられてしまう。


「よぉケン」

「おはようショーン」


ショーンも起きて朝食のようだ。

ちなみにクラールはシスターたちに囲まれている。


「あらクラール様がお帰りになられたのですね」

「まぁ、私もご挨拶にいかなければ」


こっちにいるシスター達もクラールの話ばかりだ。

まぁそうなるよね。


「クラールの女性人気は凄いね……」

「ん?

まぁどこに行っても、いつもあんな感じだぞ」


「でしょうね」


ショーンも人気がありそうだけど、クラールは女性の扱いにもなれてそうだしな。








朝食後、僕とショーン、クラールは応接室に来ている。


「狭間さんの神聖の成長が素晴らしい。

これならば、良質の魔石が生成できます」

「はい、よろしくお願いします」


イヴォンさんは満足そうだ。


「それで父上、ほぼ父上の思惑通りに強化されたと思うのですが……」

「えぇ、教会としては狭間さんの神聖が強化できたことは大きいですからね。

ある程度目的は達成できましたよ。

ただし……」


「ただし?」

「あなた方は炎狐(えんこ)と戦ったのでしょう?

力不足を感じませんでしたか?」


「「「……………………」」」


僕たちは黙り込んでしまう。

確かに炎狐と戦ったときには逃げ帰ってきた。

炎狐自体は耐久力が低いが、あの【炎魔法】を連発されるとどうにもならない。


「そうですねぇ……

【炎耐性】を20にしてくだい。

それからこれをクラールに返します」


そういうと、イヴォンさんは【ストレージ】から大きな弓を取り出す。


「わかりました。

弓はもう使ってもいいんですか?」

「えぇ、炎狐と弓は相性が良いでしょう。

ただし、先に進む場合は必ず【炎耐性】を20以上にしてください。

このまま進めば、ほぼ確実に死にます」

「マジかよ!」


「ショーン、あなたは自信があるようですが、いくら槍で強くても耐性が無いとあっさり死んでしまうものです。

【炎耐性】が20、それから【挑発耐性】が10は必要になりますね」


【挑発耐性】ってのもあるのか。


「ちなみに【炎耐性】を取得する場合、狩りにこだわらないほうがいいですよ。

わかっていますね、クラール?」

「はい、大丈夫です」


どういうことだろうか。

ショーンもよくわかっていないようだ。


「では、【炎耐性】が20になったら来ると良いでしょう。

それから狭間さん」

「はい」


「この3日間でできるだけ魔石を仕入れておきました。

できれば毎朝【エリアヒール】の生成を手伝ってください。

以前は6000セペタでしたが、今の神聖でしたら8000セペタお支払いします」

「おぉ!

ありがとうございます!」


よし!

金欠はすぐに解決できそうだ。







魔石販売所の奥、魔石の生成所までやってきた。

また凄く高そうなローブと両手杖を装備している。


「やぁ狭間さん」

「こんにちはカルディさん」


魔石の生成所で、カルディさんと【エリアヒール】の魔石を生成する。


「ほほぉ、やはり以前よりも良いものができています」


イヴォンさんは満足そうだ。


「すみません、知らない魔法について聞きたいのですが」

「なんでしょう?」


「【補助魔法】も【エリアヒール】のように範囲魔法が存在するんでしょうか?」

「あぁ【パーティープロテクト】などの魔法ですね。

ありますよ。

使い手はほとんどいませんが……」


やっぱりあったか。

それにしても【エリアプロテクト】ではなく【パーティプロテクト】なんだな。


「おぉ!

それは範囲ではなく、任意の対象に使えるんですか?」

「そうみたいですよ。

狭間さん、習得したら是非魔石を作ってくださいね」


イヴォンさんはニコニコしている。


「はい!

頑張ります!」


それからカルディさんが薬草、毒草、毒の実を仕入れていたようで、ついでに教会へ持ってきてくれていた。

僕はその場で【ポーション生成】と【毒薬生成】、それから毒の実の毒抜きをやり、残った素材は部屋へ持ち帰った。

SPが回復したタイミング、夜寝る前にでもやっておこう。







その後教会でショーン、クラールと合流する。


「それで【炎耐性】の習得はどうするの?

イヴォンさんは、狩りにこだわらないほうが良いって言ってたけど」

「あぁ、それなんだけど、別に魔物から習得する必要は無いってこと。

つまり、味方同士で属性攻撃をしても【炎耐性】があがるってことだよ」


「なるほど、僕がショーンから【水耐性】を習得したときと一緒だね」

「それで、これを使おうと思ってね」


クラールは50cmくらいの小盾を持っている。


「盾?」

「うん、ケンが魔石の生成をしている間に買ってきたよ。

ちなみにケンは【炎耐性】が10だったよね?」

「うん」


「僕とショーンは【炎耐性】が無い。

これからつけていこうと思うんだ。

ただ、その場合ジョブを【盾戦士】にしたほうが効率が良いんだ」

「ぉぉ!

そうなのか!」


なるほど、ジョブによっても習得やスキルの上昇が変わるんだったな。


「それでケンは【盾戦士】のジョブはある?」

「あるよ。

まだレベルは0だけどね。

ショーンに吹っ飛ばされて習得したんだ」


ショーンは鼻で笑っている。


「僕はまだ【盾戦士】が無くてね。

効率を考えるとまずは【盾戦士】のジョブを習得したい。

ちなみにショーンは【盾戦士】もあるんでしょ?」

「まぁな。

今32レベルだ。

盾使うのだって結構久しぶりだぞ」


「よし、じゃぁ悪いけど僕だけ【盾戦士】が無いから、付き合ってよ」

「わかった」

「おぅ」









それから第三戦線で夕方まで狩りを続ける。

僕のジョブは【盾戦士】だ。

もともとレベルが0だったこともあり、すごい勢いで上がっていく。


……が


「ダメだ。

全然出てこないね」

「お前攻撃避けすぎなんだよ。

盾で受け止めないと【盾戦士】は出てこないぞ」


ショーンがクラールに言う。

確かに盾は装備してるだけであんまり使ってないな。


「そっか。

でも反射的に避けちゃうんだよね」

「おし!

一回帰るぞ!

教会で俺がいいのを打ち込んでやるよ!」

「ぁ!

それ僕にも頼むよ!」


「おい!

ケンは【盾戦士】あるだろうが」

「いやせっかくだから【水耐性】もうちょっと上げたいし」


「やれやれ……」









僕たちはまた教会へ帰ってきた。

もうじき日が暮れる。


「よし、じゃあいくぜ。

しっかり構えろよ!」

「オーケー。

いつでもいいよ」


ダッ!

ショーンが踏み込み、強烈な突きを繰り出す。


ガギンッ!


クラールが盾で受け止め、やや後ろへ下がる。


「ぁ、【盾戦士】でたよ」

「おぉ!

おめでとう!」

「一発かよ。

最初っから盾使えよな」


「よしよし!

じゃあショーン!

僕に【流突き(るづき)】頼むよ」

「また始まったよ」

「いや、ケンには僕がやるよ」


クラールが弓を取り出す。


「父上は【炎耐性】を20まで上げろと言っていたし、【水耐性】も欲しいけど今は【炎耐性】を優先したほうがいい」

「おぉ!

クラールは炎属性の攻撃が使えるの?」


「まぁね。

炎、氷、風、光が使えるよ。

ちなみに1番得意なのは光だね」

「おぉ!

すげぇ!

じゃ、早速頼むよ!」

「おいクラール、そいつしつけぇぞ……」


ショーンが苦笑いでクラールに言う。


僕は【ガード】を使っておく。


「じゃ、いくよ。

【フレイムアロー】!」


パシュッ!


ズドォォォ!


放たれた矢に後ろから炎が螺旋状に付いていく。


ガツンッ!

盾に矢が刺さる。


ズザァッ!


矢の威力が強く、僕は後ろへ押される。

吹っ飛ばないようにギリギリ耐えるので精一杯だ。


ボワッ!


さらに、盾ごと燃え上がる。


「あちち!」


矢の威力自体もそうだが、炎の威力もすごい。


「おいケン、回復しろよ!」

「いや、【オートヒール】も鍛えたいんだよね」


僕はHPが半分以上減っているが、あえて【ハイヒール】を使わない。

すると【オートヒール】が発動する。


いってぇ〜……

我慢……我慢だ……


「こいつマジかよ」

「ははは、凄いね……

これならケンはすぐに【炎耐性】20いくと思うよ」


「つぎは俺だな。

ケン、あの自爆技使ってこいよ!」

「えぇ!

【フレアバースト】はやばいんじゃないの?」


「いいから撃ってこいよ。

お前、さんざん俺に撃たせただろうが」

「確かに……」


「いくよ!

【フレアバースト】!」


バゴォォォンッ!


「うぉ!」


さすがのショーンも吹っ飛ぶ。


「後衛でこの威力は反則だろ」

「いてて……」


僕のほうが重症だったりする。


「ちょっと待ってね。

【オートヒール】が止まったら、【エリアヒール】で全員回復しよう」


この際だから、【オートヒール】と【エリアヒール】を鍛えておく。

HPが三分の一くらいになると【オートヒール】が発動する。

そして、HPが半分より多くなると勝手に止まってしまう。

【オートヒール】が止まった時点で、三人集まり【エリアヒール】をする。


「おいケン!

すげぇな【フレアバースト】。

一発で【炎耐性】がついたぜ!」

「おぉ、おめでとう!」

「参ったな、これで僕だけ【炎耐性】無しか」


「じゃあクラール!

【フレイムアロー】頼むよ」

「よしわかった!

さっさとケンの【炎耐性】を20にしちゃおう」







「もう一回!

もう一回お願いします!」

「いや、僕のSPもう無いよ」

「言ったろ?

コイツしつけぇんだよ……」


「ショーンはまだSPある?」

「あるけどどうする?

晩飯だけ食おうぜ」


「そうだね。

晩御飯の後また頼むよ」

「お前それより、クラールに弱めの【炎魔法】撃ってやれよ。

クラールだけ【炎耐性】無いんだぞ」


「了解!

じゃあ食べた後【ファイアボール】を使ってくよ」

「昨日まではケンのMPの多さにやられたけど、耐性を付けるにはうってつけだね。

頼りになるよ」


その後僕のMPを使い切るまで【炎耐性】の修行が続いた。


狭間圏はざまけん

【盾戦士:Lv29(↑+29)】

HP:349/251(↑+3)【盾戦士:+88】

MP:2/548【盾戦士:−10】

SP:2/107(↑+2)

力:22(↑+1)

耐久:60(↑+1)【盾戦士:+44】

俊敏:37【盾戦士:−15】

技:14

器用:10(↑+1)【盾戦士:−20】

魔力:48(↑+2)【盾戦士:−5】

神聖:91(↑+1)【盾戦士:−5】

魔力操作:56【盾戦士:−15】

【炎魔法:Lv35 ファイアボール:Lv4(↑+2)】

【回復魔法:Lv50(↑+1) ハイヒール:Lv12(↑+1) アンチポイズン:Lv14(↑+1) エリアヒール:Lv7(↑+1)オートヒール:Lv15(↑+1)】

【盾:Lv13(↑+1) ガード:Lv9(↑+1)】

【炎耐性:Lv13(↑+3)】

【フレアバースト:Lv2(↑+1)】

【毒薬生成:Lv7(↑+1) ポーション生成:Lv6(↑+1)】

【etc.(29)】

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― 新着の感想 ―
良かった、食べながら炎魔法で焼くよとか言わなくて
[一言] 盾戦士のスキルとかは覚えないんですか? パリィとかシールドバッシュとか? スキル習得はジョブレベルじゃなくほかのスキルレベルや経験なのかな?
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