表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

101/312

80日目(異世界)後編


第三戦線の狩場へ来た。


「いるな……」

奥にはレッドクロコダイル2匹がいる。

燃えるような赤い色をしたワニだ。


ギルドで調べた情報によると、火属性の魔物でショーンの水属性は弱点になる。

ここのモンスターは火属性がほとんどだからショーンの水属性は相性がいい。


僕は全員に【プロテクト】と【バイタルエイド】をかける。


「いくぞ!」


ダッ!

ショーンが踏み込み突進と同時に槍を突き出す。

「おらららら!」


【濁流槍】だ。

高速の突きと同時に水が吹き出る。


「ハッ!」

クラールも前に出る。

ショーンが攻撃しているレッドクロコダイルに華麗に突きをする。

まずは集中して1匹を倒す作戦だ。


速いな……

ショーンほどではないが、動きが速い。


「ガァァァ!」


「くるぞ!」

レッドクロコダイルが、口から炎を吹き出す。

予備動作が大きいので、二人とも後ろへ飛び回避する。


「危ない!」


ドガッ!

もう一匹がクラールに突進する。


クラールは吹っ飛ぶが、華麗に受け身を取る。

いちいち動きが華麗なんだが……


よし、【ヒール】だ。

クラールの動きはかなり速いが、目で追えないほどではない。

【マルチタスク】でクラールが動きそうなところに【ヒール】を使っておく。


「【清流槍】!」

ショーンがレッドクロコダイルを突き抜け、淡い光と残像がその後を追う。

ダブルヘッドを仕留めた技だ。


ブシュッ!

ドサッ!


1匹仕留めたようだ。


「【トリプルスラスト】!」

おぉ!

今度はクラールの細剣技だ。

目にも留まらぬ三連突き。


本当にメインの武器は弓なんだろうか。

細剣でもかなり強いだろう。


「ギュエエェェ!」


「いくぜ!

【清流槍】!」

レッドクロコダイルが怯んだ隙にショーンが追い打ちをかける。


ドサッ!


2匹仕留めるのにそれほど時間はかからなかった。


「よし、あとは任せて。

【解体】!」


ぇ?

クラールが手をかざすと、レッドクロコダイルが一瞬で肉と皮になる。

何だ今のは。

スキルか?


「おぉ!

すごいね!

そんなスキルがあるのか……」

「【狩人】のジョブを上げきったときに習得したんだ。

ケンはSPを使わないだろうから、素材はケンの【ストレージ】に入れておいてくれ」


「了解!」

「しかし、ケン。

僕の動きはそれほど速くないけど、【ヒール】が的確に入るね。

助かるよ」


「僕はこれくらいしかできないからね。

もう少し慣れれば、ショーンの動きにも合わせられるかも」

「おぅ、期待してるわ」


「しかし、レッドクロコダイルってのは弱くはねぇが強くもねぇな。

奥に行けば、もっと数が増えるのか?」

「……いや、僕は嫌な予感しかしないよ。

父上はどれだけ倒せとか、何処まで行けとは言ってない。

ケンのMPを0にしろ。

それだけだ。

ケン、MPの減りはどう?」

「いや……全然減ってないよ。

だって二人ともほとんど攻撃くらってないじゃん」


「だろうね……

それに対して僕らのSPは減ってる。

特にショーン、君は大技を2回も使ったよね」

「あぁ、それなりの敵だったからな。

今はまだSPがあるが……」


「このままだとSPが切れる……だろ?」

「そりゃな」


「僕は細剣技は【トリプルスラスト】しか使えない。

……父上の狙いが分かったよ」

「イヴォンさんの狙い?」


「第一の目的はケンのジョブレベル。

それから僕とショーンのSP上げ。

そして僕の耐久、HP上げ。

さらには、僕とショーンに持久力をつける、おそらくはSP消費の少ない技を習得させるのが目的だろう」

「なんだよそれ、多すぎねぇか?」


「父上は、お金以上に効率が好きだからね。

そうと分かれば、小技を使うしか無い。

いずれにしろ僕は【トリプルスラスト】しか使えないけど、ショーンはSPの消費が少ない技に切り替えてくれ」

「了解」


「!!

ちょっと待って!

今のだけでジョブが3も上がってるよ!」

僕は驚いて声を出す。

聖職者が20から23になっていたのだ。


「レッドクロコダイルはダブルヘッドくらい強いからな。

何匹か狩れば、俺も少しは上がるかもしれねぇ」

「僕の【フェンサー】も結構上がってるよ。

よし、どんどん狩ろう!」








SP消費を抑えた狩りに切り替える。


「ぐっ!」

「チッ!」


ショーンもクラールもダメージを受けながら戦闘をする。

明らかに殲滅力が下がり、レッドクロコダイルが常に2匹いる状態がしばらく続く。


倒す速度と新しく湧く速度がほとんど同じなんだ。

だから、休む暇がない。


「【ヒール】!

【プロテクト】!

【バイタルエイド】!」


回復の他に、補助を常に切らさないようにかけておく。

「ショーン!

一旦殲滅だ」

「おぅよ!」


「そらそらそら!」

ショーンが【濁流槍】で殲滅をする。


殲滅後、クラールが【解体】でレッドクロコダイルの素材を集める。

ちなみに僕の【ストレージ】はもう一杯だ。


「一旦ギルドへ行こう」

「だな、SPもほとんど切れたぜ」


僕たちはギルドへ行き、レッドクロコダイルの素材を預ける。

今日の狩りはまだ続くので、素材の値段を査定してもらっておく。


「おいケン。

お前MPはどれくらい残ってるんだ?」

「7割くらいは残ってるかな」


「なっ!」

「はぁ!?」


「おい、こっから地獄だぞ……」

「そういうことだね……」









もうじき日が暮れる。

だけどまだ僕のMPは4割位残っている。


「………………」

「はぁ……はぁ……」


前衛2人に疲労が見られる。

そりゃそうだ。

ずっと動きっぱなしだ。


「おいケン!

そっちに一匹行ったぞ!」

「!!

【ガード】!」


ドガッ!

うぉ!


ゴロゴロ!

ズザァ!


僕は吹っ飛び転がる。

【ガード】の上からでもダメージを受けるので、すかさず【ヒール】をする。


まずい!

また突進が来る!


いや!

反撃だ!

右手に装備したステッキをしまう。

腰を落とし、レッドクロコダイルの突進に合わせて拳を突き出す。


「【フレアバースト】!」


バゴォォォオオオオン!


「ギュエェェェ!」


レッドクロコダイルが吹っ飛び、悲鳴を上げる。


「なっ!」

ショーンとクラールは驚いているが、クラールはすぐに平静になる。


「ショーン!

一旦殲滅だ!」

「ぁ、あぁ!」


いってぇ〜……

前回のように大木に撃ったわけではないが、それでも右手は折れており、黒ずんでいる。

【オートヒール】が発動しているな。


レッドクロコダイルは火属性の魔物だが、【フレアバースト】はそれでも威力があるのだろう。

一発で仕留めることができた。

イヴォンさんは攻撃魔法は使うなって言ってたけど、スキルは何も言ってないしアリだよな。


とにかく【ヒール】だ。

僕は殲滅が終わるまでずっと【ヒール】をしていた。


魔物を殲滅して、一旦引く。


「おいケン!

今のはなんだ?」

「【フレアバースト】っていう攻撃スキルだよ。

威力は凄いんだけど、使うと自滅しちゃうんだよね」

「……もしかして、死にかけたときに習得した、とか?」


「うん、まぁ……」

「父上が言ってたのはこういうことか……

ショーン、僕らにはやっぱり経験が足りないってことだ」

「だな……」


ショーンが笑う。


「おいクラール、俄然やる気が出てきたぜ!」

「フッ……

気が合うね……僕もだよ」


その後狩りは僕のMPが切れるまで、つまり深夜まで続いた。


狭間圏はざまけん

【聖職者:Lv46(↑+26)】

HP:247/247(↑+1)

MP:0/524【聖職者:+112】

SP:7/102(↑+3)

力:21

耐久:59(↑+1)

俊敏:37【聖職者:0】

器用:14

魔力:40(↑+3)【聖職者:+50】

神聖:79(↑+6)【聖職者:+100】

【回復魔法:Lv46(↑+2) ヒール:Lv★(↑+1) オートヒール:Lv14】

【補助魔法:Lv35(↑+2) プロテクト:Lv59(↑+1) バイタルエイド:Lv59(↑+1)】

【マルチタスク:Lv38(↑+1)】

【炎耐性:Lv10(↑+1)】

【ストレージ:Lv19(↑+2)】

【フレアバースト:Lv1(↑+1)】

【etc.(30)】


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] フレアバーストの攻撃じゃ力上がらない? [一言] ダブルヘッド並みがポコポコ生まれるって、第三戦線怖ェェェ! ヒールカンストしたのにハイヒール覚えられなくて無念。
[気になる点] ここまでやってハイヒールが出ないのは何故なんだ? エリアヒールの方が難易度高い設定のはずなのに。 [一言] 日本での寝たきり状態も合わせてスキルや魔法等の条件設定が全くわからない。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ