初期馬選び
さて、目の前に居る5頭の馬を見比べる。
ゲーム通りなら、この時に選ぶ馬はぶっちゃけどれでもそこそこ勝てる。
GⅠの2~3勝位はやってくれちゃうんだけど、一応は真面目に選んでみたい。
じーっと1頭1頭、つぶらな瞳を覗き込んだり、後ろ足のトモだっけ?太股の辺りの発達具合を見極める努力をしてみた。
結論。
分かりません!
仕方ないので、好きな色で選ぶ事にする。
ちなみに、1頭目は牡馬に限定するから5頭の内の2頭は除外だ。
牡馬に限定する理由は、GⅠを3回も獲れれば、種牡馬として売り払う事も出来るからデスヨ☆
え?
リアルだとそうじゃないって?
私がやってたゲームではそうだったんだよ。
まぁ、残った3頭の馬をじっと見比べた結果、私は顔の白斑が大流星鼻梁白って呼ばれるタイプの青毛ちゃんに決定した。青毛ってのは、こげ茶色っぽくも見える。
黒っぽい馬ってカッコイイよねぇ!
『X王号』とか。
その内、芦毛ちゃんとかも良いよね。
白毛ちゃんは……今はあんまり現実味が無いから夢だけ見ておこう。
「それでは、2歳馬の中からも1頭お選びください。」
次は、夏から走り始めるのを1頭らしい。
こっちは牝馬限定で。
10頭の中から6頭を除外すると、青鹿毛の小星の白斑のある子を選ぶ。
青鹿毛もやっぱり殆ど黒に見える位、色の濃い毛色だ。
「次に、馬の名前を付けて預託先を決めて下さい。」
「3歳はシュマリットで、2歳はレクタリアで。預託先ってどんなとこがあるの?」
訊ねておいてナンだけど、聞いた事を次の瞬間には後悔した。
執事は、立て板に水とばかりにつらつらと預託先の候補について並べたてたんだ。
そんなペースで教えられても、聞いた先から消えていくよ?!
「ストーップ! ストップストップ!」
「如何なさいましたか?」
「そんなにいっぺんに言われても理解しきれないよ。馬の故障を避けるのが上手な調教師さんで、お薦めのでお願い。」
「わたくしめがお選びしてよろしいのですか?」
「うん。私よりも間違いが無さそうだし、お願い。」
「かしこまりました。」
彼は嬉しそうに、私が通された応接間でお茶を飲んでいる間に諸手続きを済ませると、次の予定を口にした。
「それでは、忍お嬢様。東京に戻りましたら、馬主としての諸手続や事務作業の采配を行ってくれる秘書の面接をすることにしましょう。」
次は秘書ね。
オッケー。
出来れば、頼れそうなおっちゃんでよろしく!