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と、言うわけでやって来ました西エリア。
貸し工房はどこかな?
お、あったあった。……真横に。
とりあえずドアを開けて入り、カウンターのお姉さんに声を掛ける。
「すいません。貸し工房を利用させて貰えませんか? 」
「はい。1時間で100G、3時間で250Gになります。」
「1時間で。」
そう言って100Gを払う。
「はい。確かに。それでは、注意事項を説明いたします。利用時間は必ず守ってください。利用時間を過ぎますと、強制的に転移され、インベントリに入れる、もしくは自分で保持しておくかしていないとそのまま取り残され、消失します。また、一時的な退出は出来ません。飲食厳禁です。《料理》スキルの使用や、ポーションの利用も控えてください。これで説明は以上です。工房番号は004番です。」
怖っ! 工房怖っ!
強制的な転移とかオーバーテクノロジー過ぎるでしょ。
ん? 魔法だからテクノロジーじゃないのか?
まあいいや。気を付けよう。
004番工房へ向かう。
ネットカフェの個室2個分位かな?
《鍛冶》とかはちょっと狭そう。
まあ《呪符作成》でそんなスペースいらないよね。
《呪符作成》の説明を見てみる。
まず、呪符を作るには魔法紙が必要らしい。
幸い呪符作成キットに魔法紙が30枚入っていた。
《製紙》スキルの取得を検討しておこう。
呪符を作るには、簡単に言えば紋様を刻んで魔力を込めればいいらしい。
この紋様と《刻印》の印は別だった。ちぇっ。
というわけで実践あるのみ。
魔法紙に紋様を刻む。
ちなみに、込める魔法ごとに紋様は違う。
更に、取得している魔法だと成功率が高くなるらしい。
だが、ここはあえて取得してない魔法を込める!
もう一度言う。
あえて、取得してない魔法を込める!
大事なことなので2回言いました、
込めるのは《水魔法》のアクアバレット。
レベルが低い魔法ほど紋様が簡単で、このアクアバレットも《水魔法》の初期魔法だから、簡単なはず。
ってか実質簡単なんだよね。
四角と三角2つを重ねた感じの紋様だった。
《生産の心得》の影響もあったと思うが、問題なく刻めた。
後は魔力を込めれば.....っと。
完成。MPは2%位減ってるかな?
鑑定鑑定っと。
名前 アクアバレットの呪符 消耗アイテム
レア度 1
詳細 《水魔法》アクアバレットが込められた呪符。
普通だ。でもノーコストで使えるのはいいかも。
あっ。
これにINT上昇の刻印したら威力上がるんじゃね?
《刻印》で覚えた印は2種類。
フォレストウルフとの戦闘で使った属性の印。
烈火、水流、大地、嵐風、氷雪、轟雷、光明、暗黒の8つだ。
ステータスを上昇、下降させる印。
ATK、DEF、INT、MID、SPD、DEXそれぞれにある。
前者と後者のステータス下降系は戦闘で使えそうだ。
話が逸れた。
対象実験をしよう。
INT上昇の印の条件だけを変えて、作成してみた。
こうなった。
名前 アクアバレットの呪符 消耗アイテム
レア度 1
詳細 アクアバレットが込められた呪符。
名前 アクアバレットの呪符 消耗アイテム
レア度 1
詳細 アクアバレットが込められた呪符。刻印により、威力が上がっている。
よっしゃ。
と言うわけで呪符を量産する。
結果的にアクアバレットの呪符×10、ファイアボールの呪符×10、クイックヒールの呪符×5、フリーズミラーの呪符×5を作ることができた。
《呪符作成》のレベルがめっちゃ上がった。11まで上がって、SPを獲得できた。
後5分だけど、片付けして転移に備えよう。
〈残り3分になりました。〉
おっ、インフォがあるんだな。優しい。
ライクロに接続するときみたいな僅かな浮遊感とともにカウンター横へ転移した。
あんまり慣れないんだよなぁ、この感覚。
なんか脳がゆらゆらしてるみたいで。
まあいつか慣れるよね。
「ありがとうございましたー。」
受付のお姉さんに軽く会釈して貸し工房を出る。
さて。暇になりました。
どこに行こうかな。