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だいぶ短いです。
ヤバい。
これはヤバい。
森を移動する速度は向こうの方が上。
つまり、逃げる選択肢は無い。
もうちょっと考えれば良い手が浮かぶかもしれないけど生憎そんな時間は無い。
「バインド!」
一番近くの狼の動きを止め、すぐさ次の詠唱に移る。
その間に翠雅は後ろの2体を回避を基本として相手をしていた。
早く助けてやらないとね。
「フリーズ!」
バインドではなく、フリーズ。
拘束時間は短くなるが、微量の継続ダメージを与える。
今は少しでもダメージソースが欲しい。
頭の中に取得したスキルが浮かび、可能性を模索する。
その中からあるスキルの詳細を確認し、フリーズで凍結しているフォレストウルフを短剣で5.6回切り裂く。
そして切り裂かれたフォレストウルフが炎に包まれる。
「烈火の印、ね。モンスター相手にも刻めて良かった。」
私が使ったスキルは《刻印》。
決まった印を刻むと、それに対応した効果が顕れるスキル。
確かに何処にも対象は書かれてないけど。
でも攻撃に使えそうなのはこの烈火の印を含めた属性付与の印だけかな。
物に刻んでも炎は出ないよね......?
後で試しとこ。
って、そんなことを考えている暇はない。
翠雅が2体相手に頑張ってくれている。
「バインド!」
その内の1体の動きを封じ、最初に動きを封じた1体の首を刺す。
翠雅とフォレストウルフが1対1となり、空中という地理的有利がある翠雅が負けるはずがない。
近くに寄り、一応初めてのHPポーションを使っておく。
さっき動きを止めたフォレストウルフの首をサクッと刺し、倒す。
あとは翠雅が倒すのを見ているだけで良かった。
〈レベルが上がりました。〉
〈召喚モンスター、翠雅のレベルが上がりました。〉
そりゃあんだけ倒せばまぁ上がるよね。ヒットラビットより経験値高そうだし。
次はINTとSPDに1ずつ降ろうかな?
名前 サラサ Lv.3
種族 【風妖精】
職業 【召喚士】
スキル 《杖》Lv.2《短剣》Lv.4《召喚魔法》Lv.5《風魔法》Lv.3《妨害魔法》Lv.5《鑑定》Lv.3《刻印》Lv.1《呪符作成》Lv.1《生産の心得》Lv.1《楽器演奏》Lv.1《歌唱》Lv.1
ステータス ATK 10
DEF 5
INT 23
MID 18
SPD 13
DEX 14
※武器、防具非装備時。
称号 【悪戯妖精】
名前 翠雅 Lv.3
種族 フクロウ
スキル 《飛行》Lv.13《暗視》Lv.1《気配感知》Lv.5《嘴撃》Lv.7《回避》Lv.4
やっぱ軒並みレベル上がってるな。
あ、翠雅に新しいスキル生えてる。
《回避》か。
召喚モンスターでも行動によってスキルを得るのかな?
まあそれは調べようの無いことかな。
フォレストウルフからは肉3つ、毛皮5つ、牙2つの他にこんなアイテムが取れた。
名前 フォレストウルフの爪 素材アイテム
レア度 1
詳細 フォレストウルフの爪。そこそこ鋭く、湾曲しているが頑張れば真っ直ぐに出来そう。
鑑定文で頑張ればとか書いていいんですか、運営よ。
キリがいいしアインスの街に戻ろうかな。
《楽器演奏》のレベル上げも兼ねてオカリナを吹こうかね。
取り敢えず聖者の行進でも吹いてみようかな。
吹くこと数分。
これ、バフだわ。
ATKとSPDが+1ずつされている。
《歌唱》もきっとこんな感じかな。
便利だけど魔法も武器も使えないからなぁ……
もっと召喚モンスターが増えたら考えようかな。
そんなことしてる間に街についた。
すれ違ったのは6人組のパーティ。
その人たちの装備に目が行く。
あ、私初期装備だった。
買いにいこう。