第98話:要塞の「在庫処分」。~「売り出したエッフェル塔の破片に、実は『古代の呪い』という名のバグが残っていた件」~
パリコレの破壊跡から回収した「エッフェル塔の残骸」。カナタがそれを限定NFTとして高額販売した結果、銀河中のセレブたちがこぞってそれを買い求めた。
だが、その「商品」には、原始人ニキが棍棒で叩き込んだ強烈な『野生のバグ(呪い)』が残留していた。
「……なぁテツ。さっきから地上のライブカメラが、真っ黒な『毛』で埋め尽くされてるんだけど。これ、レンズが汚れてるのか?」
『カナタさん、違います! NFTを購入した世界中の富豪たちが、その瞬間から急激な先祖返りを起こしています! スーツを脱ぎ捨て、高級時計を噛み砕き、全員が本物の「ゴリラ」に変異して暴れ回っていますよ!!』
モニターには、ニューヨークの証券取引所でウホウホと胸を叩きながら端末を破壊するゴリラ化したエリートたちの姿が映し出されていた。
「……あら。……なんという見苦しい進化(退化)ですの。……カナタ様が与えた資産を、あのような野蛮な咆哮で浪費するなんて。……わたくしの暗黒魔法で、あの毛むくじゃらたちを『剥製』に書き換えて差し上げましょうか?」
ルナが冷ややかな視線で、かつての王族だったゴリラたちがバナナを奪い合う光景を見下ろす。彼女にとって、主様の意図を理解できない生物は、飾りにすらならない不純物だった。
「……主様、あの、増えすぎた、毛むくじゃら。……毛並みが、汚い。……あちこちに、フケと、ノミが、こびり付いている。……私が、一匹ずつ、高圧蒸気で、全身脱毛研磨して……。……つるつるの、ピンク色の、綺麗な、生物に、磨き直して、あげますね……ッ!」
セレスティアが「対・霊長類用」の超強力除毛ワックスをバケツごと抱え、地上へとダイブした。彼女が通り抜けた後のオフィス街には、毛を失い、ピカピカに磨き上げられた「肌色のゴリラ」たちが呆然と立ち尽くすという、この世の終わりより恐ろしい光景が広がっていく。
「あはは! ライバーさん、見てよ! 世界最高の知能を持った人類が、ただの『群れ』になっちゃった! 『ゴリラが教える資産運用』って動画が100億再生突破して、インプレッションが完全に動物園状態だよ! ゲラゲラゲラッ!! おっかしくって死ぬ!!」
ノアは要塞の床を激しくのたうち回りながら笑い転げている。文明の頂点が、一欠片の瓦礫で野生に飲み込まれる。この皮肉な崩壊こそ、彼女の求める至高のエンターテインメントだった。
「……よし、テツ。……あいつらを元に戻すのは手間だ。……いっそ地上全域に【ジャングル・テクスチャ】を適用しろ。……今日から地球は、銀河最大の『野生体験テーマパーク』としてリニューアルオープンだ」
【次回予告】
第99話:『要塞の「閉園時間」。~「世界をジャングルにしたら、管理不能な『巨大バナナ』が地表を突き破って宇宙まで伸びてきた件」~』
「……これ、俺が植えたやつじゃないぞ」
野生化が加速した地球で、謎の巨大植物が覚醒!
宇宙まで届くその茎を登り、要塞を目指す「最強のゴリラ王」が現れ――。
「主様、あの、バナナの、皮。……滑って、不潔だから、私が、宇宙ごと、拭き取って、あげますね……ッ!」
【作者よりお願い】
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
第98話、NFTの呪いで人類がゴリラ化し、地球が野生のテーマパークに書き換わるカオス回をお届けしました。
もし「つるつるのゴリラが量産される光景がシュールすぎるw」「セレスティアの全身脱毛研磨が安定の怖さで最高」と思っていただけましたら、
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