第83話:要塞の「広告収益」。~「空に浮かぶ俺の顔が、全人類の『義務教育』の教材になった件」~
勇者がコンビニでレジを打つ平和(?)な光景を眺めていたカナタは、次なる「バズり」のターゲットを次世代の育成に定めた。
「……なぁテツ。新世界の連中、自由すぎてリテラシーが足りないと思わないか? せっかく俺が再設計してやった世界なんだ、正しい『楽しみ方』を教えてやるのが管理者の義務だろ」
『カナタさん、その「正しい楽しみ方」って、要するに貴方の信奉者を増やすための教育ですよね? ……嫌な予感がします。空のレイヤーを勝手に弄らないでくださいよ!』
「いいだろ、公共放送だ。……よし、空全体を【巨大ホログラム・スクリーン】に設定。……全人類の視界に、俺の『空間編集チュートリアル』を強制配信だ。――適用!」
カナタが指を鳴らした瞬間、世界の「空」が消えた。
青空の代わりに現れたのは、要塞の玉座に座るカナタの巨大な顔。全人類が顔を上げた瞬間、そこには逃げ場のない「義務教育:攻略ライバー概論」の授業が始まっていた。
「……よぉ、未来のライバー諸君。……今日は空間の『テクスチャ』を弄って、石ころを金塊に変える方法を教えてやる。……よく見ておけ、これが世界の『編集』だ」
カナタが空中で手を動かすたび、空の巨大スクリーンを通じて全世界に編集の「理」が垂れ流される。
子供たちは目を輝かせ、大人たちは驚愕し、そして一部の熱狂的な信者たちは「神の啓示」としてノートを真っ黒に埋め尽くした。
「……あら。……カナタ様の教えが、雨のように降り注ぐ光景。……素晴らしいですわね。……これで、この世界の不純物たちも、少しはマシな『背景』に書き換わってくれるかしら?」
ルナが聖なる魔導書を手に、空に浮かぶカナタの姿を恍惚とした表情で仰ぎ見る。
「……主様。……教育、大事。……あの、小さな、不純物たち。……未来の、種。……今のうちに、私が、一人ずつ、魂を、分子レベルで、磨き上げて……主様に、相応しい、綺麗な、信徒にして、あげますね……ッ!」
セレスティアが「教育用の除菌ブラシ」を手に、地上へと音もなくダイブした。彼女に「磨かれた」子供たちは、例外なく清潔で、礼儀正しく、そしてカナタへの異常な忠誠心を持つ「完璧な児童」へとアップデートされていった。
「あはは! ライバーさん、見てよ! 世界中の学校が『カナタ教』の教習所に変わっちゃったよ! インプレッションが測定不能で、もはや世界そのものが一つの大きな『チャンネル』になっちゃったね!」
ノアがゲラゲラと笑いながら、教科書の内容をリアルタイムで「カナタ様の名言集」に書き換えていく。
数日後。世界中で、見よう見まねで空間を歪めようとする「リトル・カナタ」たちが続出した。
カナタの「教育番組」は、人類から本来の進化の道を奪い、全員を「バグ使いの見習い」という危うい存在へと変貌させてしまった。
「……よし、テツ。テストの成績が良い奴には、特別に『要塞のゴミ拾い権限』を付与してやれ。……モチベーションが上がるだろ?」
『……カナタさん。それは報酬じゃなくて、さらなる労働力の確保ですよね……?』
【次回予告】
第84話:『要塞の「アップデート報告会」。~「俺の髪型を変えただけで、地上の流行が『丸刈り』に統一された件」~』
「……ちょっと、イメチェンしてみるか」
カナタが自分の【髪型テクスチャ】を変更した結果、全世界の人間が「それが正義」だと誤認!?
翌朝、世界から髪の毛が消失し、全員がツルツルの頭でカナタを崇める異常事態に!
「主様、その、輝く、頭……。……磨きやすそうで、最高です……ッ!」
【作者よりお願い】
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
第83話、空をスクリーンにして全世界を「カナタ色」に教育してしまう暴走回をお届けしました。
もし「空がカナタの顔面になる絶望感がすごいw」「セレスティアの教育(物理)が怖すぎる」と思っていただけましたら、
ページ下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして評価いただけると、執筆の大きな励みになります!
ブックマーク登録も、ぜひポチッとよろしくお願いいたします!
また、もしよろしければX(旧Twitter)などのSNSで「#セカダン」でシェアしてくれたら嬉しいです!




