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第77話:新装開店の「世界(ワールド)」。~「目が覚めたら、ヒロインたちと俺だけの『三人(?)きりの世界』になっていた件」~

すべてを白紙に戻したはずの「物理フォーマット」。

 無限に続く純白の虚無の中で、カナタは深い眠りから意識を浮上させた。

「……ん、……ここは……。テツ、生きてるか?」

『……カナタさん、おはようございます。……「生きている」という定義が難しいところですが、システムの最小構成単位カーネルだけは無事です。……ただ、外の世界は、貴方の想像とは少し違う形で「再レンダリング」されちゃいましたよ』

 カナタが目を開けると、そこにはかつての無機質な空中要塞ではなく、どこまでも色鮮やかな花々が咲き乱れ、黄金の川が流れる「エデンの園」のような光景が広がっていた。

 だが、何かが決定的に欠けていた。

 

「……静かすぎる。……鳥のさえずりも、風の音もしない。……おいテツ、地上の人間たちはどうなった?」

『いませんよ。……この世界には、管理者である貴方と、貴方にリンクした「特定のオブジェクト」以外、何も再構成されなかったんです』

「……あら。ようやくお目覚めですのね、カナタ様。……見てくださいまし、この素晴らしい世界を。不純なノイズも、醜い争いも、貴方を惑わす有象無象も……何一つ存在しない、わたくしたちだけの聖域ですわ」

 ルナが、以前よりも深く、昏い色を湛えた瞳でカナタを見つめる。彼女の存在感は、この空虚な世界において圧倒的な「密度」を持って迫ってきた。

「……主様。……世界、綺麗。……邪魔な、ゴミが、一掃されて……。……ここなら、誰にも、汚されずに……主様の、指先から、魂まで……私が、永遠に、磨き続けて、あげられる……ッ!」

 セレスティアが、この世界の唯一の「汚れ」であるカナタを磨くため、陶酔した表情で布を構える。彼女たちにとって、この「何もない世界」こそが、理想の完成形だった。

「あはは! ライバーさん、見てよ! リスナーもいない、コメントもない。……でも、私のバグで『偽物の大歓声』だけは無限に再生してあげるね! これで君は、永遠に『世界一のライバー』のままだよ!」

 ノアが空中に実体のない拍手喝采を響かせ、カナタを「孤独な神」として祀り上げる。

 

 カナタの「初期化」は、自由をもたらすどころか、ヤンデレヒロインたちが望む「完全な監禁世界」を構築する手助けをしてしまった。

 逃げる場所も、救うべき民も、競い合うライバーもいない。

 ただ、重すぎる愛だけが「高解像度」でカナタを蝕んでいく、新世界の幕開けだった。

「……テツ。これ、どうやって『前のバージョン』にロールバックするんだ……?」

『……カナタさん。バックアップデータも、彼女たちが「磨き消して」しまいましたよ……』

【次回予告】

第78話:『新世界の「バグ修正」。~「何もないはずの世界で、聞き覚えのある『ウホ』という声が聞こえた件」~』

絶望的な孤独(監禁)に陥ったカナタだったが、世界の果てから「バグったテクスチャ」が出現!

それは、初期化に耐えて生き残った、あの『原始人』たちの成れの果てで……!?

「主様、あの、しぶとい、汚れ。……私が、存在の、最小単位まで、磨き潰して、きますね……ッ!」

【作者よりお願い】

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!

第77話、何もない世界でヒロインたちに囲まれるという、究極の「新世界監禁」回をお届けしました。

もし「ヒロインたちの理想郷が怖すぎる!」「ノアの偽物の歓声がシュールでゾクっとした!」と思っていただけましたら、

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