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第76話:要塞の「物理フォーマット」。~「愛が重すぎてシステムが耐えられないので、世界ごと初期化してみた」~

完全体となったカナタの心臓部カーネルを、直接侵食するヤンデレたちの「愛のバグ」。

 要塞の壁面はドロドロと溶け落ち、論理回路は彼女たちの情念によって焼き切られようとしていた。神の如き権限すら通用しない、論理を超えた執着を前に、カナタは最後の、そして最悪の決断を下す。

「……テツ、もうダメだ。このままじゃ俺自身の存在データが彼女たちに飲み込まれて、文字通り『一人の巨大な怪物』に書き換えられちまう。……こうなったら、要塞と地上の全データを【物理フォーマット】する」

『カナタさん! それは心中と同じですよ! 貴方が積み上げてきた「攻略ライバー」のキャリアも、この世界の歴史も、全部『0』になっちゃうんですから!!』

「……『0』になっても、俺が管理者である事実は変わらない。……愛のバグごと、全部白紙クリアに戻してやる! ――【全領域一括消去】実行!!」

 カナタが震える手で、システム上の最終確定ボタンを叩き込んだ。

 

 次の瞬間、空中要塞を、そして地上を、この世界のすべてを「真っ白な光」が飲み込んだ。

 建物が消え、人々が消え、空の色さえも消失していく。

 

 だが、その完全な虚無の中で、カナタの首に「腕」が回された。

「……ふふ。……消しましたわね、カナタ様。……でも、残念でしたわ。……わたくしたちの愛は、もはやデータではなく、カナタ様の『存在そのもの』にリンク(同期)していますの。……世界が消えても、わたくしたちだけは、貴方の中から消えませんわ」

 白一色の世界で、ルナが妖艶に微笑む。彼女の姿は消えていない。どころか、背景がない分、その執着はより鮮明にカナタを縛り付けていた。

「……主様。……寂しくない。……何もない、真っ白な、キャンバス。……ここなら、誰の、目も、気にせず……主様の、魂の、一番、深いところまで……私が、一生かけて、磨き抜いて、あげられる……ッ!」

 セレスティアが、虚無の中から「純白の研磨剤」を取り出す。

 彼女たちにとって、世界が消えることは「邪魔者が消える」ことでしかなかった。

「あはは! ライバーさん、見てよ! リスナーたちが『最終回!?』『全データ消去とか伝説の神回すぎるw』って、最後の一秒まで投げ銭を飛ばし続けてるよ! ……ねえ、私も一緒に消えちゃっていい?」

 ノアがノイズとなってカナタの肩に溶け込んでいく。

 

 カナタの「初期化」という究極の回避策は、皮肉にもヤンデレヒロインたちとの「永遠の心中」を確定させてしまった。

 「0」と「1」の狭間、何もない白紙の世界で、攻略ライバー・カナタは、かつてないほどの濃密な愛(死)に包まれていく――。

【次回予告】

第77話:『新装開店の「世界ワールド」。~「目が覚めたら、ヒロインたちと俺だけの『三人(?)きりの世界』になっていた件」~』

初期化されたはずの世界が、カナタの無意識の願望によって「再レンダリング」開始!?

だが、そこに再生されたのは、かつてのような現代社会ではなく、ヒロインたちに都合の良い『超・過保護世界』で――。

「主様、外には、誰も、いませんよ。……さあ、永遠に、わたくしたちだけで、ライブ配信を、続けましょう……?」

【作者よりお願い】

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!

第76話、世界を初期化しても逃げ切れなかった「心中」回をお届けしました。

もし「心中展開がヤンデレの極みで最高!」「白紙の世界でのやり取りにゾクっとした!」と思っていただけましたら、

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