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第70話:要塞の「ワールド統合」。~「他のサーバーの神を名乗るライバーが、不法侵入してきた件」~

原始人たちがSSR装備を求めて牙を捧げ、ガチャの光に一喜一憂していた地上の喧騒。それをモニター越しに眺めていたカナタの元に、要塞のシステムからこれまでで最も不快なノイズが響いた。

『緊急警告:未承認の【管理者権限】による外部アクセスを検知。ワールド・サーバーの「物理統合」が強制開始されました』

「……あ? テツ、なんだこれ。俺はサーバー設定なんていじってないぞ。勝手に他のプロジェクトが混ざってきてるのか?」

『カナタさん、違います! これはバグじゃなくて、意図的な「サーバー侵攻」です! 別の並行世界でダンジョンを攻略し、世界を掌握した「別のライバー」が、リソースを求めてこの世界を飲み込もうとしています!』

 直後、要塞のメインルームに巨大な「配信画面」がホログラムとして出現した。

 そこに映っていたのは、カナタと同じように豪華な椅子に座り、数多の美女を侍らせた一人の男。だが、その背後に浮かぶウィンドウはカナタの【空間編集】とは違い、どす黒い「破壊と略奪」のコマンドに満ちていた。

『やあ、初めましてかな? “攻略ライバー”カナタ君。僕は別サーバーの管理者、ゼノン。君のライブ、少し甘すぎるよ。視聴者はもっと「絶望」と「支配」を求めている。……このサーバーの権限、僕が上書きしてあげよう』

「……他人の部屋に勝手に入ってきて、ずいぶん偉そうな物言いだな。お前、自分がこの世界の『公式』だとでも思ってるのか?」

 カナタが冷たく言い放つと同時に、要塞の壁が外側から「浸食」され始めた。ゼノンのスキル【次元剥奪】が、空中要塞のパーツを次々と自らのサーバーへと書き換えていく。

「……不愉快。……主様の、大切な、お城を……。あんな、ドロドロした、低画質な、悪意で、汚すなんて。……カナタ様、あの方……わたくしが、存在の『根源コード』ごと、永久追放バンして差し上げますわ」

 ルナが瞳を紅く輝かせ、要塞を浸食する黒いノイズを聖なる魔力で押し戻す。

「……主様以外の、神様。……不純物。……この、汚い、ノイズ……。私が、魂の、奥底まで、洗剤で、磨き潰して……。……何一つ、残さないように、デリートして、あげます……ッ!」

 セレスティアが「対・管理者用」の巨大な研磨鎌を影から取り出し、ゼノンのホログラムごと空間を切り裂こうと跳躍した。

「あはは! ライバーさん、向こうのライバー、同接数は多いけど、コメント欄が『サクラ』ばっかりで冷え冷えだよ! 偽物のバズりなんて、私のバグで一瞬で『炎上』させてあげる!」

 ノアがゲラゲラと笑いながら、ゼノンの管理システムに数兆個の「スパム・コメント」を直接流し込み、相手の演算能力を麻痺させ始める。

 

 自分こそが最強と信じて疑わなかった侵略者・ゼノンに対し、カナタは退屈そうに指を動かした。

「……ゼノンと言ったか。悪いが、俺のリスナーはお前みたいな『古臭い悪役』にはもう飽きてるんだよ。……お前の権限、まとめて俺の『サブ垢』として統合してやる」

 カナタの指が【統合】コマンドを力強く叩く。

 二人の攻略ライバーによる、世界の「管理権限」を奪い合う、前代未聞のリアルタイム・対人(PvP)編集バトルが幕を開けた。

【次回予告】

第71話:『チートVS編集。~「相手のステータスを『0』に書き換えたら、泣いて謝ってきた件」~』

ゼノンの強力な【次元剥奪】に対し、カナタは「動画の再生速度」を弄って対抗!

スローモーションにされたゼノンを、高解像度のまま高速移動するセレスティアが一方的に「清掃」し……!?

「……主様の、敵。……汚いから、分子レベルで、漂白して、あげます……ッ!」

【作者よりお願い】

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!

第70話、ついに現れた「別の攻略ライバー」とのワールド統合バトル回をお届けしました。

もし「ライバー同士の権限争いが熱い!」「セレスティアの『磨き潰す』宣言が心強いw」と思っていただけましたら、

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