表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

65/114

第65話:要塞の「再起動」。~「目が覚めたら、地上の文明がバグで1000年分退化してた件」~

「スリープモード」という名の一時停止から、数時間(要塞時間)。

 カナタは、心地よい静寂の中でゆっくりと目を開けた。

「……ふわぁ、よく寝た。……テツ、おはよう。今、何時だ?」

『……カナタさん、おはようございます。……いえ、おはようございます、で済めばいいんですけどね。……今すぐ、窓の外を見てください。……あ、心の準備はしておいてくださいね』

 テツの声が、これまでにないほど引き攣っている。

 カナタが怪訝そうにリビングのカーテンを開けた、その瞬間。

「……は? なんだこれ」

 視界に飛び込んできたのは、昨日まで広がっていた「定規で引いたような直線的な都市」ではなかった。

 そこには、鬱蒼と茂る巨大なシダ植物の森と、その間を悠然と歩く、教科書でしか見たことのない巨大な爬虫類――恐竜たちの群れが広がっていた。

『スリープモード中のメモリリークが原因です。……時間が止まっている間に、地上の「文明データ」が破損して、バックアップされていた「太古の環境レイヤー」が勝手に上書き(オーバーライト)されちゃったんですよ!』

「……文明が退化してるってレベルじゃないだろこれ! 1000年どころか、数千万年分巻き戻ってないか!?」

 カナタが慌ててモニターを確認すると、地上の王たちが住んでいた城は巨大な岩山に、ハイテクなダンスで鍛えた超人類たちは、毛皮を纏って「ウホウホ」と叫ぶ原始人へとデグレード(格下げ)されていた。

「……あら。静かだと思ったら、ずいぶんと『自然派』な景色になりましたわね。……でもカナタ様、ご安心ください。……文明がなくなったのであれば、わたくしたちがこれから、主様好みの『新しい歴史』を書き込んで差し上げればいいだけですわ」

 ルナが寝起きのカナタの肩に頭を乗せ、妖艶に微笑む。彼女にとって、地上が原始時代になろうが、カナタが隣にいる事実に変わりはない。

「……磨き、甲斐がある。……あの、トカゲたちの、ザラザラした、鱗。……私が、一匹ずつ、洗剤で、磨き潰して……ツルツルの、置物に、してあげます……ッ!」

 セレスティアが、原始時代にふさわしい(?)「巨大な骨の棍棒(ただし魔力でピカピカに磨かれている)」を手に、テラスから飛び降りようとする。

「あはは! ライバーさん、見てよ! リスナーたちが『ついに恐竜サバイバル編が始まった!』って大熱狂だよ! 野生の恐竜を編集でペット化する動画とか、絶対バズるって!」

 ノアがパニックをよそに、恐竜たちの頭上に「テイム可能」のバグアイコンを表示させ始める。

 

 カナタの「うっかり」が生んだ、史上最大のシステムエラー。

 攻略ライバー・カナタの新たな物語は、文明崩壊後の原始世界を「再編集」するという、もはや神話の創世記に近い領域へと突入した。

【次回予告】

第66話:『原始人の「チャンネル登録」。~「言葉は通じないけど、投げ銭代わりにマンモスの肉を持ってきた件」~』

原始人と化したかつての王たちが、空中要塞を「神の社」として崇拝!?

「いいね」の代わりにマンモスの肉が要塞に投げ込まれ、カナタの部屋がバーベキュー会場に!

「主様、この肉……脂身を、丁寧に、削ぎ落として……最高に、滑らかな、ステーキにして、あげますから……ッ!」

【作者よりお願い】

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!

ページ下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして評価いただけると、執筆の大きな励みになります!

ブックマーク登録も、ぜひポチッとよろしくお願いいたします!

また、もしよろしければX(旧Twitter)などのSNSで「#セカダン」でシェアしてくれたら嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ