第61話:要塞の「ダークモード」実装。~「画面を見やすくしただけで、世界が永劫の闇に包まれた件」~
自動翻訳機能の暴走により、自分の独り言が「神託」として地上を震撼させていた頃。カナタは要塞のコントロールパネルを睨みながら、目をしばたたかせていた。
「……なぁテツ。最近、要塞のUIが眩しすぎると思わないか? 四六時中モニターを見てるから、ブルーライトで目がバキバキなんだよ。……もっと目に優しい、落ち着いた環境にならないか?」
『カナタさん、それは単なる「疲れ目」ですよ。……でも、確かに要塞の輝度は常に最大値に設定されていますからね。……あ、ちょっと、システム全体の【外観モード】設定をいじらないで!』
「いいだろ、自分好みにカスタマイズするくらい。……よし、世界全域のテーマ設定をライトから『漆黒のダークモード』に変更だ。……あと、コントラストを極限まで下げて、――適用!」
カナタがエンターキーを叩いた瞬間。
空中要塞、そして地上のすべてから「光」という名の彩度が剥ぎ取られた。
昼間だったはずの空は、一瞬にして星すらも見えない完全な暗黒へと塗り替えられた。太陽の光は「目に優しくない不要な輝度」として一括カットされ、世界は永劫の夜へと突入したのだ。
「……お、いいじゃん。落ち着く色になったな」
『カナタさん!! 目に優しいどころか、地上では「太陽が死んだ!」って阿鼻叫喚ですよ! 作物が育たないどころか、一寸先も見えない暗闇で、人々が互いを魔物と間違えて乱闘を始めてます!!』
だが、この暗黒の世界を誰よりも喜んでいる者たちがいた。
「……ふふ。……素晴らしいですわ、カナタ様。……この深い闇の中であれば、カナタ様の瞳の輝きだけが、わたくしの唯一の太陽になりますもの。……さあ、この永遠の夜の中で、わたくしと二人きりのバックアップ作業を続けましょう?」
ルナが闇に紛れてカナタの腕を絡め取る。彼女の魔力は影の中でさらに増幅され、その独占欲は逃げ場のない暗闇そのものとなっていた。
「……暗闇、最高。……不純物が、見えなくて……掃除が、捗る。……主様、大丈夫。……暗くても、私が、主様の、場所を、指先で、丁寧に、探して、磨いて、あげます……ッ!」
セレスティアが、暗視ゴーグル(魔力)を装着し、音もなくカナタの背後に密着する。彼女にとって、この闇は主を「磨き放題」にするための最高のフィールドだった。
「……あはは! ライバーさん、地上ではみんなパニックだけど、逆に『ナイトモード』の動画としてバズるんじゃない? 視聴率(同接)も爆上がりだよ!」
ノアがゲラゲラと笑いながら、闇の中にネオンのようなバグのエフェクトを散りばめる。
地上では人々が「光を返せ!」と泣き叫んでいるが、要塞の中では「目に優しい」という身勝手な理由で、狂った夜の宴が静かに、そして苛烈に始まろうとしていた。
「……あー、でも流石に暗すぎてキーボードが見えねえな。テツ、手元だけ『スポットライト』で照らしてくれ」
『……カナタさん。その狭い光の範囲だけが、今の世界に残された唯一の希望ですよ……』
【次回予告】
第62話:『世界の「解像度」を落としてみた。~「遠くの景色をドット絵にしたら、敵の軍勢がレトロゲームの雑魚キャラになった件」~』
「処理が重いな」
カナタが世界の【描画距離】と【解像度】を極限まで低下!
すると、要塞に攻めてきた最強の騎士団が、カクカク動く「ドット絵」の弱小キャラに変貌し……!?
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