第58話:炎上対策の「ファイアウォール(物理)」。~「アンチの暴言を、そのまま熱エネルギーの弾丸に変えて返してみた」~
「いいね」の物理化によって、地上の巨大モンスターをリスナーの愛(物理)で粉砕したライブ配信。同接数は過去最高を記録し、要塞内は祝杯ムードに包まれていた。だが、栄光の影には必ず「ノイズ」が混じるものだ。
「……なぁテツ。さっきからコメント欄の端っこに、赤文字で汚い言葉が流れてるだろ。……『調子に乗るな』とか『ヤラセだろ』とか。……これ、画面の彩度が落ちるから邪魔なんだよな」
カナタが眉をひそめる。それは、カナタの全能ぶりに嫉妬した一部の有力者や、他国の工作員による組織的な「誹謗中傷」の嵐だった。
『カナタさん、有名税ってやつですよ。……でも、このアンチコメント、負の感情が乗りすぎてて、システムの「温度」を無駄に上げちゃってますね』
「……不愉快ですわ。カナタ様の高潔な配信を、そんなドブネズミのような言葉で汚すなんて。……わたくしが、その発信源の国ごと、聖光で『焼き尽くし(フォーマット)』て差し上げましょうか?」
リリアーヌが、冷酷な女王の瞳で地上を睨みつける。彼女にとって、主への不敬は死に値するバグでしかない。
「……掃除、必要。……言葉の、汚れは、落ちにくい。……主様、許可を。……そのアンチたちの、口を、洗剤で、磨き潰して……二度と、音が出ないように、してあげます……ッ!」
セレスティアが、魔力を帯びた「研磨用たわし」を構えて影に溶け込もうとする。だが、カナタはそれを制した。
「待て、セレスティア。……わざわざ出向くのは効率が悪い。……ノア、お前のバグ能力で、このアンチコメントの『熱量(怒り)』を、そのままエネルギー源として抽出できるか?」
「お安い御用だよ、マスター! 言葉の裏にある『悪意』のテクスチャを抜き取って、熱エネルギーに変換しちゃえばいいんでしょ?」
カナタが空中で【ファイアウォール(物理)】のプログラムを起動した。
すると、要塞の周囲に透明な壁が出現し、そこに流れ込む誹謗中傷のコメントが、触れた瞬間に「真っ赤な炎の弾丸」へと姿を変えていく。
「……よし。名付けて【アンチ・リフレクション】だ。……お前らが吐き出した『毒』だ。……お前ら自身の座標に、そのまま『返信』してやるよ!」
カナタがエンターキーを叩いた瞬間、要塞の周囲に溜まった数万発の「暴言の弾丸」が、光速で発信源へと逆流した。
地上の暗い部屋で、ニヤけながら「死ね」と打ち込んでいた工作員たちの端末が、突如として爆発的な熱を発した。
「ぎゃあああぁぁっ!? パソコンが、パソコンが火を噴いた!?」
「自分の書き込んだ言葉が、物理的な炎になって襲ってくるぅぅぅっ!!」
アンチたちが喚き散らすたびに、その熱量はさらに増し、自らの放った悪意によって身を焼かれる因果応報の地獄絵図。
カナタは、モニターに映る「発火するアンチたち」を眺めながら、冷淡に呟いた。
「……言葉は慎むもんだぜ。……テツ、ついでにこいつらの『社会的な信頼度』も、全部【0】に書き換えておけ」
『了解です、カナタさん。……いやぁ、自分の「毒」で焼かれる気分はどうなんでしょうね。……お、コメント欄が急に静か(クリーン)になりましたよ』
負の感情すらも燃料に変え、要塞のシステムはさらに強固に、さらに苛烈に進化していく。
カナタの「攻略ライブ」を妨げる者は、もはやその意志すらも、カナタのエンターテインメントの一部として消費される運命にあった。
【次回予告】】
第59話:『要塞の「フォント変更」。~「明朝体にしただけで、世界の歴史が重厚になりすぎた件」~』
「今のUI、ちょっと軽すぎるな」
カナタが世界の【基本フォント】を、軽快なゴシック体から、厳かな「超・極太明朝体」に変更!
すると、人々の喋る言葉がすべて「仰々しい歴史劇」のような口調に固定され……。
「主様、このフォント……尖っていて、不純物を、刺し殺すのに、最適です……ッ!」
文字の角で敵を切り裂く、フォント魔改造回!
【作者よりお願い】
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