表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/114

第51話:要塞の「ゴミ箱」が溢れ出した件。~「昨日捨てたはずの魔王が、腐ったデータになって戻ってきた」~

「コピー・カナタ」を巡るヒロインたちの狂乱が、物理的な「部屋の破壊」という形でようやく沈静化した翌日。要塞のシステムから、これまで聞いたこともないような不気味な警告音が鳴り響いた。

『警告:ストレージの容量が限界を超えました。ゴミ箱内の「未処理データ」が腐敗(バグ化)し、物理レイヤーへの浸食を開始しました』

「……なんだよ、テツ。ゴミ箱なんて、いっぱいになったら勝手に消える設定にしてたんじゃないのか?」

 カナタがモニターを開くと、そこには真っ黒なヘドロのようなノイズが、ゴミ箱のアイコンから溢れ出している映像が映っていた。

『カナタさん! 貴方がこれまで「うっかり」デリートしてきた連中――月の巨神兵、地上の魔王、帝国の騎士団、さらには「削除したはずのバグデータ」が、ゴミ箱の中で融合して一つの巨大な怨念キャッシュになっちゃったんですよ!』

 ドォォォォォン!!

 要塞の地下にある「データ廃棄区画」の隔壁が吹き飛び、そこから現れたのは、かつてカナタが消しゴムツールで消したはずの敵たちのパーツが、デタラメに継ぎ接ぎされた異形の大群だった。

 それは「消されたこと」すら認識できないまま、ただカナタへの恨みだけで動く、この世界のソースコードの「バグ」そのもの。

「……あぁ、主様。……せっかく廊下を、磨き上げたのに。……また、不純物が、溢れて……。……今度は、中身まで、徹底的に、漂白デリートして、あげます……ッ!」

 セレスティアが、半分溶けかかって意識を失っている「コピー・カナタ」を小脇に抱えたまま、影の中から飛び出した。彼女にとって、主様の要塞を汚すバグは、存在自体が万死に値する。

「わたくしも加勢しますわ! カナタ様のゴミ箱を掃除するのも、皇帝の妃としての務めですもの!」

 リリアーヌが聖光を放ち、ノイズの塊を焼き払う。だが、相手は一度「消された」データ。通常の攻撃では完全に消滅せず、すぐにノイズとなって再構成されてしまう。

「テツ! あのバグどもの中心にある『インデックス・ファイル』を見つけろ! そこを直接書き換えないと、何度でも湧いてくるぞ!」

『無茶言わないでください! 今、コピー・カナタの維持にリソースを割かれてて、検索エンジンが重いんです! カナタさん、貴方が直接「修正パッチ」を当てるしかありません!』

「……ちっ、俺が行くしかないか。……おい、コピー! 寝てんじゃねえ、お前の処理能力も貸せ!」

 カナタは、セレスティアに抱えられていた「もう一人の自分」の首根っこを掴み、システムの中枢へとダイブした。

 

 本物のカナタが『選択』し、コピーのカナタが『処理』する。

 二人のカナタが同時にキーボード(概念)を叩くことで、要塞始まって以来の「超高速・一括クリーンアップ」が開始された。

「【全選択】……【重複項目の削除】……! 過去の遺恨データなんて、今さら持ち出してくんじゃねえよ!」

 カナタの指先から放たれた強力な「クリーンアップ・プログラム」が、バグの巨神兵を、魔王の残滓を、一つずつ確実に「完全消去」の光で包み込んでいく。

 しかし、ゴミ箱の最深部には、まだカナタ自身も気づいていない「最大の消し忘れ」が眠っていた――。

【次回予告】

第52話:『初期設定の「俺」。~「一番最初にデリートしたはずの、人間らしい心が襲ってくる」~』

バグの猛攻を退けたカナタの前に現れたのは、要塞を手に入れる前の「ただの一般人だった頃のカナタ」の残像。

「こんな世界、間違ってる」

正論を吐く過去の自分に対し、今のカナタとヤンデレヒロインたちは……。

「……主様に、迷いは、不要。……今の主様を否定するなら、過去の主様ごと、私が『磨き直して』あげます……ッ!」

【作者よりお願い】

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!

ページ下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして評価いただけると、執筆の大きな励みになります!

ブックマーク登録も、ぜひポチッとよろしくお願いいたします!

また、もしよろしければX(旧Twitter)などのSNSで「#世界中にダンジョンが出現したけど、バズり方を知っている俺だけが最強の「攻略ライバー」になった件」のハッシュタグを付けて、感想と一緒に広めていただけると、執筆のモチベーションが爆上がりします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ