第107話:要塞の「大声コンテスト」。~「全人類が叫び始めたら、地球の自転速度が加速して、1日が『3秒』になった件」~
「声のデシベルこそが正義」というカナタの新ルールにより、マッチョ化した全人類は一斉に空に向かって咆哮を開始した。
だが、数兆人の「筋肉の叫び」が放つエネルギーは、音波の域を超えて物理的な推進力へと変換されてしまった。
「……なぁテツ。さっきから窓の外の太陽が、高速道路の電灯みたいにビュンビュン流れてるんだけど。これ、俺の動体視力がバグったのか?」
『カナタさん、違います! 人類の叫び声が地殻を押し、地球の自転軸に異常な回転トルクを加えちゃったんですよ! 現在、地球の自転速度は通常の28,800倍……1日が「3秒」で終わってます!! 朝食を一口食べたら、もう深夜ですよ!!』
モニターには、高速回転による遠心力で、地上のマッチョたちが次々と宇宙空間へ「慣性パッチ」も適用されずに放り出されていくシュールな光景が映し出されていた。
「……あら。……なんて落ち着きのない星ですの。……カナタ様の優雅なティータイムを、あのような雑な回転で妨げるなんて。……わたくしの暗黒魔法で、地球の自転ごと『一時停止』して差し上げましょうか?」
ルナが目を回しながらも、要塞の揺れを止めるために空間の座標を無理やり鎖で固定しようと魔力を練り上げる。
「……主様、あの、回転。……目が、回って、不潔。……景色が、混ざって、マーブル模様に、なっているのが、汚い。……耐えられない。……私が、地軸の、根元から、宇宙の、果てまで……高圧洗浄で、磨き止めて……。……一ミリの、ブレもない、静止した、鏡の世界に、磨き直して、あげますね……ッ!」
セレスティアが「対・惑星自転用」の超巨大ブレーキパッド(研磨仕様)を抱え、火花を散らしながら地軸へと突っ込んだ。彼女が地軸を「磨き」ながら減速させるたびに、摩擦熱で宇宙空間に巨大な「光のリング」が形成され、地球は巨大なディスコボールのように輝き始める。
「あはは! ライバーさん、見てよ! 1日が3秒になったせいで、人類の寿命が計算上、数分で終わることになってる! ゲラゲラゲラッ!! 『RTAすぎる人生w』ってタグが、書き込む暇もなく流れていくよ!! 最高にバグってる!!」
ノアは要塞の床を転げ回りながら、あまりの速度に「過去と未来が同時に表示」され始めたシステムのバグ画面を見て狂ったように笑っている。
「……よし、テツ。……この回転速度を利用して、地球を銀河最大の『発電機』に編集しろ。……この莫大な電力を使って、全宇宙に俺の動画を強制4K配信してやるんだ!!」
【次回予告】
第108話:『要塞の「電波ジャック」。~「全宇宙のテレビに俺の顔を映したら、光害レベルの眩しさで銀河中の眠気が吹き飛んだ件」~』
「……これ、画面の輝度(明るさ)設定、間違えてないか?」
地球発電機によるフルパワー配信が、銀河の夜を昼に変える!?
眩しすぎて寝られない宇宙人たちから、100億件の「消灯リクエスト(物理攻撃)」が届き始め――。
「主様、あの、宇宙の、光。……不純な、輝きだから、私が、全波長、磨き消して、あげますね……ッ!」
【作者よりお願い】
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
第107話、人類の叫び声で地球が独楽のように回り始めるという、物理法則デバッグ回をお届けしました。
もし「1日が3秒という絶望的な時間経過に吹いたw」「セレスティアの地軸研磨ブレーキが安定の怖さで面白い」と思っていただけましたら、
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