第106話:要塞の「キャラメイク」。~「人類を肉付けし直したら、全員が『マッチョな原始人』の姿で固定されて、文明が物理的に終わった件」~
骨だけになった人類に「肉体」を復元する有料DLCを配信したカナタ。だが、面倒になった彼は【デフォルト設定:原始人ニキ】の肉体データを全人類に一括適用してしまった。
その結果、街角の女子高生も、銀行の支店長も、銀河のセレブも、全員が「身長2メートル、体脂肪率3%、ベンチプレス300キロ余裕」の筋肉だるまへと変貌した。
「……なぁテツ。さっきから『画面割れ』のアラートが止まらないんだけど。これ、俺のモニターが壊れたのか?」
『カナタさん、違います! 全人類の指が「丸太」みたいに太くなったせいで、スマホを操作しようとした瞬間に画面を粉砕しちゃってるんですよ! 現在、銀河中のSNSが物理的なパワーでオフライン(物理破壊)になってます!!』
モニターには、厚い胸板でスーツを弾き飛ばし、毛皮を纏った元・エリートたちが、壊れたパソコンを前に「ウホッ(動かない)」「ウッホ(叩けば直る)」と原始的なコミュニケーションを取る地獄絵図が映し出されていた。
「……あら。……なんという暑苦しい解像度。……カナタ様の美しき世界が、あのような脂ぎった大胸筋で埋め尽くされるなんて。……わたくしの暗黒魔法で、彼らの筋肉ごと『圧縮』して、掌サイズの肉団子に書き換えて差し上げましょうか?」
ルナが不快そうに、要塞の窓に押し付けられた巨大な上腕二頭筋を睨みつける。彼女にとって、主様以外の「肥大化した存在」は、視界を遮る不純物でしかなかった。
「……主様、あの、増えすぎた、筋肉。……汗が、不潔。……毛穴から、噴き出す、野性味が、空気を、濁らせている。……私が、彼らの、毛穴ごと、分子レベルで、磨き塞いで……。……一滴の、汗も、許さない、鏡面仕上げの、マッチョに、磨き直して、あげますね……ッ!」
セレスティアが「対・筋肉用」の超高圧除菌ワックスを抱え、地上へとダイブした。彼女が筋肉の波を通り抜けるたびに、原始人たちは「摩擦係数ゼロ」のテカテカな肉体へと磨き上げられ、自分の重みで滑って立ち上がれなくなる「筋肉の海」が形成されていく。
「あはは! ライバーさん、見てよ! 筋肉が付きすぎて、物理演算が追いつかなくなったマッチョたちが、空中に浮いたまま回転してるよ! ゲラゲラゲラッ!! 『人類、筋肉で浮くw』って動画が……あ、スマホが全部壊れてるから再生数が伸びない! おっかしくって腹筋がバーストする!!」
ノアは要塞のコンソールを激しく蹴りながら笑い転げている。文明の利器が、ただの「握力」によって粉砕される。この絶対的なバグ展開に、彼女の笑い声は地獄の底まで響き渡った。
「……よし、テツ。……通信インフラが死んだなら、新しい『バズり方』を教えてやる。……地上に巨大な【拡声器】を設置しろ。……今日から配信は『大声』で評価するんだ。……一番吠えた奴が、銀河のトップライバーだ!!」
【次回予告】
第107話:『要塞の「大声コンテスト」。~「全人類が叫び始めたら、地球の自転速度が加速して、1日が『3秒』になった件」~』
「……ちょっと待て、さっき朝飯食ったばかりだろ!」
数兆のマッチョたちの咆哮が、地球を物理的に回し始めた!?
超高速で回転する世界で、カナタが放つ「ブレーキ(空間編集)」の一手とは――。
「主様、あの、回転。……目が、回って、不潔だから、私が、地軸ごと、磨き止めて、あげますね……ッ!」
【作者よりお願い】
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
第106話、人類が筋肉の塊になり、文明が物理的に粉砕されるという「パワー・デバッグ回」をお届けしました。
もし「女子高生までマッチョ化するカオスに吹いたw」「セレスティアの毛穴研磨が安定の怖さで面白い」と思っていただけましたら、
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