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第10話:『世界最強になった翌朝。~「お祝いに、一生外に出られない魔法をかけました」と聖女様が微笑んでいます~』
世界1位を倒した衝撃は、一夜明けても収まらなかった。
SNSのトレンドは俺の名前で埋め尽くされ、企業からのCM依頼や、国からの協力要請が数千件届いている。
だが、今の俺にとって最大の懸案事項は、目の前にある朝食……ではなく、それを差し出すルナの視線だった。
「カナタ様、おめでとうございます。これであなたは、名実ともに世界で一番『価値のある男性』になりました」
「……ああ、ありがとう。でも、通知がすごくて朝からスマホが鳴り止まないんだ」
「ええ、分かっています。ですから――」
ルナが俺のスマホを床に置き、軽やかに足で踏み砕いた。
「……え?」
「有象無象の連絡なんて、必要ありません。これからは、私の声だけを聴いていればいいんです。……お祝いに、この部屋のセキュリティを『神話級』にアップデートしておきました。……私以外、誰も入れませんし、あなたも出られません」
窓の外を見ると、アパート全体が禍々しいほどの神聖な結界に包まれている。
「……ルナ。これ、いつまで続くんだ?」
「いつまで? ……ふふ、死が二人を分かつまで……いえ、死んでも魂は逃がしませんから、永遠に、ですよ?」




