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幼馴染の裏切りと絶望の渦 ~浮気女の遅すぎた後悔と、因果応報の復讐劇~  作者: ledled


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凛音の幻影予感 ~浮気女の隠された直感と、遅すぎた絶望の渦~

私は凛音。二十一歳の大学生で、文学部に通っている。蒼弥とは幼馴染で、高校時代から付き合い、大学進学後に同棲を始めた。あの頃は、すべてが輝いていた。蒼弥の優しさ、共有する日常。でも、最近、何かが変わった。微かな予感のようなものが、心をざわつかせていた。それは、蒼弥の予知直感に似ているけど、私のもの。夢やふとした瞬間に、未来の影がちらつく。最初は気のせいだと思っていたけど、迅さんに出会ってから、それが強くなった。


迅さんは二十三歳の社会人。広告代理店で働いていて、大学に時々顔を出してアドバイスしてくれる先輩。初めて会ったのは、文学部の勉強会だった。あの日のことを、今でも鮮明に覚えている。迅さんの笑顔が、私の予感を刺激した。


勉強会の後、迅さんが私に声をかけた。


「凛音さん、君の小説解釈、面白かったよ。もっと話聞かせてくれない?」


私は頰を赤らめて頷いた。蒼弥との日常が、少し退屈に感じ始めていた頃だった。迅さんの冒険的な話は、刺激的だった。


その夜、アパートに戻って蒼弥に話した。


「今日の勉強会、迅さんっていう先輩が来てて、みんなで熱く議論したよ。」


蒼弥は穏やかに微笑んだ。


「へえ、楽しそうでいいね。」


でも、私の心に、微かな予感が疼いた。夢の中で、蒼弥の顔が悲しげに浮かんだ。予感は、迅さんと私が手を握る姿を示した。心臓が早鐘のように鳴った。でも、それを無視した。予感なんて、ただの幻想。迅さんの魅力に、惹かれ始めていたから。


数日後、迅さんとカフェで会った。勉強会の延長と言い訳して。迅さんの手が、私の手に触れた瞬間、予感が閃いた。未来の断片。迅さんと私が、ホテルで絡み合う姿。吐き気がしたけど、興奮も混じっていた。蒼弥の予知直感の話を思い出した。彼はそんな力を持っているのに、私はただの予感。でも、それが本当なら……。


迅さんが囁いた。


「凛音、君の彼氏、忙しいんでしょ? 俺たちはただ、刺激を分け合ってるだけさ。」


私は頷いた。蒼弥との同棲生活は、穏やかすぎた。幼馴染の絆が、枷のように感じた。迅さんの言葉は、予感を現実にする鍵だった。


「うん……蒼弥は優しいけど、なんかマンネリで。迅さんみたいに、自由な人、憧れる。」


カフェを出て、迅さんのマンション近くを歩いた。予感が警告した。蒼弥が遠くから見ている影。でも、私は目を背けた。浮気の始まり。罪悪感はあったけど、予感の興奮が上回った。


アパートに戻ると、蒼弥が待っていた。夕食を作ってくれていて、いつもの優しさ。


「おかえり、凛音。遅かったね。」


私は笑顔を装った。


「勉強会が長引いちゃった。ごめんね。」


蒼弥の目が、一瞬鋭くなった気がした。でも、彼は予知直感を持っている。もしかして、知ってる? 私の予感が、そう囁いた。でも、確かめなかった。迅さんとの関係を、深めたいと思ったから。


浮気が本格化したのは、その週末。迅さんとホテルに行った。迅さんの体温が、私を溶かした。予感の映像通り。でも、事後に罪悪感が襲ってきた。夢の中で、蒼弥が泣いている姿を見た。私の予感は、蒼弥の能力の影響か? 幼馴染の絆が、こんな形で繋がっているなんて、恐ろしかった。


翌朝、迅さんに聞いた。


「迅さん、最近変な夢見ない? 未来みたいなの。」


迅さんは笑った。


「へえ、俺も時々見るよ。転落する夢。でも、気にすんな。現実だよ。」


彼も予感を感じている? それが、浮気の燃料になった。運命の連鎖みたいで、興奮した。でも、心の奥で、後悔の芽が育ち始めていた。


蒼弥との日常は、変わらず続いた。でも、私はスマホを隠すようになった。迅さんからのメッセージを、蒼弥に見せないように。ある夜、蒼弥が言った。


「凛音、最近スマホばっかり見てるね。何か隠し事?」


私は慌てて否定した。


「ないよ、そんなの。」


声が震えた。予感が、蒼弥の復讐を予見した。夢の中で、彼が冷たく微笑む姿。怖くなった。でも、迅さんとの刺激を止められなかった。


友人である澪に相談した。彼女の部屋で、ぼんやり話した。


「澪、蒼弥との関係、なんか退屈でさ。迅さんみたいな人、魅力的だよね。」


澪は眉をひそめた。


「凛音、浮気なんて考えてるの? 蒼弥、いい人なのに。」


私は誤魔化した。でも、澪の目が疑わしげだった。予感が、孤立の未来を示した。友人たちが去っていく姿。


迅さんとの密会が増えた。ホテルで、彼は自信たっぷりに私を抱いた。でも、最近の迅さんは変わった。苛立っているようだった。


「凛音、俺の会社で変なことが起きてる。誰かの罠かも。」


迅さんが言った。私は不安になった。


「蒼弥の仕業? 彼、予知みたいな力持ってるよ。」


迅さんは笑ったが、目が怯えていた。


「まさか。でも、俺も夢で似たようなの見てる。転落する自分。」


予感の連鎖。私のもの、迅さんのもの、蒼弥のもの。それが絡み合って、崩壊を呼んでいる気がした。


ついに、迅さんが会社をクビになった日。ホテルで、彼は私に別れを告げた。


「凛音、俺、もう無理だ。君のせいかもな。別れよう。」


私は泣いた。


「そんな……迅さん、待って!」


でも、彼は去った。予感の映像通り。捨てられる私。絶望が胸を刺した。


アパートに戻り、蒼弥にすべてを告白した。涙ながらに。


「蒼弥、私、迅さんと浮気してた。ごめんなさい。」


蒼弥は冷静だった。


「いつから?」


私は話した。予感のことさえ、ぼんやり触れた。でも、蒼弥の言葉が、私を凍りつかせた。


「すべて知ってたよ。予知直感で、最初から。わざと泳がせたんだ。」


衝撃。蒼弥が復讐を仕組んでいた。迅さんの崩壊、私の孤立。すべて、予知の渦。


「そんな……私の予感も、君の影響だったの?」


私は叫んだ。蒼弥は頷いた。


「かもな。君の裏切りが、連鎖を呼んだ。因果応報さ。」


澪に連絡した。助けを求めた。


「澪、助けて。蒼弥に捨てられそう。」


澪の声は冷たかった。


「凛音、浮気したんでしょ? 私、もう関わりたくない。」


友人たちから見捨てられた。家族にさえ、連絡できなかった。予感が示した通り、孤立の淵。


大学を休学した。部屋に閉じこもり、予感の夢に苛まれた。蒼弥の笑顔、迅さんの転落、私の絶望。すべてが現実になった。後悔が、波のように押し寄せた。なぜ、迅さんに惹かれた? なぜ、蒼弥を裏切った? 予感を無視した報い。


迅さんの末路を聞いた。事故、借金、精神崩壊。私の予感が、彼の不幸を予見していた。すべて、繋がっていた。


今、私は一人。絶望の渦に沈む。蒼弥にすがりたい。でも、もう遅い。予感が、そう告げる。後悔の叫びは、虚空に消えるだけ。


「蒼弥、ごめん……もう遅いよね。」


独り言のように呟いた。幻影のような予感は、永遠に私を蝕む。因果応報の代償。浮気女の末路。

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