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より良き世界を築くため

「話を戻すが……その、RPGとやらに勇者が登場すると言っておったな。どういう事か詳しく聞かせてもらえぬか?」


「では、一家の代表として、私が説明いたします。RPGというのは、自分が勇者や英雄となって、自国を脅かす存在や災厄を退けるために旅へ出る――そういった物語性のある遊戯です。……今の私たちの状況と酷似しているのです。ただし、始まりが王の御前ではなく、魔王様の御前であるという違いだけがございますが……」


「ほう……。つまり勇者どもは、彼らなりの守るべきもののために、我らに立ち向かってきているということか」

「おそらくは、その通りでしょう」


「なるほど。以前から疑問に思っていたのだ。なぜ彼らは無謀にも魔国へ侵攻してくるのかと……。彼らにもまた、彼らの正義があったということか。うむ、合点がいった」


「こちらの正義は、向こうの悪、といった具合でしょうか。正直よく分かりませんが」

「……ならばだ。そのRPGなるものを我が興じてみれば、勇者を打ち倒す術はもちろん、場合によっては相互理解を深め、共存の道すら見出せるのではないだろうか……」


 平和的解決の可能性を示唆したセイドーへ、ミホが言葉を添える。

「暴力が唯一の解決策ではございません。対話を重ね、歩み寄ることもまた道筋。ゲームの中に、その糸口を見出すのは興味深い試みかと存じます」


「うむ、ミホ殿の言に賛同する! RPG……異世界の叡智が凝縮された品というわけだな。ぜひ、ぜひやってみたい! ……あ、いや、これは遊興のためではないぞ! あくまでも、より良き世界を築くための研究なのだ‼」


 そう口にするセイドーの姿に、この場にいた全員が心の中で同じ感想を抱いた。

(うわぁ~、ゲームするのめちゃくちゃ楽しみにしてる……)


 空気を切り替えようと、カイが口を開く。

「ぜ、ぜひ我が家へお越しくださいませ。ただ……魔王様ほど大きなお体では、うちのような狭い家にお入りいただけないかと……」


「それならば心配無用だ。ゲドーの魔法で身体の大きさを変えられる。他に障りはあるか?」

「そうですね……。あぁ、そういえば、電力が無いとゲームを起動させることが出来ないです。うーん、どうしたものか」


「電力……。エネルの様なものか?」

「質問に質問で返して恐縮ですが、エネルというのは、何かを動かすための力、のようなものですか?」

「うむ、その解釈でよい。夜を照らす魔道具に使う下位魔法だ。子どもでも扱えるし、そなたらもこちらの世界に来た際に魔素を授けられておろう。ならば、すぐにでも扱えるはずだ」


 セイドーの話を聞き、スズが興味津々とばかりに早口でまくし立てた。

「えっ、マジ⁉ 最高じゃん魔法とか! しかも電気いらずでフリーエネルギーとか最強じゃん‼ で、どうやればいいの? ねぇ、ねぇ早く教えてください‼」


「ちょ、ちょ、ちょっと落ち着くのだ、スズよ。いずれそなた達に魔法の扱い方を教える講師を用意してやろう」

「やったー! うちもついに魔法少女デビューだぁ!」


 テンションの上がり切った妹を、兄が窘める。

「もう少女じゃないだろうが、お前は」


「うるさいなぁお兄ちゃん! そういうツッコミが一番ムード壊すんだから!」

「ムードぶち壊してるのは、どこのどいつだよ」

「フハハハハ! スズは実に面白い娘だな!」


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