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第9節:Crossing Soul

完結……しませんでした (_××)_ドゲザマン!

   8


 オレの拳をもろに受け、ペティアが仰け反る。


「よくも美琴を!」

「調子乗んなぁ!」


 もう一発殴ろうとしたが、先に蹴りを喰らって吹っ飛ばされた。


「クッソが!」


 すると、オレを蹴った脚も、動かなくなったらしい。


「ンだよ、このウゼえの?!」


 ペティアの鎧の一部が剥がれた。

 だが、人の姿に戻らず、蛇のようなグネグネした光のまま、周囲を飛び回る。


 すると、光に照らされるように、ペティアに絡みつく、黒い影が姿を現した。


「悪霊?!」

 

 そうにしか見ないが、違った。

 その悪霊には、顔があった。

 オレには、とても懐かしい顔が────


「母さん?!」「おばさん?!」


 なぜ、《クロスロード》が創られる前に死んだ母さんが……?!


(じゃぁ、今までのもみんな……?)


 ペティアからオレを守ってくれた謎の力も、母さんだったのか。


「マザコンかよクソが! キモいんだよ! 死ねしねしねクソ!」


 ペティアが怒鳴り、光の蛇が母さんの影に食らいついた。

 ゥオオオ──悪霊の呻き声が上がる。


「やめろ!」


 オレはとっさに弓を構えた。

 すると、母さんがうなづいたのが、ハッキリと見えた。


(撃て……っていうこと?!)


 できない……

 だが、迷っている間にも、母さんは徐々に喰われてゆく。


「ペティア、今ならまだ間に合う。《ソウルギア》を解除して、降参しろ!」

みのる!」

「黙って!」


 美琴の言いたいことは分かる。

 けれど、オレにはどうしても撃てない。


「ハァ?! バカか! バカだな! ゴミに頭下げるくらいなら死んだほうがマシだろ! ホラ撃てよ! 撃ってみろよマザコン!」


 嫌だ。せっかくまた会えたのに……

 なんとか、母さんを避けてペティアだけ……そんな半端な攻撃で、奴が倒せるのか?

 そもそも倒すってことは、殺すってことになる──人殺しだ。

 でも、奴の暴虐を止めるチャンスは今しかない。


 《クロスロード》はゲームじゃない。

 けれど平和な世界だった。

 なんで、こんなことに……

 美琴、助けて……母さん、クリスさん、エヴァさん……!


「穣。美琴ちゃんを守りなさい」


 突然聞こえた声に、オレはハッとなった。

 もう忘れかけていた、母さんの声。

 忘れかけていた、オレの気持ち。

 幻聴だったとしても、オレは背中を押されるように、決意を固めた。


「美琴、力を貸して……《ペネトレイトアロー》」

「うん……」


 《ソウルギア》を通して、美琴のつらい気持ちも決意も伝わってくる。

 きっと美琴にも、今の声が聞こえたのだ。


 限界まで引き絞った弦を、オレは解き放った。

 光の矢が、ペティアの鎧を破って胸に刺さった。


「母さん!」


 そして、背後にいた母さんも、その矢に貫かれて、消え去った。

 最後に見えたその顔は、笑っていた。


「あ……マジ、かよ……クソが!」


 だが、ペティアは倒れなかった。

 胸から、口から、血を流しながら、オレたちに向かってくる。


 その首を、先端に剣の付いた鞭が、ね飛ばした。


「クリスさん!」


 いつの間にか回復していたクリスが、横からトドメを刺したのだ。


「《ソウルオーバー》は自己回復もできる。殺すなら、暇を与えちゃいけない」


 鎧のままのエヴァが言い放った。


「……はい」


 オレは地面に膝を突き、泣きながら、弱々しく返事をするしかできなかった。

お読みくださりありがとうございます。


前書きで申したとおり、完結に至りませんでした。

1話だけ、後日談、入ります。

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