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第69話 交錯×思い


「レン、もう動いて大丈夫なのか?」


 王城で一晩休んだ翌朝。太陽が高い位置まで登り王都を明るく照らすころ、王城のエントランスにはレン達が見送りに来ていた。


「ああ、大丈夫だ。今回はユウヤには色々と迷惑をかけたな……」


 レンは申し訳なさそうに言うと頭を掻きながら目を逸らした。


「気にするな。それより、レンはこれからどうするんだ?」

「かなり出遅れたが、ノースフルの迷宮に挑むつもりだ」

「そうか、それなら迷宮で商人をしているライリーって奴がいるんだ。俺の友達だって言えば攻略情報を教えてくれるはずだ」

「そんなことまで教えていいのか? すぐに追いついちまうぞ?」


 レンはいつもの笑顔でからかうように言う。


「あ、そうだ。クローネ、ユウヤにあれを」

「はい。レン様」


 レンが何かを思い出した様にクローネに声をかけると、頬を少し赤らめたクローネが返事をした。


「次は南の迷宮に挑まれると、レン様よりお伺いしております。こちらをお持ちください」


 クローネが取り出したのは一通の封書だった。開口にはシグニンズ王国の紋章が刻まれた蝋で封印が施されている。


「これは?」

「紹介状です。南の国、コダパウア王国は古くから友好関係のある国ですので、これがあれば迷宮へ挑む許可が取れるかと思います」

「そうか。助かるよ」


 俺は受け取った封書をインベントリに収納しながら答えた。


「それと……リア。少しいいかしら?」

「え、わ、私ですか? はい!」


 突然名前を呼ばれたリアは少しあたふたしながら返事をする。


「騎士団総長を打ち破ったと聞きました。その実力を見込んでお願いがあります」


 クローネは真剣な眼差しでリアを見つめる。


「我が国の剣聖となり、いつかの貴女の父のように王家の側に仕える気はありませんか? 国王亡き今、わたくしが王位を継承し、民を導くには武の力が足りないのです」

「……あ、ありがとうございます!」


 リアは勢いよく頭を下げた。


「それじゃ──」

「でも、ごめんなさい」


 クローネの嬉しそうな表情を見せたが、リアは言葉を制止するように謝った。


「私にはまだやるべき事がございます。折角のお話ですが、お断りします」


 リアはクローネの目を真っ直ぐに見て答えた。


「次は無いかも知れないのですよ?」

「はい」

「そう……それほどに大切な事なのですね……」


 目線を落とし残念そうに呟く。


「けれど、その用事が終わった時は是非、わたくしの元へ帰ってきてください」

「はい。その時は王家の剣となり敵を討ち、御身を護ると約束いたします」


 リアは片膝をつき跪くと、ナイトメアを鞘から抜きクローネに手渡す。

 ナイトメアを受け取ったクローネは、リアの肩に刀身を当てる。


「わかりました。その時が来るのを待ちましょう」


 リアはナイトメアをクローネから受け取り、鞘へと納刀する。


「皆様の旅の無事をお祈り致します」


 クローネは手を組み目を閉じると、祈るように天を仰ぎながら言った。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


「本当によかったのか?」


 俺たちは王城を後にし、王都で食料の買い出しをしながら南門へと向かっていた。

 王都では国王の突然の不幸と姫の即位に対する話で持ち切りだ。


「何が?」

「折角、貴族になれたのにさ。エストレア家の復興を目指してるんだろ?」

「いいのよ。私はユウヤと全ての迷宮を攻略するって決めたの。少し遅くなっても、父様も母様もきっと許してくれるわ」


 リアは振り返ると満面の笑みで答えた。


「そうか。そんじゃ、リアの親父さんのためにもさっさと攻略するか」

「ん。コダパウア王国には南の港町コエンから船が出てるよ」

「え、また船なの!?」


 南門を出た俺たちは、魔導二輪に跨り南の港町コエンへと向った。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


「レン様……もう行かれるのですね


 クローネが部屋で出発の準備をしているレンに声をかける。


「ああ。ユウヤに先を越されちまったからな。休んでる間にもアイツは先に進んじまう」

「そうですか……レン様、必ず無事に帰ってきてくださいね」

「当たり前だ」


 レンは振り返るとニッと笑った。


「レン様、わたくし──」

「俺は元いた世界に帰らないと行けないからな。こんなところで死んでいられない」


 レンは拳を強く握り、自分に言い聞かすように言う。


「あ、わりぃ。なんか言ったか?」

「いえ……あ、そうだ。この魔石を持って行ってください」


 クローネは魔石が入った皮袋をレンに手渡した。


「いいのか!? かなり価値のある物じゃないのか?」

「いいのです。父が集めていた物ですから……今のわたくしには必要のないものです。レン様がお使いください」

「そうか……ありがとな」

「レン様。そろそろ準備できましたか? あ、姫様。こちらにいらしたのですね」


 レンは皮袋をインベントリに収納すると、開いた扉からグレイが声を掛けた。


「おう。今準備できたところだ」

「フールの準備もしておきました。いつでも出発できますよ」

「そうか。じゃ、クローネ。行ってくる」

「……はい。お気をつけて」


 レンたちは北の迷宮。ノースフルへと向かい始めた。

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